ホルムズ危機の見えない長期コストとして、湾岸油田の生産停止による貯留層損傷のリスクがある。いつか生産を再開しても、従来通りの生産量に戻らない可能性。石油の地下での挙動は繊細で、蛇口のように止めて開けてというわけにはいかない。
主なメカニズムは3つ。第一に水侵。生産停止中に帯水層の圧力で水が油層に侵入し、再開時の含水率が上昇する。サウジの主力油田(ガワール等)は巨大炭酸塩岩貯留層で帯水層の活性が高く、この影響を受けやすい。
第二に溶存ガスの遊離。坑井周辺の圧力がバブルポイント以下に落ちるとガスが分離し、油の流動性が低下する。
第三に湾岸の主力油田が広く依存する水攻法(海水圧入による圧力維持)の停止。圧入を止めれば貯留層圧力が低下し、上記の問題が加速する。これだけ多くの油田で同時に水攻法が停止する事態は、油層管理上まったく前例がない。
最も深刻なのは最終回収率(URR)への影響。炭酸塩岩貯留層は孔隙構造が不均質で、一度水侵パターンが崩れると取り残し油が増加し、回復しない可能性がある。
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