金、秋以降の上昇余地探る 米中・中東リスクを警戒
金価格の上昇が一服した。貿易摩擦を巡る閣僚級協議が10月に始まるなど、米中両国の緊張が一旦和らぐとの見方が広がる。株式などリスク資産に投資マネーが集まり、金の下げにつながった。ただ交渉の行方は見えにくく、世界景気の減速懸念は残る。米国とイランの対立による地政学リスクもくすぶる。秋以降、値上がりに転じる可能性がある。
国際指標のニューヨーク市場の金先物は18日、時間外取引で一時1トロイオンス1490ドルと前の日に比べ約1.5%下げた。
米連邦準備理事会(FRB)は同日、7月に続く利下げを決めた。金利のつかない金にとり利下げは買い材料だ。引き下げに反対する参加者が出たことで、2020年以降の利下げまで織り込んだ金の買いが止まった。
9月上旬までの値上がりは既に止まっていた。背景にあるのが米中対立の緩和への期待だ。5日には両国が10月に閣僚級協議を開くことが決まった。トランプ米大統領も、10月に予定していた中国への制裁関税の拡大の延期を表明した。
世界景気が冷え込むことへの警戒感がやや後退し、株などリスク資産の買いにつながった。一方で、相対的に価値が目減りしにくいとされる金は値を下げた。
それでも金価格が1500ドルを大きく割り込むとの見方は少ない。みずほ証券の中島三養子氏は「米中両国の緊張緩和ムードがあってもなお、金を手放せない市場心理がある」と説明する。貿易協議のたびに両国の対立が和らぐ期待が高まるものの、摩擦解消にはつながっていない。
貿易戦争による世界景気の減速の影は企業業績にもちらつく。景気変動の影響を受けやすい米物流大手フェデックスの6~8月期決算は、前年同期に比べ純利益が11%減った。今後発表が進む他企業の7~9月期決算にも、貿易戦争による景気停滞の影響が表れるとの観測が漂う。
景気の減速リスクが拭えないなか、米をはじめ世界で金融緩和の動きが広がる。利回りがマイナスになる債券も相次ぐ。金利がゼロでも値上がりが期待できる金は、緩和マネーの置き場になりつつある。
米シティグループはこのほど、今後2年の間に金価格が1トロイオンス2000ドルを突破すると予想するリポートを出した。低金利環境が続くことなどを理由にしている。ニューヨーク金先物の史上最高値(1923ドル)を上回る見方が話題を集めた。