…さて、株式併合に対して株主が株式買取請求権を行使した場合の、当該株主が当該権利行使により会社に株式を買い取らせたことによって生じた所得に関する課税関係はどうなるか、が次なる問題である。
…これに類似したケースで「株式交換に反対する個人株主の株式が買取請求に基づき買い取られた場合の課税関係について」と題する国税庁の文書回答事例が、今も国税庁ホームページに掲載されている。その大阪国税局回答は
「標題のことについては、御照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。ただし、次のことを申し添えます。
1 御照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
2 この回答内容は大阪国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。」
…となっている。本回答は、次の照会を肯定したものである(下記引用中の通達番号は当時の通達のもの)。
「法人の自己の株式の取得による配当所得及び株式等に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、それぞれ、「その法人の取得の日」とされており(所基通36-4(3)ホ、措通37の10-1(6)ホ)、本件の場合、原則として、本件株式交換の効力発生日である平成23年C+1月1日となります。収入すべき時期は、甲社株式の上場廃止(平成23年C月29日)後となりますが、以下の理由から、本件買取りについて、上場株式等に係る配当所得等に対する税率の特例措置及び上場株式等に係る譲渡所得等に対する税率の特例措置の適用があるものと考えます。」
…今回の株式併合の場合を上記回答に当てはめると、株式買取請求した株主に生じた当該株式譲渡損益に対する課税関係は、「上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例」(租税特別措置法37条の11)が適用されることになり(=なら、他の上場株式との損益通算ができる)、株式買取請求せずに端数株式処分代金交付を受ける株主に対して適用がある「一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例」(同法37条の10。この場合、他の上場株式等との損益通算不可)は不適用となる、と考えられる。
…なお、株式買取請求した場合の「みなし配当課税」は、既に所得税法25条1項5号及び同号を受けた政令である所得税法施行令69条1項9号により、不適用になっている点も本回答当時と異なる。
…本回答事例はまだ、一般株式等の譲渡による所得(租税特別措置法37条の10)と上場株式等の譲渡による所得(同法37条の11)が区分されるはるか以前、同法37条の10が一般税率を、37条11が軽減税率を定めていた時代のものではあるが)。
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