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デリバティブ「超大国」インド株暴落、バブル崩壊の不安(永井洋一) 2024/06/05 09:42 日経速報ニュース 1135文字 インド株が4日に暴落した。モディ首相率いるインド人民党の総選挙での「敗北」はきっかけにすぎない。金融派生商品(デリバティブ)取引の「超大国」インド市場の変調は、カネ余りで過熱した世界的なマネーゲームの逆回転を予感させる。 主要株価指数のSENSEXは4389.73ポイント(5.7%)安の7万2079.05だった。下落幅は過去10年で最大、下落率は4年1か月ぶりの大きさを記録した。成長重視の経済政策が見直されるとの懸念から売りが膨らんだ。 モディ政権の下、インドの株式市場は近年、目覚ましく発展した。QUICK・ファクトセットによれば、時価総額は6月3日時点で5兆ドル(約775兆円)。過去4年で3.2倍に増加した。米国、中国・香港、日本に次いで4番目の規模だ。 成長期待が強く、PER(株価収益率)も高い。予想PERは24.4倍で米国の20.8倍やオーストラリアの16.7倍を上回り、主要国では最高だ。 特筆すべきは、株価指数先物やオプション取引といった金融派生商品(デリバティブ)の取引高だ。株式時価総額が世界全体に占める割合は4.4%にすぎないが、米先物取引業協会(FIA)によれば23年に取引された株価指数オプションの枚数は、世界全体の約8割を占めた。 トレーディング会社に人気とされるのが、株価が安定して推移することを前提に、インド株のボラティリティー(変動率)が上昇すると儲かるオプションを空売りする「セルボラ戦略」だ。こうした取引は相場が急変すると、損失が雪だるま式に膨らむリスクがある。 QUICK・ファクトセットによれば、SENSEXのヒストリカル・ボラティリティー(HV、年率換算)は4日に27.25%と前日比10ポイント以上上昇。約2年2か月ぶりの水準に跳ね上がった。
レーザーテク、「海外のサソリ」…
2024/06/05 14:59
レーザーテク、「海外のサソリ」がチクリ 上場来高値から2割安 2024/06/05 14:42 日経速報ニュース 1287文字 5日の東京株式市場でレーザーテク(6920)は大幅に7日続落している。午前に前日比3330円(8.65%)安の3万5130円まで下落し、5月23日に付けた上場来高値(4万5500円)からわずか2週間で2割以上の下落に見舞われている。東証プライム市場の売買代金上位の常連で個人投資家にも人気が高いレーザーテクは最先端の半導体を作るために不可欠な装置の市場をほぼ独占する。株価の調整色が強まっている局面で、この日は海外の空売り投資家が「レーザーテクは収入・利益を共に誇大に計上した典型的な不正会計」と表明し、株式市場では悪材料視された。 スコーピオン・キャピタルは5日付のリポートでレーザーテクに対し「230億ドル(約3兆5600億円)という驚異的な時価総額も、世界でも最大級の出来高も、そろそろゲームオーバーだ」と指摘した。さらに、「横浜市で(新研究開発拠点として)工事中の『レーザーテック・イノベーション・パーク』は詐欺だ。当地では研究開発も生産も行われていない」、「2023年11月に発表された『ACTIS A300』は、レーザーテクの次世代の極端紫外線マスク検査装置で将来の成長をけん引するとうたわれているが、偽物」と厳しい見解を連ねた。見解の真偽は不明ながら、空売り投資家の指摘を警戒する個人投資家の一部もレーザーテクに売りを出したようだ。 330ページを超えるリポートには、レーザーテクの財務や商品の問題点にも言及した。同社の利益率の高さに比べた営業キャッシュフロー(CF)の少なさや、半導体製造装置企業で売上高に占める棚卸資産の比率が最高水準にあることなどを背景に、主力の極端紫外線(EUV)マスク検査装置を発売した2019年以降の累積純利益の約70%が「早晩、減損処理により抹消される」と主張した。