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太平洋セメント(株)【5233】の掲示板 〜2015/04/28

太平洋セメト/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILCORP;bg=0000734;dv=pc;sv=NXの業績に不安要因が浮上した。中国・南京市にある工場が、南京市の大気汚染対策の一環で4月に閉鎖対象に指定されていたことが判明したのだ。同社は閉鎖命令の撤回を求めて、南京市政府と協議中。背景には景気減速による中国のセメント需給の悪化もあるとされる。交渉を見事乗り切って工場存続につなげられるのか。同社の中国事業の行方を左右する交渉になるのは間違いなさそうだ。




政府から閉鎖命令が出た太平洋セメの南京工場(中国・南京市)
 南京市は大気汚染の原因となる石炭の使用量削減を進めるため、2014年末までに南京工場を閉鎖するよう命じた。今回の命令は現地資本のセメント工場にも出ており、日本企業を狙い撃ちしたものではないようだ。なぜ太平洋セメの工場が対象になったのかなどについて、同社は「協議についての詳細はお答えできません」(広報部)と口を閉ざす。

 太平洋セメは1990年代から中国でセメント生産を手掛けており、南京のほか大連市と秦皇島市(河北省)にも工場を持つ。中国事業の損益は開示していないが、市場推定では「今期予想の営業利益/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE7EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXは15億~25億円で、このうち南京工場は数億円程度」(証券アナリスト)とみられる。連結営業利益(今期予想で480億円)に比べると小さいが、南京工場や関連施設の簿価は3月末時点で110億円。閉鎖すれば減損損失/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE1E2E4E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXや除却損などの損失が膨らむ可能性がある。

太平洋セメは工場存続を諦めてはいない。閉鎖命令撤回に向けた当局との協議でカギを握りそうなのが、セメント工場での廃棄物処理だ。同社は産業廃棄物/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E5E2E3EBE3E2E0E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXや都市ごみなどを処理し、セメント原料にする技術を持つ。南京工場では廃棄物処理を手掛けていない。太平洋セメは「南京市で生じる廃棄物をリサイクル処理するなど、新たな分野で貢献できる可能性がある」(8月15日付プレスリリース)と、当局に技術力を訴えていく考えのようだ。

 中国は景気が減速した11年以降、供給過剰によるセメント価格の下落が続いている。太平洋セメの中国事業も今期は2期連続の営業減益となるもよう。現地メーカーにも相次ぎ閉鎖命令が出ていることから、今回の命令も「南京市による需給是正策の一環」との見方もある。それだけに工場が存続できれば太平洋セメが受けるメリットは小さくない。競合相手が減って供給過剰が解消されれば、セメント価格が上向く可能性があるためだ。

 太平洋セメは南京工場を「省エネ環境配慮型の模範的な工場」と説明してきた。現地の環境基準を守る工場の閉鎖命令は、同社にとっても寝耳に水だったはずだ。粘り強い交渉で閉鎖命令撤回を勝ち取ることができるのか。閉鎖予定は14年末のためすぐには最終結論が出ない可能性も高く、市場関係者も当面は事態の推移を注視することになりそうだ。