『TOB成立は間違いなし』かどうかちょっとオサライしましょうか。
発行済株式数は約1,800万株。
公開資料によれば、買付者グループは
* アイフル 6,408,000株
* AGキャピタル 378,000株(動向不確定)
合計 6,786,000株(保有比率39.02%)
を保有している。
一方で、創業者保有株1,888,000株は「遺産分割協議中であり名義変更手続未完了」とされており、現時点ではTOB応募は困難と考えられる。
そのため、
* 発行済株式数 約18,000,000株
* 買付者グループ保有 6,786,000株
* 相続株 1,888,000株
を差し引くと、
実質的な自由浮動株は約9,326,000株
と推定される。
今回のTOB成立下限は5,186,700株。
つまり買付者は、
実質的な自由浮動株約933万株のうち約519万株を集めなければならない。
割合にすると、
約55.6%
となる。
当社は創業者保有分を除けば少数株主ばかりで、自由浮動株の過半数を大きく超える株数を集める必要があり、決して低いハードルとは言えない。
一方で、TOB公表後の5月13日から6月12日までの東証出来高を集計すると、
累計出来高は3,742,500株
となる。
さらにPTSでは東証を上回る出来高の日も散見されることから、PTSを含めた累計売買株数は500万株規模に達していても不思議ではない。
また、発表直後には
* 256円買い 約500万株
* 257円売り 約300万株
と注文が並んでいたが、
現在は
* 256円買い 約290万株(一時150万株)
* 257円売り 約70万株
程度まで減少している。
興味深いのは、TOB価格257円に対して市場価格が常に256円~257円で固定されていることだ。
個人投資家から見れば、
「257円でTOB応募」よりも「256円で市場売却」の方が手続き不要で現金化も早い。
差額はわずか1円であり、売買手数料無料の証券会社も多いことから、257円で十分と考える株主は市場で売却している可能性が高い。
その結果、
* 257円で十分な株主は市場売却
* 257円では安いと考える株主は保有継続
という二極化が進んでいるようにも見える。
そして最大の論点は、
この期間中に東証だけで374万株超、PTSを含めれば500万株規模と推定される株式を、一体誰が買っているのか。
という点である。
実質的な自由浮動株約933万株に対し、
東証出来高374万株は約40%に相当する。
また、PTS込みで500万株規模と仮定すると、
自由浮動株の約54%
に達する計算となる。
もちろん出来高は延べ株数であり、同一株式が複数回売買されている可能性はある。
しかし、TOB公表後ほぼ1か月にわたり256円に大量の買い注文が置かれ続け、市場価格が256円~257円に固定されている状況を見る限り、単純な1円裁定取引だけでは説明しにくい部分もある。
したがって、
「TOB成立を見越して静かに株数を集めている勢力」
なのか、
あるいは
「価格引き上げやスクイーズアウト局面を見据えている別の勢力」
なのかが、この案件最大の謎と言える。
まとめ
現時点でTOB成立を断定することも、不成立を断定することもできない。
ただし、買付者は実質自由浮動株の約55.6%を集める必要があり、創業者保有株約189万株が応募困難とみられる状況を踏まえると、「成立は間違いない」と言い切れるほど簡単な案件でもないように見える。
一方で、公表後の東証出来高は累計374万株に達し、PTSを含めれば500万株規模に達している可能性もある。
この大量の売買を誰が吸収しているのかによって、最終結果は大きく左右されるだろう。
少なくとも現時点では、「成立濃厚」と断定するよりも、「成立の可否を左右する株式の移動が現在進行中である」と見る方が実態に近いのではないでしょうか。
ご注意
個人的な集計ですので誤りがあればご容赦ください。
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