フェスタリアホールディングス(株)の株主優待

　当社はベトナムに自社工場をもつSPA企業ですが、これからの時代、店舗ブランドや商品ブランドだけで人を集めるのではなく、企業理念に人が集まり共感・共創がビジネスになると考えています。そこで当社はSPA企業からコミュニティ企業への変革を目指し、デジタルトランスフォーメーション（DX）による新しい事業モデル「コミュニティブランド」に挑戦しています。
　私が構想するコミュニティブランドとは、当社の企業理念に共感するお客さま・取引先が様々なタッチポイントで繋がり、経験を共創する場がブランドとして認知され、ビジネスとして成立することです。これをDXにより自社のこれまでの強味を活かして実現したいと考えています。
　DXの具体的な取組みとして、販売スタッフは強味である店頭接客を進化させインフルエンサーとしてオムニチャネルで活躍できる働き方に挑戦し始めました。また、ブライダルジュエリーでは、専門スキルがなくてもお客さまにぴったりのリングを共に創りあげることのできるオーダーメイドシステムに注力し、自社の強味であるベトナム自社工場を活かした短納期化にも取り組んでいます。

　当社の企業理念は「ジュエリーに愛と夢を込めてbijou de famille 夢を叶える生き方を広め、豊で幸せな人生を未来に伝えていくこと」。bijou de familleの直訳は”家族の宝石”ですが、この言葉で伝えたいのは、ジュエリーの精神価値です。美しさや資産性もジュエリーの価値ですが、「永遠性」こそがジュエリーならではの価値ではないでしょうか。この世で唯一永遠なモノだからこそ、そこに想いを込めて世代を超えて伝えることができるのです。
　目標を持ち主体的に自分の人生を生きることで、人は経済的にも精神的にも豊かになれるはず。私たちはお客さまの豊かで幸せな生き方や、お客さまの想いをジュエリーに込めて、世代を超えて伝えてもらうことを使命としています。

　独自開発の大小ふたつの星が映し出される“Wish upon a star” ダイヤモンドは、当社のUSP（Unique Selling Proposition）商品です。ダイヤモンド総産出量全体の約6%とも言われる極めて希少な厳選された原石「ソーヤブル」のみを使用し、熟練マイスターの手作業で究極の輝きが生み出される、想いを託すにふさわしい特別なダイヤモンド。世の中には様々なダイヤモンドカットが存在しますが、“Wish upon a star” は世界的な権威とされる宝石研究機関GIAのレポートにも表記される、正式に認められたオリジナルカットです。星が願いを叶えるように、夢を叶える象徴として生まれた“Wish upon a star”ダイヤモンドは、後世に伝えていただきたい一品です。

　2024年に行われた三井不動産商業マネジメント主催「第15回 接客ロールプレイングコンテスト」、予選を勝ち抜いた代表40名で接客技術を競う全国大会で当社の社員が優勝しました。また日本ジュエリー協会主催の「ジュエリーコーディネーター接客コンテスト」では初出場から4大会連続、毎年異なるスタッフで優勝を勝ち取っています。接客を数値化し、当社独自の顧客管理を教えることで社員の接客レベルの維持向上を図っており、その成果をこの実績が証明しています。

　ダイヤモンドも金も、地球上の資源は有限です。環境に配慮し、サステナビリティを意識したとき、箪笥に眠る資源の活用が思い浮かびました。ベトナムに自社工場を持つ強みを活かし、ジュエリーを地金に戻して新たな商品の素材にするリユース、世代を超えて受け継いだジュエリーを様々な手法で生まれ変わらせるリフォーム。従来の買取・下取に留まらない付加価値サービスを提供するビジネスを立ち上げました。

　時機にもよりますが、店舗によっては月間売上の6割以上をインバウンドが占めます。台湾に自社店舗を持つメリットを活かし、お客さまに国境を超えたサービスをご提供できるよう、国内店舗・台湾・ECで横断プロジェクトを組み、マーケティングやWEB施策への取り組みをスタートしました。

　ピンクダイヤモンドの90％以上を産出してきたオーストラリアのアーガイル鉱山は2020年に閉山しましたが、希少で美しいアーガイルピンクダイヤモンドの世界的な人気は今も健在で、価格上昇が続き、オークションでは何億という高値が付きます。当社は世界に14社しかないアーガイルパートナーズと直接取引ができる企業です。高品質なジュエリーをお求めのお客さまに、ピンクダイヤモンドや“Wish upon a star” ダイヤモンドなどを資産価値としてだけでなく、想いを込めて子孫代々に受け継ぐ精神価値をもつ商品としてお届けすることで、ご期待に応えています。

　コミュニティ企業としての新しいビジネスモデルを模索している中で、イメージに近いのは様々なサービスが提供されるプラットフォームとしてのRetail as a Service（RaaS）モデルです。現在取り組んでいるスタッフDXや3Dデジタルカスタマイズもその一環であり、「攻めのDX」と位置付けています。一方「守りのDX」としては、業務フローの改善と生産性の向上を目指す基幹システムの刷新や、在庫最適化を目指す商品分類体系の再構築、RFIDタグの導入などに取り組んでいます。