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江崎グリコ「アーモンド効果」発売10年 アジアに的 江崎グリコが販売するアーモンド由来の飲料「アーモンド効果」は4月、発売から10年を迎えた。国内メーカーでいち早くアーモンドミルク市場に参入し、現在も国内シェアの約9割を占める。健康志向の消費者が増えてアーモンドミルク市場が世界的に拡大するなか、足元では人口増加率の高いアジア市場の開拓を急いでいる。 アーモンドミルクは牛乳、豆乳に続く「第3のミルク」として注目される。世界の潮流は牛乳からプラントベース(植物由来)の乳代替製品にシフトしている。江崎グリコは2014年4月のアーモンド効果の発売以降、ビタミンEや食物繊維などアーモンドの栄養を摂取できるメリットを打ち出すことで、国内外で牛乳の代わりに飲む顧客を増やしてきた。 足元で力を入れているのが海外展開だ。21年の中国市場への参入を皮切りに、台湾やタイへと展開。コンビニエンスストアや小売店に並ぶ。現地生産のため250ミリリットルの商品の中国での売価は7.9元(約165円)で日本よりも1割強安い。木村幸生執行役員は「将来はアジア全域で販売したい」と意気込む。 アジア圏で販売を強化しているのは、健康志向の消費者が増えているためだ。独調査会社スタティスタによれば、東南アジアではアーモンドミルクを含む乳代替製品の市場規模は24〜28年に平均で年率11%伸長する。木村執行役員は「アジア諸国は豆乳を飲む習慣があり、植物性のミルクへの理解が進んでいるため参入しやすい」と話す。
国内トップクラスのシェアをばね…
2024/04/09 03:19
国内トップクラスのシェアをばねに海外進出を進めるアーモンド効果だが、成長軌道に乗るまでは課題も多かった。 そのなかで19年のパッケージ変更は転機となった。当初はシニア層が主要顧客で、健康食品として打ち出すため「栄養機能食品」など文字量を多くしていた。若い消費者から「会社で机に置くのが恥ずかしい」との指摘を受けて文字を減らしたことで、SNS上の掲載数が増えて売り上げが伸びたという。 男性の顧客も開拓した。発売当初は顧客の7割が女性。男性が購入する動機を探るため、普段アーモンド効果を飲む男性に飲み始めたきっかけを調査したところ「妻が飲んでいるため」という回答が複数あった。 同商品は長らくテレビCMに女性のモデルを起用していたが、調査を機に23年には初めて夫婦をテーマとしたCMを打ち出した。現在国内では男性の顧客が45%になっているという。 ここ数年はアーモンドミルクを飲む習慣のない顧客を呼び込むため、新型コロナウイルス禍で販売が落ち込んだ飲食店向けの販売にも力を入れている。カフェなどへコーヒーに注ぐ牛乳の代わりに提供し、ラーメン店でスープに使ってもらうなど、幅広いメニューへの活用方法を提案することで販路開拓に挑む。 「アーモンド効果」をスープに使ったラーメンをラーメン店と共同開発した 22年12月には東京駅一番街に同社直営のアーモンド専門店「Glico ALMOND DAYS」をオープンした。市販と異なり皮付きのアーモンドを100%使ったオリジナル飲料の濃厚さが好評だという。来店客は10〜30代の女性が多く、植物由来を理由に訪れる外国人も目立つ。店舗で顧客との接点をつくることで、若年層や外国人向けにアーモンドミルクの認知度向上を狙う。