• NISA
  • 記事一覧
  • 旧NISA
  • 一般NISAからつみたてNISAへの切り替えとは? 変更したら保有銘柄をどうするかも解説​

シェア

一般NISAからつみたてNISAへの切り替えとは? 変更したら保有銘柄をどうするかも解説​

※本記事は2023年までのNISA制度の記事です。記事中では新NISAについての記事も合わせてご紹介しています。

同一の金融機関であれば年に1度切り替えができる一般NISAとつみたてNISA。それぞれ特徴が違うので、変更したいと思う方も多いはずです。しかし、いざ変更を試みると具体的なやり方や切り替え後の保有銘柄はどうなるのかなど疑問も出てくるでしょう。

そこで本記事では、一般NISAとつみたてNISAの変更手順を紹介します。切り替えにかかる期間や保有銘柄への対応方法も解説するので、NISA口座の切り替えの参考にしてください。(監修者:ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太)

本記事は2023年までのNISA制度についての記事です。2024年から開始した新NISAについての記事は以下からご覧ください。

2024年からスタートした新NISAとは?

2023年までのNISA制度について知りたい方は引き続きこちらの記事をご覧ください。


一般NISAからつみたてNISAに切り替えられる?

<画像1>

一般NISAからつみたてNISAへの切り替えは、1月1日~12月31日の1年間で一度だけ可能です。同一の金融機関で切り替える場合は、Webサイトや店舗窓口で「区分・勘定変更手続き」を行います。

別の金融機関でつみたてNISAに切り替える場合は、「廃止通知書」を提出して現在利用中の金融機関で開いているNISA口座の廃止が必要です。口座を廃止しても、保有している金融商品は最大5年間そのまま非課税口座で保有できます。

その年に一度でもNISA口座で買付を行っている場合や、10月以降に開設手続きを行った場合は、翌年にならないと切り替えができない点は注意が必要です。年内に口座切り替えを完了したい方は、9月30日までに切り替え手続きを済ませましょう。

ファイナンシャル・プランナー 伊藤さん:
2024年からの新NISAでは、一般NISAとつみたてNISAの区分がなくなる予定なので、切り替えを気にするのは現行の制度の運用期間が終了するまででよくなりますよ。

な お、切り替えは運用中の資産を変更することになるので、非課税で長期投資するメリットはやや薄れてしまいます。切り替える必要があるかは、手続き前に立ち止まって整理しておきましょう。


なお、切り替えは運用中の資産を変更することになるので、非課税で長期投資するメリットはやや薄れてしまいます。切り替える必要があるかは、手続き前に立ち止まって整理しておきましょう。


一般NISAからつみたてNISAへ切り替える手順

一般NISAからつみたてNISAへ切り替える方法は、金融機関を変更するかしないかで手順が異なります。それぞれの切り替え方法を見てみましょう。


同じ金融機関で切り替える場合

同じ金融機関で切り替える場合は、下記を参考にしてください。

1.NISA口座を開設している金融機関に必要な書類を求める
<画像2>

まず、利用している金融機関に「非課税口座異動届出書」を請求しましょう。請求方法は金融機関ごとに異なりますが、Webから請求できるのが一般的。以下に、主な金融機関の「非課税口座異動届出書」の請求方法を記載しているので、参考にしてください。

SBI証券は、サイトにログインしたあと「お取引・口座開設」をクリックし、「NISA→つみたてNISA」のボタンを押下すると必要書類が郵送されます。

楽天証券は、Webサイトにログインし、「NISA・つみたてNISA」「口座開設・区分変更」の順にクリックして「NISA口座区分を変更する」を押下すれば、リアルタイムで手続きが完了します。

マネックス証券の場合は、Webサイトにログインし、「入力フォームからの質問」に非課税口座異動届出書(期中勘定変更用)の郵送を希望」と入力して問い合わせが必要です。後ほど書類が郵送されるので、必要項目を記載して郵送しましょう。

金融機関によって、Web上で完結できる場合もあれば問い合わせが必要なケースもあるので、事前に確認が必要です。

2.送られてきた書類に必要な内容を記入して郵送する
<画像3>

金融機関の手続きがWeb上で完結しない場合は、「非課税口座異動届出書」と返信用封筒が郵送されるので、必要事項を記入して返送します。マイナンバーの提示が求められるので、事前に用意しておきましょう。

まだマイナンバーの登録が済んでいない方は、番号確認書類と本人確認書類の提出が必要です。通知カードとあわせて、運転免許証などを準備してください。

3.金融機関での区分変更が終わるまで待つ
<画像4>

書類を郵送したあとは、金融機関で区分変更が終わるのを待ちます。区分変更にかかる時間は金融機関によって違いがありますが、書類到着後1〜2営業日程度が目安です。

手続きまでの期間が長くなる可能性もあるので、手続きは早めに行いましょう。9月後半などギリギリのタイミングで手続きを開始すると、9月中の手続きが間に合わず切り替えが来年に持ち越される可能性もあります


別の金融機関に切り替える場合

別の金融機関に切り替える場合は、現在利用している金融機関で廃止手続きが必要です。以下の手順を参考にしてください。

1.現在の金融機関に書類を提出して必要書類を受け取る
<画像5>

別の金融機関に切り替える場合は、現在利用している金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出して、「非課税口座廃止通知書」または「勘定廃止通知書」を受け取りましょう

「金融商品取引業者等変更届出書」は、現在利用している金融機関に対して、金融機関を変更する旨の問い合わせをすれば送付されます。具体的な受け取り方法は利用している金融機関によって違いがありますが、一般的にはWeb上から請求して受け取ることが可能です。

一部の金融機関で「金融商品取引業者等変更届出書」を受け取る方法を以下で紹介するので、参考にしてください。

楽天証券なら、Webサイトにログイン後、「NISA つみたてNISA」「口座開設・区分変更」「NISA・つみたてNISA口座申込/受付状況」の順に進みましょう。「NISA口座各種手続き」から「他の金融機関へNISA口座を移す」を選択すれば、請求できます。

マネックス証券の場合は、Webサイトにログイン後、「入力フォームからの質問」に「NISA口座金融機関変更を希望」と入力して問い合わせます。SBI証券の場合は、Webサイトにログイン後、「口座管理」から「お客様情報設定・変更」、「お取引関連・口座情報」、「NISA・つみたてNISA」と進み、「他社への変更手続き」を選択すれば可能です。

証券会社によっては、マネックス証券のように問い合わせが必要なケースもあるので注意が必要です。

上記の手順をふむと、証券会社から「金融商品取引業者等変更届出書」が届くので、必要事項を記入して返送しましょう。返送後、書類に問題がなければ利用中の金融機関から「非課税口座廃止通知書」または「勘定廃止通知書」が送付されます
※本記事に掲載されている情報は2023年5月22日時点のものです。

2.必要書類を新しく口座を開設する金融機関に郵送する
<画像6>

必要書類を受け取ったあとは、新しく口座を開設する金融機関に、口座開設の申込書と合わせて「非課税口座廃止通知書」または「勘定廃止通知書」を送付します。

新規口座開設の申込書は、金融機関によっても違いがありますが、多くの場合はWeb上で請求が可能です。開設したい金融機関のWebサイトから新規口座開設の手続きを行うことで請求でき、後日郵送で受け取れます。

また、NISA口座の開設には個人番号も必要です。マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類の提出が求められるので、事前に用意しておくとスムーズに手続きを進められます。

NISA口座を別の金融機関で開設しようと考えている方は、以下のページをチェックしてみてください。つみたてNISAを利用できる証券会社や、お得に口座開設ができる特典・キャンペーンを実施しているところも紹介しているので、証券会社選びの参考にできます。

自分にぴったりなNISA口座開設先を探す

3.金融機関での区分変更が終わるまで待つ
<画像7>

新しい金融機関へ必要書類を提出したら、登録が終わるまで待ちましょう。登録完了までの期間は金融機関によって差がありますが、おおむね1 ~2週間です。

時間がかかるケースもあるので、年内から取引をはじめたい場合は、早めに口座変更の手続きを進めておきましょう


一般NISAからつみたてNISAに変更したあとの保有銘柄はどうなる?

一般NISAからつみたてNISAに変更する際は、保有銘柄の扱いを理解しておくことも大切です。自分の保有している株式などが課税対象になるケースもあるので、以下で確認しておきましょう。


持っている株式や投資信託は非課税のまま運用可能

<画像8>

一般NISAで保有していた株や投資信託は、口座が切り替わったあとも最大5年間非課税のまま運用が可能です。売却して得た利益も、運用開始から5年の間であれば非課税で受け取れます。ただし、5年間の非課税期間を過ぎたあとは、利益に対して20.315%の税金がかかるので注意しましょう。


ロールオーバーするには一般NISAへの切り替えが必要

<画像9>

NISA口座でロールオーバーする際には、一般NISAに切り替えが必要です。ロールオーバーはつみたてNISAではできないので、一般NISAへ切り替える必要があります。

ロールオーバーとは、5年間の非課税期間が満了したあとに、保有している金融商品を翌年のNISA口座にそのまま移管できる仕組みです。本来5年間に定められている非課税期間を10年間に伸ばすことができるので、より長くお得に資産運用ができます。

なお、一般NISAからつみたてNISAへの切り替えを考えている方も、つみたてNISAではロールオーバーできないことは把握しておきましょう。


別の金融機関に切り替えるとロールオーバーできない

<画像10>

別の金融機関に変更してしまうと、ロールオーバーの制度を利用は できません。そもそもNISA口座で保有している銘柄は別の金融機関のNISA口座へ移管できないため、ロールオーバーを利用したい場合は同じ金融機関を利用し続ける必要があります。


一般NISAからつみたてNISAへの変更がおすすめな方の特徴

<画像11>

一般NISAからつみたてNISAへの変更は、銘柄の選び方や売買のタイミングがわからない投資初心者や、専業主婦など給与所得の少ない方におすすめです。

つみたてNISAで運用する投資信託は、プロが運用を行ってくれるため高度な知識のない初心者でも運用しやすいといえます。年間の非課税投資枠は40万円と少ないものの、非課税期間は20年間と長期的に投資できるので、資金が少なくてもコツコツ継続することが可能です。

金融機関によっては100円から積み立てることもできるので、専業主婦やパート・アルバイトなど所得が少ない方でも気軽に始められます。

つみたてNISAを行うにあたって金融機関選びに悩んでいる方は、以下のページをチェックしてみてください。つみたてNISAの取扱銘柄が多い証券会社を多数紹介しています。

自分にぴったりなNISA口座開設先を探す


一般NISAからつみたてNISAへ切り替えないほうがいい方の特徴

<画像12>

一般NISAから切り替えないほうが良いのは、「まとまった資金力があり大きくお金を増やしたい方」「つみたてNISAで投資できない株式や金融商品に投資したい方」「自分の好きなタイミングで投資したい方」です。

一般NISAはつみたてNISAよりも非課税枠が120万円と多いため、より多くの資金を非課税で運用できます。まとまった資金や投資知識がある方は、つみたてNISAよりも大きな利益を得られるでしょう。

また、つみたてNISAは国の基準を満たした投資信託に対してのみ投資が可能ですが、一般NISAは国内外の株式など幅広い金融商品に投資が可能です。売買のタイミングも自分で自由に決められるので、投資の知識があれば自分の力でどんどん利益を生み出していけます

投資の勉強を日ごろから行っており、より早く大きな利益を手にしたい方は、つみたてNISAに切り替えずに一般NISAでも運用を続けたほうが良いでしょう。


つみたてNISAを始める際には証券口座選びが大切!

NISA口座は1人1つまでしか作れず、証券会社によって手数料や商品ラインアップが異なるので、慎重に選ぶことが重要です。

おすすめの証券会社について知りたい方は、以下のページをチェックしてみてください。各証券会社の口座開設数ランキングやクチコミを紹介しているほか、手数料や取扱商品数も記載しています。

自分にぴったりなNISA口座開設先を探す

【NISA口座開設におすすめ】証券会社NISA取引手数料ランキング

2024年から始まる新NISAについて知りたい方は、以下の記事をチェックしてみましょう。

新NISAへの切り替えは必要?
新NISAで証券会社を変更するには
新NISAでシミュレーション
新NISAの成長投資枠 銘柄選びのポイント

※本記事に掲載されている情報は2023年5月22日時点のものです。NISA制度に関する最新の情報は、金融庁ホームページ(外部サイト)をご確認ください。

情報提供元:mybest
画像出典元:Getty Images

  • プロフィール

    伊藤 亮太のプロフィール画像

    伊藤 亮太

    ファイナンシャル・プランナー/伊藤亮太FP事務所代表

    伊藤亮太FP事務所代表、スキラージャパン株式会社代表取締役。ファイナンシャル・プランナーとして、年間平均約100~200件の相談(資産運用、相続、保険の見直し、住宅ローンなどのローン相談等)を行うほか、証券外務員やFP資格取得講師、金融経済情勢、富裕層顧客開拓スキル、ドクターマーケット開拓、年金、四季報活用講座などの研修講師を行う。

注意事項

© LY Corporation