財政破綻とデフォルトの違いって何でしょうか？

混同されている方もいらっしゃいますが、財政破綻どデフォルトは意味が違います。 デフォルトとは、「債務不履行」の意味です。つまり国家財政だけでなくても、金融機関でも企業でも個人でも、返済が遅れる、返済ができない、などが発生すれば、「デフォルト」と言います。債務不履行の英単語と思ってください。 アメリカがデフォルトするというのは、アメリカ政府が発行している国債の償還（返済）が不能になることです。 借金はダメだ！返さなきゃ！と思っているのは、実は日本人くらいで、ふつうは「借り換え」をするのがグローバル・スタンダードです。アメリカでは、債務上限額が法律で決められており、8月末のドタバタは、法律を変えて、上限額を引き上げないと、国債発行ができない（借り換えできない）状況が発生し、債務不履行に陥る、というものでした。 アメリカは累積財政赤字が14兆3千億ドル弱あり、世界最大の累積財政赤字です。しかも、日本や中国など他国も多くを所有しており、デフォルトすれば世界経済への影響も大です。 オバマ大統領が譲歩してでも法律改正を通したのは当然でしょう。 財政破綻ですが、残念ながらこれは明確な定義がありません。もっとも一般的な定義は、マクロ経済学の中にある「ブランシャールの定義」でしょう。すなわち 名目利子率＞名目経済成長率（インフレ率＋実質経済成長率）になると、債務残高の名目GDP比が無限大に発散し、財政は破綻する。逆に名目利子＜名目経済成長であれば、有限値となり、債務残高がどれほど巨額でも財政破綻は避けられる。 この「名目利子率＜名目経済成長率」の条件を「ドーマーの条件」といいます。 この条件はかなり楽観的なものであり、債務残高自体はどうでもよく、利子率を上回る経済成長さえすれば無問題という考えです。もう少し悲観した条件として「ボーンの条件」というものがあります。これは 「ドーマーの条件」が成立し、かつプライマリーバランス（財政均衡）が取れている状態 この条件であれば、財政破綻は避けられる、としています。 しかしこれらは、「財政破綻の条件」であって定義ではありません。クルーグマンマクロ経済学の中でも、財政破綻の定義については様々で、「わかりません」が回答となります。

hid********さん