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株式とは? 仕組みや基礎知識を初心者向けにわかりやすく解説!

株式投資に興味があるものの、そもそも株式とはどのような金融商品なのか疑問をお持ちの方もいるでしょう。本記事では、投資初心者の方に向けて、株式投資の仕組みや基礎知識をわかりやすく解説します。(監修者:金融オンライン・アドバイザー 松井大輔)

株式とは?

株式とは、株式会社が出資者に発行する証明書のことです。株式の保有者は「株主」と呼ばれ、会社に出資したオーナーの1人として経営に参加したり、利益が出たときに配当を得たりする権利を持ちます。

証明書といっても、基本的に株式は書面の形をしていません。2004年に株券電子化に関する法律が公布されたため、現在の株式は証券保管振替機構(ほふり)や金融機関の口座で電子的に管理されています(※)。そのため、株式を売買するには証券会社などの金融機関の口座が必要です。

※株券電子化の対象は上場株式であり、未上場の株式は対象外です。


株式投資の仕組みと基礎知識

株式投資を始める際に知っておきたい、以下の株式投資の仕組みと基礎知識を解説します。

1. 株式は会社の資金調達の手段の1つ
2. 株価が値上がり・値下がりする理由
3. 株式投資で利益を得る方法
4. 株式を売買する方法


1. 株式は会社の資金調達の手段の1つ

株式投資のしくみ

そもそも、なぜ会社は株式を発行するのでしょうか。その理由は、事業に必要な資金を調達するためです。会社の資金調達の手段は、株式のほかに金融機関からの融資や社債の発行などさまざまですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。会社にとって、株式で資金調達するメリットは融資や社債のように返済義務がないこと、逆にデメリットは保有率の高い株主に経営権を握られるリスクがあることです。

逆にいえば、もし会社が倒産しても、株主は出資したお金を返してもらうことができません。また会社の業績悪化などで株価が下落し、損をするリスクも負います。こうしたデメリットの代わりに、経営参加や利益還元の権利を得られるのが株式投資のメリットです。


2. 株価が値上がり・値下がりする理由

株式は保有するだけでなく、欲しい人に売却もできます。株式の価格(株価)は、そのときどきで変わる時価です。株式を売りたい人よりも買いたい人のほうが多ければ株価は値上がりし、逆に株式を買いたい人よりも売りたい人のほうが多ければ株価は値下がりします。

株価の決まるしくみ

このように、株価は需要と供給のバランスによって変動するため、投資先を選ぶ際は「今後、株式を買いたい人が増えそうか?」という視点での分析が必要です。株式投資をするなら、企業の事業内容や業績から成長性を予測したり、指標を見て割安・割高を判断したりできるよう、少しずつでも勉強して投資知識を身につけましょう。

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
株価は需要と供給のバランスによって変動し、長期間かけてその企業本来の価値に落ち着くと言われており、事業内容や業績などを分析することは非常に大切です。しかし、短期的にはさまざまな要因で、本来の企業価値とは異なる株価となることも多くあります。業績によるものだけでなく、コロナや震災など予期せぬ事態で突然株価が下落するリスクも。長期的な目線で投資することで、安定した投資成績につながりやすくなるでしょう。



3. 株式投資で利益を得る方法

株式投資で利益を得る方法は2つあります。1つは株式を保有して配当や株主優待を受け取る方法(インカムゲイン)、もう1つは株式を売買して差益を得る方法(キャピタルゲイン)です。

インカムゲインとキャピタルゲインとは?

株式を保有していることで得られる配当や株主優待の利益を「インカムゲイン」といいます。インカムゲインのメリットは、株式を保有しているだけで安定的な利益を期待できる点です。ただし、すべての会社が配当や株主優待を出しているわけではなく、配当の金額や株主優待の内容も会社によって異なります。また、業績によって配当が増減したり、株主優待が廃止されたりすることもあります。そのためインカムゲインを狙う場合は、配当利回りやこれまでの配当実績、株主優待の内容、会社の業績などを参考に銘柄を選びましょう

株式を売却したときに得られる売買差益を「キャピタルゲイン」といいます。銘柄選びがうまくいけば、株価が買ったときの2倍や3倍、10倍になることもあるため、より大きな利益を得たい方はキャピタルゲインを狙うのがおすすめです。ただし、会社の業績や相場の状況によっては値下がりする場合もあるので、適切なリスク管理や資金管理が求められます

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
インカムゲイン狙いの方にとって配当金を多く出しているいわゆる高配当株は、依然人気のある銘柄です。しかし当然、この先もずっと高配当を続ける保証はなく、業績の悪化などで配当が減った場合には株価が急落してしまう可能性もあります。そのようなリスクが起こり得ることも頭に入れておくことが大切です。



4. 株式を売買する方法

株式投資のしくみ

一般的に、私たちが株式投資で取引するのは「上場株式」と呼ばれるものです。上場株式とは、証券取引所の株式市場に公開され、自由に売買できる株式のことをいいます。国内の証券取引所は東京証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所の4カ所があり、証券取引所によって流通している株式が異なります。

上場株式に対し、証券取引所の株式市場に公開されていない株式は「非上場株式」や「未公開株式」と呼ばれ、会社から直接買うなど取引手段が限定的です。そのため非上場株式は、一般の投資家ではなかなか手に入れることができません。

上場株式を売買するには、まず証券会社の口座を開設しましょう。証券会社の口座を持っていれば、証券会社を窓口として、証券取引所の株式市場で上場株式の売買取引ができるようになります。

複数の証券会社を比較したい場合には、Yahoo!ファイナンス「証券会社カタログ」をチェックしてみてください。手数料や取扱銘柄など気になるポイントごとに、証券会社を比較できます。

金融オンライン・アドバイザー 松井さん:
株式を売買するためには、まずは証券会社で口座を開設する必要があります。どこの証券会社で口座を開くかは、取引手数料や取扱商品、サイトや投資ツールなどの使い勝手の良さを比較して決めると良いでしょう。また、証券会社にはネット完結型と店舗型(対面型)があります。それぞれメリット・デメリットがありますが、担当者に直接相談したい方は店舗型、手数料の安さを重視したい方はネット証券を選ぶのがおすすめです。



まとめ

株式投資は、証券会社で口座を開設すれば簡単に始められます。口座開設は無料でできるため、株式投資に興味のある方は証券会社で口座を開設し、銘柄検索や株価のチャートを眺めることから始めてみるとよいでしょう。

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本記事に掲載されている情報は2023年8月21日時点のものです。

  • プロフィール

    監修者:松井 大輔のプロフィール画像

    監修者:松井 大輔

    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、日本証券業協会認定 証券外務員一種

    エンジニアを経て保険業界へ転身。保険営業に携わりながらセミナーや社内勉強会、金融コラムの執筆と活動の場を広げ、2023年に株式会社400Fに入社。エンジニア時代に培った論理的思考を用いてお金の話をわかりやすく伝えることをモットーに、住宅・教育・老後資金など総合的なライフプランニングをご提案している。

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