人間観の再編が難しいところでマイクロバイオーム研究が「自律的人間主体」を揺るがすのは事実です。
しかし知的には理解できても、体感・制度・法・倫理が追いついていないという問題があります。
例えば腸内細菌が気分や意思決定に影響するとわかっても、私たちはまだ「意思」を個人に帰属させる法体系で動いています。「私の腸内細菌が犯罪を犯した」は成立しない。
つまり、存在論の更新と制度の更新の時間的ズレが、現代の奇妙な宙吊り状態を生んでいます。思想は先に行くが、生活・政治・経済は旧い人間像で動き続ける。
近代的不可視化・衛生・清潔は、グローバルに均質ではありません。先進国が「見えない化」に成功した裏には、廃棄物・汚染・劣悪衛生の輸出がありました。電子廃棄物がアフリカへ、プラスチックGOMIがアジアへ、という構造です。
つまり「蓋をする」とは、自国内で蓋をするだけでなく、地政学的に周縁へ押し出すことでもあった。
となると「不可視化の破綻」は、南の側からは破綻ですらなく最初から可視的な問題として存在していたという非対称性があります。
文明とは「循環の管理」であり、その管理の様式が、その社会の権力・身体・主体観を規定するという命題です。そして現代はその管理様式が惑星規模で限界に達している時代。
その「限界」は石器時代や野田爺さんのような精神破綻した者を見た時に可視化された汚物として表面化することになるのです。
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