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FRB議長「利下げ時期、推定できず」 記者会見要旨

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1日、6会合連続で政策金利を据え置いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「ここ数カ月のインフレ率は我々の物価目標である2%に向けたさらなる進捗を見せなかった。利下げの時期は推定できない」と述べた。主な発言と質疑応答は以下の通り。

本日、FOMCは政策金利を維持し、保有資産の圧縮(量的引き締め、QT)ペースを鈍化させて続けると決めた。我々の引き締め的な金融政策は経済活動とインフレに下押し圧力を加えてきた。雇用とインフレの目標達成に対するリスクも過去1年間でより良いバランスへと移行した。一方で、経済の先行きは不透明で、我々はインフレリスクを引き続き注視している。

我々はインフレ率が持続可能なペースで目標の2%へ移行していると十分に確証を持てるまで、政策金利の引き下げは適当ではないとしてきた。今年のデータを見る限り、現時点では十分な確証を得ることができない。インフレ率の指標が特に予想を上回った。

十分な確証を得るためには、以前予想していたよりも時間がかかる可能性が高い。我々は現在の政策金利を維持する準備ができている。労働市場が予想外の弱含みを見せた場合の対応も準備ができている。

我々は政策金利を時期尚早に、または必要以上に引き下げれば、インフレに関するこれまでの進捗が失われる可能性があると理解している。同時に政策金利の緩和が遅れた場合、または緩和が足りない場合は経済活動と雇用を弱める可能性がある。

  • >>6541

    米経済活動の拡大は続いた

    直近の指標は米経済活動が堅調なペースで拡大を続けたことを示す。24年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は1.6%と23年10〜12月期の3.4%から鈍化したものの、需要をよりはっきりと映す在庫・政府支出・輸出を除く民間最終消費支出(個人消費)の成長率は24年1〜3月期が3.1%と、23年後半並みの強さだった。

    過去数四半期の個人消費は強かった。高金利が住宅や設備投資に重くのしかかるなか、供給は回復し、弾力的な需要、そして過去1年で力強さを見せつけた米経済を支えた。

    労働市場はなお逼迫している。一方で、労働需給はより良いバランスを取り戻した。24年1〜3月期の就業者数は月平均で27万6000人増えた。失業率も3.8%となお低い。

    過去1年間は強い雇用創出と労働供給の増加が同時に続いた。25〜54歳の労働参加率上昇と強いペースで続く移民の流入が下支えし、求人件数と求職者のギャップも狭まった。名目賃金の伸びも和らいだ。しかし、労働需要はいまだに労働供給を上回る。

    過去1年でインフレ率の伸びは著しく和らいだ。半面、我々の長期的な物価目標である2%をなお上回る。個人消費支出(PCE)物価指数は3月、前年同月比2.7%上昇した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEのコア指数は2.8%上昇した。

    今年に入り確認したインフレ率のデータは予想以上に高かった。ここ数カ月で短期的なインフレ期待が上昇したことを示した指標もある。長期的なインフレ期待は(比較的低い水準に)つなぎ留められている。

  • >>6541

    利下げの時期は推定できない

    ――3月までの物価指標を踏まえると、今年中に利下げはないという可能性は高まったのか。

    「利下げの時期を推定することはできない。唯一言えることは2%の物価目標到達への自信を持てるまで利下げをするのは適切でないということだ」

    ――今年中に3回の利下げの時間は依然としてあるのか。

    「1月から3月までの経済指標を把握した結果、労働市場は堅調で、インフレも2%の目標を達成するには時間がかかるとみた。インフレ鎮静に自信を持ち、目標を達成するのにはまだ時間がかかると我々は判断した。どれほどの時間がかかるのかはまだわからない。自信が持てたときには利下げが視野に入るだろう」

    ――年末までに金利が現在の水準から低下するといえるのか。

    「データ次第ではあるが、私の個人的見解では、利下げがないというよりも、ある方向に向かっているとみている」

    ――労働市場に弱さがあれば利下げの理由になりうるといっていたが、もし失業率が4%を超え、インフレ率が目標である2%まで下がらない場合、どうするか。

    「予想外でかつ労働市場が本当に著しく弱まったと思わせるような状況でのみ、対応が必要となる。失業率が大きく上昇すれば、利下げを検討するのが適切だろう。無論、 利下げに踏み切るかどうかは、一要素だけで決まるものではない」

  • >>6541

    量的引き締めのペース鈍化は「金融緩和ではない」

    ――量的引き締めのペースを緩めるのは金融緩和の一種だが、その一方で金利は引き締め状態を続けるのは矛盾していないか。

    「そうは思わない。金融政策のアクティブなツールは金利である。量的引き締めのペースを緩めるのは金融緩和ではなく、バランスシートの縮小ペースを鈍化することで金融市場を混乱させずにスムーズに量的引き締めを実施する狙いがある」

  • >>6541

    利上げの可能性低い

    ―― どのような状況の変化があれば、利上げを再開するか。

    「次の政策金利の見直しが利上げになる可能性は低い。 我々の政策の焦点は、いつまで制限的な政策を続けるかということだ。 (利上げをするには)インフレ率を2%まで下げるのに、政策スタンスが十分に制限的でないという説得力のある証拠が必要だ。我々はいま、そういう証拠を目にしている訳ではない。我々はデータを総合的に判断している。インフレ率や期待インフレ、その他すべてのデータがそこに含まれる」

    ――現時点で利上げを考えていないのは、インフレの再燃よりも、景気減速を懸念しているからか。

    「そうではない。我々の政策スタンスは現在の状況に適しており、引き締まっている。労働市場やインフレに敏感な支出を見ると、ここ数年で需要が明らかに落ち込んでいることが分かる。これは金融政策によるもので、供給側で起きていることは供給側の問題だ」

    ――現在の水準からインフレ率を目標の2%に下げるには、利上げが必要なのは明らかだ。利上げに関する議論はあったか。現在の水準で満足しているのか。

    「満足はしていない。時間をかけて2%まで戻すつもりであり、そのために我々は適切なスタンスを取っていると思う。もし引き締めが十分でないと判断すれば利上げに踏み切ることになるだろう。しかし現時点でそのような根拠は見当たらない。現在の引き締め水準を維持するかどうかが、今回の議論の焦点だった」

    ――どのくらいの期間インフレが持続すれば利上げに踏み切る可能性があるのか、時間的な目安はあるか。

    「そういったルールはない。金融引き締めが役割を果たすにはもっと時間が必要なのだ。どの程度時間がかかるのか、どの程度忍耐強くあるべきなのかはデータの全体像や見通しがどのように進展するかにかかっている」

  • >>6541

    インフレデータは最も重要な判断材料

    ―― インフレの動向は利下げを見送る決断を下すのに重要なデータなのか。

    「我々は自分自身にテストを課している。政策を緩和し始めるにはインフレ率が持続可能なペースで2%まで低下していることを確信する必要がある。我々が注目するのはインフレのパフォーマンスだ。期待インフレなど全てのデータを見ているが、 明らかに今後発表されるインフレのデータがその決断の中心になる」

    ――1〜3月期のGDPを踏まえて、スタグフレーションのリスクを懸念する声も出ているが。

    「私は景気がスタグフレーションに陥ったときを経験しているが、そのときは失業率が10%、インフレ率は1桁後半という高さだった。今はそのような状況ではなく、経済成長率は3.4%前後、インフレ率は3%を下回っている。スタグフレーションにはならないと我々は予想している」

  • >>6541

    住宅関連の価格は下落方向へ

    ――インフレのどの項目で予想以上の上昇があるとみているのか。

    「我々の視点を変えるほどのインフレデータが出ているわけではない。予想以上に上昇圧力がある項目としては、モノの価格と住宅以外のサービス価格がある。ただ、我々の見通しとしては今年中にこうした物価は下落方向に向かうとみている。住宅も家賃が高止まりしているが、落ち着くとみる。市場金利の低下が住宅関連の物価に効果をもたらすのには時間がかかることは確かだ」

    ――住居費における待望のディスインフレが到来していない。民間企業のデータと政府のデータの間にある大幅な時間差をどう説明するか。また、住居費が今後数か月のインフレ(の鈍化)に貢献するという自信はあるか。

    「新しい人がアパートを借りようとすると市場家賃と呼ばれる価格がつく。家賃のインフレ率は直近では低いが以前は信じられないほど高かった。直近で市場家賃はほとんど上がっていない。一方、一度借り始めると、同一の人が住み続ける限り家賃の上げ幅が小さくなる。その結果、未実現の値上げ分が蓄積され、年々市場家賃との幅が広がる。人の入れ替えの時に大きく家賃が上昇するのはさけられない」

    「複雑な過程のため、元々の想定より時間がかかるうえ、タイミングもわからないが、住居費も必ず落ち着くと予想している」

  • >>6541

    政治的なイベントは考慮しない

    ――金融政策を変更するハードルは、選挙に近いほど高くなるか。例えば9月に利下げを開始するのと12月に開始するのとでは、経済的に大きな違いはあるのか。

    「我々は常に、経済にとって正しいと思うことを、コンセンサスが得られたタイミングで実施するつもりだ。それ以外のことは考えていない。もし我々がそれ以外のまったく別の要素を取り込んで考慮するとしたら、経済を正しく理解することが難しくなる。我々はデータがどのように見通しとリスクバランスに影響を与えるかに基づいて決断を下す。政治的なイベントを考慮に入れる機関とそうでない機関との間には大きな違いがある。我々はそうではない」