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臨床応用可能な老化細胞除去薬の同定に成功 ―アルツハイマー病などの加齢関連疾患への治療応用の可能性― 順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座の勝海悟郎特任助教、大学院医学研究科循環器内科学南野徹教授らの研究グループは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援等により、すでに臨床応用されている薬剤から、加齢関連疾患への治療応用を可能にする老化細胞*1除去薬を同定し、その作用機序を明らかにしました。これまで加齢により組織に老化細胞が蓄積し、慢性炎症*2が誘発されることで様々な加齢関連疾患の発症や進行につながることが少しずつ明らかになってきましたが、病的な老化細胞を除去する薬剤で、大きな副作用の懸念がなく、臨床応用可能なものはありませんでした。今回研究グループは、糖尿病の治療薬として開発されたSGLT2阻害薬*3が、加齢や肥満ストレスに伴い蓄積する老化細胞を除去することで、代謝異常や動脈硬化、加齢に伴うフレイル*4を改善するばかりでなく、早老症マウスの寿命を延長しうることを確認しました。本成果は、アルツハイマー病を含めた様々な加齢関連疾患の治療への応用の可能性を示唆するものです。
大阪大学大学院医学系研究科(ロ…
2024/06/16 05:29
大阪大学大学院医学系研究科(ロート製薬、眼科学)らの研究グループは、同蛋白質研究所の関口清俊寄附研究部門教授らと共同で、培養皿のコーティングに用いる基底膜タンパク質ラミニン※1の種類(アイソフォーム)が多能性幹細胞(iPS細胞)の眼の細胞への分化過程における運命決定に寄与していることを明らかにしました。具体的には、ラミニン211、332、511は、iPS細胞を、それぞれ、神経堤細胞、角膜上皮細胞、網膜・角膜等を含む多層構造へ誘導しました。さらに、ラミニン511を用いたiPS細胞の培養によりiPS角膜上皮シートのもととなるSEAM(シーム)が形成されますが、その形成過程にYAP※2が関与していることが示唆されました。本成果により、iPS細胞の足場による運命決定制御機構や眼の発生機序の解明、さらには角膜再生医療実用化に向けたiPS角膜上皮細胞の作製効率化が期待されます。本研究成果は、米国科学雑誌「Cell Reports」に11月6日に掲載されました。