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実は、スイッチも、そもそもNVIDIAが商業的に失敗したゲーム機の敗戦処理として任天堂に提案された製品ですから、その早い段階では、将来の展望はそれほど明るいものでもなかったと言うことです。 ただ、時代はNVIDIAに幸運をもたらし多くの製品が大成功し、さらに任天堂がソフトを載せることで、スイッチも大成功して、将来の展望は極めて明るくなりました。 まあ、スイッチはやれるとしても、新型スイッチまで辿り着けるかどうかは、スイッチの開発段階では、任天堂もそんなに自信があったわけではないと言うことです。 と言うことで、実はスイッチも、この枯れた技術の水平利用という開発思想の範囲に入っている製品なのです。 ただ、幸運にも、スイッチは大成功して、過去のゲーム機のように、単発的な成功ではなく、パソコンやスマホ的な、持続的な成長をする軌道に乗りました。 自分が、任天堂の株価10万円に確信を持っているのは、スイッチがこの持続的な成長の軌道に乗ったと確信しているからです。
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現在のスイッチで改善して欲しいところは、演算性能ではなく (それは開発の工夫で乗り切ることがまだ多くあるので) ストレージの読み出し性能です。 ようする、ソフトの場面の切り替えで、データのロードの待ち時間が何秒か必要であり、動作のサクサク感を削いでいます。 実は、新しいOrinアーキテクチャでは、ストレージの接続規格が、現在のeMMCがUFSに更新されます。この接続規格のアップデートだけで読み書き速度は5倍くらい高速化されますから、場面切り替えのロードに10秒くらいかかっていたものは、2秒くらいに短縮され、かなりサクサクとした動きになります。 しかも、CPU性能も高速化されますから、新しいスイッチの動作はかなり軽快になります。 そのため、負荷の高いソフトを軽快に楽しみたいヘビーユーザは、新しいスイッチに買い換えればいいのであり、グラ性能を重視しない軽めの任天堂ソフトを遊びたいなら、古いスイッチや、新型スイッチでも性能の低いモデルでも大丈夫だと言うことです。 要するに、通ソフトの負荷により、最適なハードを洗濯すればいいと言うことです。 実は、これはパソコンでは当たり前のことであり、使うソフトに必要な負荷に合わせて、エントリーモデルから高性能モデルまで取り揃えられていて、利用者が最適なモデルを選択するということになっています。 スマホも同じような選択ができます。 それがスイッチでもできるようになると言うことです。
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現在のスイッチの最終発売日が来年の3月だとすると、その製品の寿命が10年として、現在のスイッチが稼働し続ける最終日は2035年の3月です。 すると、10年後の2035年の3月に発売される新型スイッチのソフトは、そこから見て10年も昔の、しかもそれが完成したのは、さらに18年も昔の、現在のスイッチでも動くことが望ましいと言うことです。 任天堂は、高性能ハード用に開発されたソフトを、スイッチ用にディチューンして移植することが得意なソフト開発会社を最近買収していますが、それはソフトの移植技術を高めることや、その従事者の数を増やすことです。 その狙いは、先に書いたように、未来の高性能ハード用に開発されたソフトを、現在のスイッチでも動くようにディチューンして対応させることです。 それが可能かというと、可能でしょう。 要するに、ゲーム本体の処理については、そもそもの人間の情報処理能力には限界があるので、ハード性能に対応させる幅は広いと言うことです。 そして、グラ性能は、人間の錯覚を利用して、適度に古いゲーム機に最適化させることで、対応できると言うことです。 そのことをこの時期から考えているので、そのための移植に強いソフト開発会社の買収なのです。
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ソフト開発は助走期間を含めると、とても長い時間がかかる仕事です。人工知能も、話題になったのは最近ですが、その助走期間は何十年も前に始まっていて、その経験の蓄積が優れたソフトを作り出していたのです。 ではなぜ最近になり開花したのかというと、それを商業的にかつ現実的に動作させるハード基盤の進歩があり、その支えを得て、数十年の助走期間を終わらせ開花の時期が来たと言うことです。 実は任天堂のソフトも同じようなものであり、やはり数十年の助走期間があり、ようやくスイッチになり、本格的な開花の時期を迎えたと言うことです。 しかも、現在のスイッチの8年間と言うものは、その何十年もの助走期間の仕上げの助走期間であり、本当の飛躍は新型のスイッチから始まります。 これはNVIDIAも同じであり、CUDAによる人工知能は、スイッチと同世代くらいのハードで助走期間の最終段階を走っていて、それが最近になり、その助走を見て開発された超高速のAIエンジンを得て、これからGAFAMなどのサイトで開花すると言うことです。 このプロセスは、NVIDIAも任天堂も同じです。 まあ、こういう見方は、コンピュータに精通していないとわかりませんから、普通はこうは見えないものです。
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GDC 2024 (Game Developers Conference 2024) での任天堂によるゼルダの伝説TotK の開発紹介セッションの動画で、ゲームの操作性を良くするため、素材としての板の厚みを現実よりも増やしているという発言がありました。 また、別の時の発言では、物体同士の接着で、操作性を良くするため、その自由度をかなり制限しているという発言もありました。 要するに、高精細であり現実的であることは、ゲームの楽しさの実現に直結するものではなく、逆に面白さを損なうこともあり、適切な最適化が必要だということです。 そのベストバランスの一つがゼルダTotKだということです。 要するに、ゲーム世界は、オープンワールで三次元空間にまで広がり、全ての動作処理を物理エンジンを用いて行わせることが、スイッチの性能で可能になり、これくらいでもう十分な世界になっています。 さらに、ソフト開発では最適化というものは、ソフトが完成してからも前進しますから、今の任天堂の開発環境は、ゼルダの伝説TotK よりもさらに良くなっているはずです。 また、新型スイッチになっても、演算性能が10倍とか20倍になるわけではありませんから、このあたりの変化はあまり必要ないと考えられます。
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新型スイッチの発売が公式に発表されているのに、国内での週販は4万台を維持し、アメリカでも4万台水準を、欧州でも3万台水準を維持していて、ピークアウトが起きる気配は微塵もありません。 このことからわかることは、スイッチの市場は一般大衆市場に広がっていて、技術に感度の低い一般大衆は、スイッチの性能のことや、新機種のことなどはあまり気にしていない人も多く、その層がゲーム機があまり売れないこの時期でも、1週間に11万台も買い続けているということです。 また、この層は、グラフィクスに対するこだわりもあまりなく、スイッチくらいの性能であれば満足するということも示しています。 実は、その層の人口はとても多く、スイッチの潜在顧客層というのは、10億人から30億人くらいいると推定され、今の任天堂の課題は、その潜在層をどう発掘するかということです。
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アナリストの中で、スイッチのピークアウト論を展開している方々は、暗黙の前提としてスイッチのソフトの互換性は無いという立場です。ソフト資産や顧客の情報資産や顧客基盤などの持続的な蓄積と継承はないということがピークアウト論の中に含まれています。 また、ソフトの互換性についても、色々なケースがあり、そのことでのスイッチシリーズの全体価値は大きく変わります。 互換性があるとしても、その価値が低いものから並べると、エミュレータによるソフトの互換性があります。 次に、ソフトの前方互換性、すなわち旧スイッチのソフトは新型スイッチで動きますが、新型スイッチのソフトは旧型スイッチでは動かないという互換性です。 最後が、ソフトの前後方向の互換性、すなわち旧スイッチのソフトは新型スイッチで動き、なおかつ、新型スイッチのソフトも旧型スイッチで動くという互換性です。 これをスイッチプラットホームの規模と、任天堂の利益の中心は、任天堂の自社ソフト販売であることと重ね合わせると、この3種類のソフトの互換性が持つ商業的な価値はとても大きく異なります。 ですから、ソフトの互換性の有無だけでなく、どういうソフトの互換性であるのかということの分析は投資判断にとって極めて重要です。 さらに、これはハード環境的な要件ですが、そこにソフトのスタイルの問題も加わりますから、問題はさらに複雑になり、詳細な分析が必要になり、それができて初めて任天堂の投資判断に強く役立つ互換性の分析になります。
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新型スイッチが発表されると、当然のことですがソフトの互換性があることも発表されます。 そこでのポイントは、旧型スイッチ用に買ったソフトは、新型スイッチにもライセンスを移動させて、利用できることが明らかにされることです。 すると、新型スイッチの発表によるソフトの買い控えは起こらず、ソフトの売り上げは、好調を維持できるということです。 まあこのソフトの利用権のプラットフォームや異なるアーキテクチャを跨いでの移動は、パソコンやスマホでは当たり前のことであり、それをスイッチでは不可能にすることは、この時代には利用者の非難の対象になりますから、任天堂はそれを選択できません。 またそれは、少し計算すれば任天堂のメリットも爆発的に大きことがわかりますから、任天堂の経営陣がよほど間抜けでない限り、ソフトの互換性を捨てるという愚かな選択はしません。
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NVIDIAは色々な製品を開発していますし、それらの開発には何年もの時間と人的なリソースが必要ですから、任天堂に製品を提供するにしても、それをゼロから開発するのではなく、汎用品とした開発した製品の中から、任天堂の用途に適したものを選択し、それを任天堂用にカスタマイズして製品化します。 NVIDIAには組み込み用途のワンボードコンピュータがあり、Jetsonというシリーズ名で製品化されています。その中でスイッチに適した製品は、スイッチ用としてはJetson (TX1) Nanoという製品であり、新型スイッチ用としては、この後継のJetson Orin Nanoという製品になります。 また、このJetson Nanoは最近になって製造が打ち切りになっていて、NVIDIAではJetson Orin Nanoへ更新していますから、Jetson Nanoをスイッチに使用している任天堂は、当然のこととして、スイッチの素材をJetson NanoからJetson Orin Nanoへ更新しなければなりません。 まあ、ここまでは一本道であり、迷う要素は皆無です。選択肢はこれしかありません。 問題は、ここからであり、このJetson Orin Nanoには何種類かの性能の異なる製品があり、そのどれを使うかということと、さらにそれを任天堂用にどうカスタマイズするかということです。 しかし、それらは、任天堂が、実際のソフトを動作させたり、必要な情報を取るための基本のベンチマークテストをかけながら、最適な使用を導き出し、さらに試作ボードを作り、テストを繰り返しながら、最適な構成に絞り込みます。まあ、それは繊細な作業であり、こまかく知ってもあまり意味はありません。
「任天堂はSwitchを超える…
2024/05/30 00:29
「任天堂はSwitchを超えるゲーム機を作れるのか」と言う記事がヤフーニュースに掲載されていました。著者は作家であり、ゲームジャーナリストでもあるようです。 まあ、ゲームのニュースを書いて原稿料をもらえるくらいのプロですから、アマよりは深く調べているはずですから、ゲームジャーナリスト界隈の標準的な理解のレベルではあると言うことでしょう。 その終わりの方で書いていることを引用すると「現状「Switch後継機」の情報は全くといっていいほどなく、その性能やコンセプトについて考えても、あまり建設的とは思えない」と意見を書いています。 まあ、このことからわかることは、コンピュータの情報の集め方が全くの素人であると言うことがわかります。 「Switch後継機」の情報は、NVIDIAのホームページを見れば、詳しく掲載されていて、開発環境やソフトの互換性についてもよくわかりますし、スイッチの元となるハードの部品の製造中止もアナウンスされていますし、その後継機の情報も詳しく出ていて、それを使えとまで書かれています。 また、実機で新型スイッチのハードをテストしたければ、8万円も出せば、試作ボードとプロセッサやメモリなどがセットされたモデルを国内の半導体商社などでも買えますし、開発環境も入手でき、専用のLinuxも用意されています。 これでわからないのは、細部の選択肢であり、コア数をどうするのかとか、動作クロックをどうするのかとか、筐体のサイズはどうかとか、冷却はどうするのかと言うようなことになります。 まあ、プロならそのくらいは調べて書いて欲しいと思いますが、他のライターも大体同じようなことなので、世界のライターのレベルでは、こんなことも無理なのかなと言う感じです。 要するに、情報が無いのではなく、情報は公式に公開されいるのに、それの調べ方を知らないと言うことです。