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いわゆるスマート米・・・。Amazon等を通じて,全国どこからでも購入可能である。しかし,その価格は,スーパー等で売られる慣行栽培米の約2倍。慣行米と比べ,味も安全性にも実質的な差がない(我が国の慣行栽培農家は優秀)のに・・・だ。その一方で,それを喜んで購入する意識高い系上級国民がいるのも事実である。重要なのは,そうした意識高い計消費者が形成する市場が,成長するか否かという点である。 そもそも,実質賃金の低下傾向が続いているうえに,全国どこでも減農薬のブランド米が作られるなか,ドローンが上空を飛んだ米の消費量が拡大し続けると本気で考えているだろうか?有機農業関連法の施行後の有機農業市場の変遷を分析すれば答えは明らかだが,きっと農学・農業の初学者すらいないのであろう。 売上増加分の積極的な主要投資先は,ドローン農薬散布サービスを中心としたものであろう。前年度対比で売上約6倍?その程度なら捌けるかもしれないが,近い将来,米の販売量が頭打ちになり,回収は夢のまた夢となるだろう。そう,そこが最大の難問なのだ。社長自身の言葉で,スマート米販売量の長期爆増計画を具体的に説明できないなら,今すぐに事業計画を再考するのがよい。 これはお願いになるのだが,余ったスマート米を配当・・・なんてことだけは,勘弁してくれ。
乾田・湛水を合わせた直播面積…
2024/05/21 12:55
乾田・湛水を合わせた直播面積は、3.5~4.0万ha(全作付面積の2.5%程度)と推定される。そのうち、湛水直播は約6割で、さらにその中で散播(オプティムの直播はこれ)に分類されるのは約6割。つまり、現時点での市場は約1.4万ha(全作付面積の1%程度)にとどまる。非常に小さい。 OPTiMが小さな市場を拡大させられるだろうか?農家の自然な世代交代を待たず、確立された慣行栽培を切り崩して市場を拡大するためには、収量に及ぼす株間、播種深度、種籾コーティングの有無と種類、土壌タイプ、品種、気候などの説明変数に関する知見を蓄積し、土地・品種ごとに最適解を見出したうえで、アカデミア等のオープンな場で具体的な科学的な証拠を示し、それが認められなければ、永遠に胡散臭さを払拭できない。アカデミアにおける直播研究の歴史を見れば、時間のかかる話であることは明らかである。 さらに、この直播技術は、種子の選別から稲刈り至る行程の一部のみを代替するものであり、具体的には、田植え機の購入・維持管理費用や育苗・田植えの手間の一部の削減に寄与する。ただし、スポット的な代替技術なのか、それとも他の技術との連携により、米の付加価値向上に寄与するものなのか、よく分からない。前者なら、田植え機の上位互換でしかなく、影響は限定的である。 技術的には面白い。だが、収益化までの具体的な事業計画、特に散播市場の拡大という最重要課題への対応が示されていないため、何年後にどの程度の収益が期待できるか予測すらできず、希望的観測を述べているにすぎないと、私は判断している。期待外れに終わるリスクを頭に入れ、OPTiMが好む空虚な言葉や報道に惑わされず、冷静に見つめる必要があるだろう。