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米消費者物価上振れで1ドル=158円に身構える投機筋 いよいよ15日に、4月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。今週のマーケット関連、最大のイベントだ。 最新の雇用統計が、労働市場過熱化リスクを和らげる結果であったので、いったん後退した利下げ観測が、再び浮上中、というタイミングだ。 ニューヨーク(NY)のヘッジファンドなど投機筋と突っ込んだ会話をしていると、エネルギーと食品を除くコア指数の消費者物価上昇率が下がらず、前月並み、あるいは上振れとの見方が目立つ。それゆえドル円のポジションもおおむね1ドル=158円程度を視野に入れている。 その理由は、キーワードで言えば、「ラグ」。 そもそも、消費者物価指数の上昇分の3分の1前後は、住宅コストだ。しかし、家賃は、下方硬直性が強い。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も前回の記者会見で語っていたことだが、家賃更新の場合、家主の立場では、いきなり大幅には上げにくい。しかも、新築住宅購入より賃貸を選択する傾向が相変わらず続いている。結果的に、消費者物価統計に家賃増が反映されるのには時間を要するわけだ。 さらに、サービス産業の代表格である医療セクターは、そもそも高いコスト水準からの緩やかな下落基調ゆえ、消費者物価上昇率に反映されるには「ラグ」がある。自動車保険も、自動車価格の高騰から「ラグ」を経て統計に表れるのだが、実態は、いまだに高水準にある。 かくして、明日発表の米消費者物価指数はおおむね前月並みとはいえ高水準といえる年率3.8%を見込む投機筋が目立つのだ。各種の事前予測では3.6%が多いが、遅行指標ゆえ、素直に受け入れがたいようだ。 外為市場ではすでに1ドル=156円台半ば近くまで円安が再進行しているので、158円は「保守的」とさえ見られている。 日本の通貨当局も、15日は、再び、24時間臨戦態勢となろう。
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【国内】 ・閣議 ・4月の企業物価指数(日銀、8:50) ・3月の特定サービス産業動態統計(経産省、13:30) ・5月のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センター、15:00) ・4月の工作機械受注額(速報値、日本工作機械工業会、15:00) ・3月期決算=テルモ、ENEOS、SMC、ソニーG、三井E&S、名村造、りそなHD、三井住友トラ、ニトリHD ・23年7月〜24年3月期決算=トライアル ・1〜3月期決算=INPEX、アサヒ、ネクソン、楽天グループ 【海外】 ・1〜3月期決算=騰訊控股(テンセント)、アリババ集団 ・4月の英失業率(15:00) ・5月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査 ・4月の米卸売物価指数(PPI、21:30) ・クック米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(22:10) ・パウエルFRB議長が金融イベントの討議に参加(23:00) ・2〜4月期決算=ホーム・デポ
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中国は、日本超えの高齢化、人口減が始まる。 日本はまだ、海外から人来てくれてるけど。 老人向けサービス産業はこれからだろうね。
米利下げ宣言の時期、ジャクソン…
2024/05/16 11:18
米利下げ宣言の時期、ジャクソンホール会議が浮上 「1〜3月のインフレ指標上振れにより、物価目標2%達成に自信が持てない」と5月14日にはアムステルダムで語っていたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長も、4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率の鈍化が確認され、とりあえず安堵しているであろう。とはいえ、パウエル議長は常々「最も恐れるのは、国民の間にインフレマインドが定着することだ。ひとたび定着すると、この心理状態を変えることが難しくなる」とも述べてきた。実際に米国民の生活を見ると物価が下がったとの実感は薄い。米国の個人投資家は、4月のCPIの結果を確認して米経済軟着陸への自信を深めているが、実生活でインフレの呪縛から解放されたとの安堵感に浸る心理的余裕はない。消費者物価上昇率3%以上の状況が3年も続いているのだ。 パウエル議長にしても、サービス産業由来のインフレが最も頑固であるとの認識は容易に変えられない。そこで物価下落の「ラグ」を考慮したうえで、利下げへの転換を宣言出来る具体的時期として浮上してきたのが、8月恒例のジャクソンホール中央銀行フォーラムだ。FRBの利上げ加速の時期には、パウエル議長がこの会議で、超タカ派ともいえる講演を行い、市場が驚愕(きょうがく)したものだ。それが今年は高らかに緩和へのピボット(転換)を明言する場になる可能性がある。 もちろん今後も毎月、雇用統計とCPIに振り回される状況は変わるまい。ただし、これら重要な経済統計が仮に上振れしたとしても「統計上のノイズ」として片づける余裕は醸成された。今後の米インフレについて、市場の目線は「財政赤字や地政学的リスク由来の物価上昇」を重視することになろう。ドクター・カッパーの異名を持つ銅の価格急騰も、昨日はさかんに議論されていた。