上場維持基準である流通株式時価総額をクリアするには、株価もしくは流通株式比率のどちらかを上げる必要がありますが、会社が主体的かつ計画的に行える手段は言うまでもなく流通株式比率を上げることです。
2025年11月の有価証券報告書を確認すると、同社会長と資産管理目的と思わしき会社の保有率は計61%にも達します。インサイダーであっても保有5%以下の株主は報告する義務はありませんから、11月以降、それらの株をすべて静かに市場に放出していたとしても、それでも流通株式比率は39%です。流通株式比率を上げるには会長株を手放さなければならず、大株主保有数が変更された場合は5営業日以内に報告書を提出する義務がありますが、現時点では確認できません。
もし今から大量の株を市場に放出すれば、流通比率は上がっても株価が下がるという二律背反に陥ります。
上方修正と増配をセットにして株を放出し、起死回生の滑り込みで上場基準をクリアする。そのようなことがあり得るのかもしれませんが、私には私の知りえる情報と持てる知識で投資判断をする以上の術はありません。上場維持を第一とするなら博打なウルトラCに頼らずとも計画的に行えたはずで、主体的に行える唯一の手段をとらなかったこと自体が、上場維持より経営権保持が優先であることを物語っていると私は考えます。
そして最も困難だと思うことは、サプライズで株価が上がったとしても上場基準に必要な株価を維持し続けることが果たして可能であるか、ということです。大きく株価が上がれば、それと同時に株保有者には「囚人のジレンマ」が発生します。上場廃止の恐怖による売り抜け以上の買いを集めるサプライズ発表でなければなりません。
是が非でも上場維持であるならば、名証の重複上場ではなく、やらなければならないことがあったはずです。そしてそれはやる意志さえあればできたことです。
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