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西欧文明は、その生産性の高さから世界の覇権的な文明となっていて、世界の隅々まで広がっています。しかし、その文明は人類にとって十分に成熟したものとはなっておらず、社会や個人には苦痛やストレスももたらします。 歴史の終焉と言った人もいましたが、その認識は間違いであったことは明らかです。世界が平和で安定した社会になるにはまだまだ長い時間がかかります。 その西洋文明に疲れた個人や家庭は、娯楽に少しの安らぎを求めます。 そこで西洋文明が惹かれたのが、異質の文明世界である日本文明です。日本文明は、荒海に守られていたので、異なる文化や宗教が互いに苛烈に争うことはありませんでした。その中で、平和な娯楽文化が開花し、2000年以上の時間をかけて洗練されました。 多民族国家での争いでは、意識的なルールが優位的であり、感情的な判断は立場がありません。感情を持ち出すと、社会が乱れるので、それの表面化を抑えているのです。まあ、多民族社会では、これは当然のことですが、それは苛烈なルール社会でもあります。 そのルール社会にとって、原始的な社会がそのまま2000年の時間をかけて洗練された日本の娯楽文化は、とても好ましいものに見えています。 西洋の娯楽ソフトは、要するにバタくさいのですが、任天堂の娯楽ソフトは、そのバタくささを水に流していて、とても爽やかな感情に支配された娯楽世界なのです。 実は、西欧的な世界でも、この任天堂の娯楽世界を経験すると、そこに西洋化される以前の人間の感情を、そのまま高度に洗練されたものを感じて、それに虜になるのです。 しかし、これまでは、この任天堂の娯楽世界を、最適に世界に伝える媒体が力不足であり、十分に伝えることができていませんでした。 要するに、コンピュータが力不足であり、ネットワークも力不足であり、販売システムも課金システムも力不足であったのです。 ところが、スイッチ以降は、この環境全盤の媒体としての力不足が無くなりつつあり、いよいよ、任天堂の真のソフト価値が、世界にダイレクトに伝えられるようになってきています。
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ソフト開発は助走期間を含めると、とても長い時間がかかる仕事です。人工知能も、話題になったのは最近ですが、その助走期間は何十年も前に始まっていて、その経験の蓄積が優れたソフトを作り出していたのです。 ではなぜ最近になり開花したのかというと、それを商業的にかつ現実的に動作させるハード基盤の進歩があり、その支えを得て、数十年の助走期間を終わらせ開花の時期が来たと言うことです。 実は任天堂のソフトも同じようなものであり、やはり数十年の助走期間があり、ようやくスイッチになり、本格的な開花の時期を迎えたと言うことです。 しかも、現在のスイッチの8年間と言うものは、その何十年もの助走期間の仕上げの助走期間であり、本当の飛躍は新型のスイッチから始まります。 これはNVIDIAも同じであり、CUDAによる人工知能は、スイッチと同世代くらいのハードで助走期間の最終段階を走っていて、それが最近になり、その助走を見て開発された超高速のAIエンジンを得て、これからGAFAMなどのサイトで開花すると言うことです。 このプロセスは、NVIDIAも任天堂も同じです。 まあ、こういう見方は、コンピュータに精通していないとわかりませんから、普通はこうは見えないものです。
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GDC 2024 (Game Developers Conference 2024) での任天堂によるゼルダの伝説TotK の開発紹介セッションの動画で、ゲームの操作性を良くするため、素材としての板の厚みを現実よりも増やしているという発言がありました。 また、別の時の発言では、物体同士の接着で、操作性を良くするため、その自由度をかなり制限しているという発言もありました。 要するに、高精細であり現実的であることは、ゲームの楽しさの実現に直結するものではなく、逆に面白さを損なうこともあり、適切な最適化が必要だということです。 そのベストバランスの一つがゼルダTotKだということです。 要するに、ゲーム世界は、オープンワールで三次元空間にまで広がり、全ての動作処理を物理エンジンを用いて行わせることが、スイッチの性能で可能になり、これくらいでもう十分な世界になっています。 さらに、ソフト開発では最適化というものは、ソフトが完成してからも前進しますから、今の任天堂の開発環境は、ゼルダの伝説TotK よりもさらに良くなっているはずです。 また、新型スイッチになっても、演算性能が10倍とか20倍になるわけではありませんから、このあたりの変化はあまり必要ないと考えられます。
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UNIXとかLinuxでの本質的なソフト開発と利用では、本質的なソフトの開発者の仕事とは、画期的な処理をするソフトツールコマンドの開発であり、その天才的な誰かが作ったソフトツールコマンドをパイソンなどの開発環境で繋げて、別の天才的な開発者が新しい処理をさせるスクリプトを開発し、それをまた別の天才が応用するというよな、知的生産の多次元構造の巨大なシステムが世界を前進させています。これは遺伝子解析でも、仮想システムでも、人工知能でも、基本的な開発の仕組みは同じです。そしてそれを基礎で支えているのがUNIX/Linux環境ということであり、その開発文化の伝統があります。 GDC 2024 (Game Developers Conference 2024) での任天堂によるゼルダの伝説TotK の開発紹介セッションの動画で紹介されていた開発スタイルは、まさにこのUNIX/Linux環境での開発スタイルであり、遺伝子解析や、仮想システムや、人工知能などの現場での開発スタイルが任天堂でも行われています。 ではなぜ、これまでの任天堂ではその発展が少なかったのかというと、実はゲーム機の動作環境が低弱であり、このような負荷の高いソフト処理にシステムの能力が耐えられず、それを諦めていたということです。 それが、スイッチからはUNIX/Linux環境を利用できるようになり、さらにコンピュータの性能が高くなったので、これらのソフト開発の良い環境を利用することを諦める必要がなくなったということです。 この環境が良くなったことは、これからの任天堂のソフト開発を大きく後押しします。
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自分は過去にNVIDIAで儲けさせてもらいましたが、ある段階で手を引いています。その理由は、不確実性が高くなったからです。 自動運転も、画像処理も、人工知能も、NVIDIAは過去からやっていましたが、それがブレークスルーを起こして大ヒットする可能性は、それほど高くはありませんでした。 他の競争相手もいますし、ソフトが失敗する可能性や、ソフトが成功しても市場が受け入れない可能性もあります。 NVIDIAの成功は、多くの幸運が作用して、多くの要素で良い方にサイコロが転がったということです。 分散投資なら、NVIDIAに投資することはあったと思いますが、それも面倒になったので手を引いたということです。 それ対して任天堂は、自分の理解では、かなり確実性の高い成長が見込めます。 要するに、一番難しく不確実性の高いのがソフトでの成功ですが、それが確定しているので、成功の可能性が極めて高いということです。 ハードの問題が騒がれていますが、コンピュータ屋の自分からすれば、そこにはほとんど問題はありません。 もし、問題があるとするなら、任天堂の開発と経営が間違った判断をすることですが、それもここ7年くらいのスイッチについての判断を見ていると、理想的な選択をしていますから、任天堂が間違った判断をする可能性はとても低いのです。 まあ、このあたりの評価は、そもそもコンピュータに詳しくないと、何がなんだかわからないような難しいことの連続ですから、わからないのは当然です。
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まあ、このように既存の技術の組み合わせだけでもとても難しいことであり、そこに任天堂のソフトを組み合わせて、すばしい娯楽を実現して、それを多数の大衆に楽しい体験だと思ってもらうことは、実は緻密な思考で作られる複雑な脳の快楽の仕組みということになります。 スイッチ以降の任天堂が取り組むのは、こういうことであり、できることは沢山あるなかで、それを与えられた制約の中で、どれをどのように選択して、常に満足してもらえるかの開発になります。 これに、グーグルなどのGAFAMの俊英たちも挑戦しているのでが、そのほぼ全ては大成功には至りません。それほど難しいしい仕事です。 そして、任天堂は、どうもこの挑戦に持続的に成功を実現できる唯一の会社である可能性がかなり高くなってきています。
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先ほど、最適なシステム仕様と簡単に書きましたが、実はこれが一番複雑で難しいものになります。要するに、UNIX/Linux技術であり、アーキテクチャ技術であり、コンパイラ技術であり、マルチコア技術と並列処理技術であり、超解像度技術などです。 さらに、これらはそこにクラウド技術が加わります。 すなわち、システム管理にはアマゾンサーバが使われ、ゲームサーバにはグーグルサーバが使われ、それらがスイッチ環境と一体となったゲームシステム環境になりますから、理解の難易度はさらに高くなります。 そして、それらを使う任天堂のゲームソフト開発技術も、それらに影響を受けて高度化しますから、その分析も必要です。 要するに、グラがよければ良いゲームだというような、簡単な話ではなく、人間の脳は何に反応して面白さを感じるのかという、経験的な脳科学の領域の理解も必要です。 このソフト的な環境全体が、システム環境ということになり、その理解も必要です。
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例えば、スイッチ版のゼルダBotWは、今もある程度の数が売れています。するとその市場の上限はどこにあるのかということですが、理想的な市場サイズとしては10億人を想定でき、現実的にはその2割くらいまでは広がると考えられます。要するにこれから20年くらいの年月をかけて2億本くらいは売れる可能性があるということです。 もちろん、これはゼルダだけではなく、ポケモンもマリオもどう森も他のソフトも同じようなことになります。 それですごいことは、これらのソフトは開発投資は終わっていますから、そのソフトその売り上げ代金は全て利益になるということです。 すごいのはここからであり、その利益を有効に使うということですが、どこに使うかというと、もちろん新しいソフト開発に再投資します。 まあ、莫大な開発投資になりますから、良いソフトができる可能性は限りなく高く、それも爆発的に売れるので、その利益も循環的に再投資されますから、要するに好循環が持続的に続くということです。 しかも、その投資で開発されたソフトは、長期の販売生命がありますから、要するに、100年くらいの寿命の金のなる木を次々と植えていることになります。 まあ、その任天堂の娯楽ソフト開発力に勝てる企業は、もうこれからは現れることはないでしょう。
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要するに、古いソフトをその時代で動かすやり方はいくつかあり、アーキテクチャが根本的に異なり、コンピュータ技術も違う、スイッチ以前の環境で開発されたソフトを、現代で動かすためには、ソフトを最新の環境でリメイクするかリマスターする必要があります。 しかし最新のコンピュータ環境で開発されたソフトは、コンテナ技術を使うことで、いつまでも動かすことができます。 その最新のコンピュータ環境で開発されたソフトの中には、過去のソフトのリメイク版やリマスター版も含まれるので、それらのソフトもこれからはコンテナ技術を使うことで、いつまでも動かすことができるようになります。 すると、スイッチ環境でのソフトは、原理的には無限に蓄積が進むということになります。 要するに、スイッチの発売日に発売されたスイッチ版のゼルダBotWは、まあこれはWiiUのゼルダBotWのリマスターということでもありますが、WiiUのゼルダBotWは寿命がありますが、スイッチ版のゼルダBotWは100年後でも遊ぶことができる状態で、任天堂のオンラインショップに並べられているということです。 もちろん、それはゼルダBotWに限った話ではなく、サードも含めて全てのスイッチ版のソフトは同じような寿命を持つということになります。 その意味と価値は、よく考えればすごいことになります。
現在のスイッチの最終発売日が来…
2024/05/29 00:05
現在のスイッチの最終発売日が来年の3月だとすると、その製品の寿命が10年として、現在のスイッチが稼働し続ける最終日は2035年の3月です。 すると、10年後の2035年の3月に発売される新型スイッチのソフトは、そこから見て10年も昔の、しかもそれが完成したのは、さらに18年も昔の、現在のスイッチでも動くことが望ましいと言うことです。 任天堂は、高性能ハード用に開発されたソフトを、スイッチ用にディチューンして移植することが得意なソフト開発会社を最近買収していますが、それはソフトの移植技術を高めることや、その従事者の数を増やすことです。 その狙いは、先に書いたように、未来の高性能ハード用に開発されたソフトを、現在のスイッチでも動くようにディチューンして対応させることです。 それが可能かというと、可能でしょう。 要するに、ゲーム本体の処理については、そもそもの人間の情報処理能力には限界があるので、ハード性能に対応させる幅は広いと言うことです。 そして、グラ性能は、人間の錯覚を利用して、適度に古いゲーム機に最適化させることで、対応できると言うことです。 そのことをこの時期から考えているので、そのための移植に強いソフト開発会社の買収なのです。