検索結果 スレッド コメント 最新の投稿順 古い投稿順 1件中 1件 - 1件を表示 医薬品> (株)ペルセウスプロテオミクス 8日に発表されたノーベル物理学… 投資アカウント 2024/10/10 07:18 8日に発表されたノーベル物理学賞に続き、人工知能(AI)に関わる研究が化学賞の授賞の対象になった。AIが科学の発展を加速し、車の自動運転技術の開発や創薬などを通じて人々の生活を大きく変える可能性が評価された。 2024年の物理学賞はAIの基盤技術「機械学習」の開発に貢献した米国とカナダの研究者に授与される。機械学習は生成AIや車の自動運転技術の開発につながった。それに続いて化学賞では創薬や病気の原因解明に役立つAIの研究が受賞する。 化学賞を受賞する米グーグルのAI開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏は囲碁AI「アルファ碁」を開発し、16年には世界トップ級の棋士を破った。 ハサビス氏は「AIを究極のツールとして科学の発見に応用するため、情熱をささげてきた」と語る。アルファ碁などの開発で培ったAIの技術を駆使し、化学賞を受賞する研究テーマとなったたんぱく質の構造を予測するAI「アルファフォールド」を生み出した。 「生物学における50年来の難題の解決策」。20年11月、英ディープマインド(現グーグルディープマインド)はこんなタイトルのブログを公開した。アルファフォールドが、たんぱく質の構造を予測する偉業を成し遂げたという内容だ。 それから化学賞を受賞するまでの期間はわずか4年で、研究成果から数十年かかることが多いノーベル賞では異例の早さだ。科学の常識を変えるAIの威力にノーベル賞選考委員会が注目した。 たんぱく質の種類や役割は多様で、生きるのに必要な活動に欠かせない。例えば、正しく折り畳まれなかった異常な形のたんぱく質はアルツハイマー病など病気と深く関わる。折り畳み過程の解明は病気の研究のほか、抗体医薬品のようなたんぱく質の製造技術などにも応用が期待できる。 たんぱく質の構造や機能を調べる研究に多くの研究者が力を注いだ。それでも打ち破れなかった壁を越えたのがアルファフォールドだ。1次元のアミノ酸の並び方からたんぱく質の立体構造を瞬時に導き出す。20年には国際的な競技会で驚異的な性能を示した。 AIを使う創薬に詳しい東京科学大学の大上雅史准教授は「立体構造を8~9割の精度で予測でき、病気や生命現象のメカニズムやたんぱく質の機能を考えやすくなった」と振り返る。 アルファフォールドは社会に広く恩恵をもたらす可能性がある。代表が創薬だ。多くの薬は病気に関わるたんぱく質に結合して働き、その構造の把握は欠かせない。新興企業のインシリコ・メディシンはがんの治療薬開発などに利用している。 病気の解明にも力を発揮する。グーグルディープマインドは23年9月、アルファフォールドを基に人の遺伝子の変異が病気の原因になる可能性を予測する「アルファミスセンス」を発表した。24年5月にはたんぱく質だけでなくDNAやRNA(リボ核酸)などが組み合わさった複雑な構造を予測する最新のアルファフォールドを発表した。 AIの用途は科学研究向けで広がる。例えば文献を参考にして自ら仮説を立てたり、ロボットを動かして実験を自動化したりできる。ただAIは使い方を誤れば人間に害をもたらす恐れもある。適切に使用して科学の健全な発展につなげていく必要がある。
最新の投稿順 古い投稿順 1件中 1件 - 1件を表示 医薬品> (株)ペルセウスプロテオミクス 8日に発表されたノーベル物理学… 投資アカウント 2024/10/10 07:18 8日に発表されたノーベル物理学賞に続き、人工知能(AI)に関わる研究が化学賞の授賞の対象になった。AIが科学の発展を加速し、車の自動運転技術の開発や創薬などを通じて人々の生活を大きく変える可能性が評価された。 2024年の物理学賞はAIの基盤技術「機械学習」の開発に貢献した米国とカナダの研究者に授与される。機械学習は生成AIや車の自動運転技術の開発につながった。それに続いて化学賞では創薬や病気の原因解明に役立つAIの研究が受賞する。 化学賞を受賞する米グーグルのAI開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏は囲碁AI「アルファ碁」を開発し、16年には世界トップ級の棋士を破った。 ハサビス氏は「AIを究極のツールとして科学の発見に応用するため、情熱をささげてきた」と語る。アルファ碁などの開発で培ったAIの技術を駆使し、化学賞を受賞する研究テーマとなったたんぱく質の構造を予測するAI「アルファフォールド」を生み出した。 「生物学における50年来の難題の解決策」。20年11月、英ディープマインド(現グーグルディープマインド)はこんなタイトルのブログを公開した。アルファフォールドが、たんぱく質の構造を予測する偉業を成し遂げたという内容だ。 それから化学賞を受賞するまでの期間はわずか4年で、研究成果から数十年かかることが多いノーベル賞では異例の早さだ。科学の常識を変えるAIの威力にノーベル賞選考委員会が注目した。 たんぱく質の種類や役割は多様で、生きるのに必要な活動に欠かせない。例えば、正しく折り畳まれなかった異常な形のたんぱく質はアルツハイマー病など病気と深く関わる。折り畳み過程の解明は病気の研究のほか、抗体医薬品のようなたんぱく質の製造技術などにも応用が期待できる。 たんぱく質の構造や機能を調べる研究に多くの研究者が力を注いだ。それでも打ち破れなかった壁を越えたのがアルファフォールドだ。1次元のアミノ酸の並び方からたんぱく質の立体構造を瞬時に導き出す。20年には国際的な競技会で驚異的な性能を示した。 AIを使う創薬に詳しい東京科学大学の大上雅史准教授は「立体構造を8~9割の精度で予測でき、病気や生命現象のメカニズムやたんぱく質の機能を考えやすくなった」と振り返る。 アルファフォールドは社会に広く恩恵をもたらす可能性がある。代表が創薬だ。多くの薬は病気に関わるたんぱく質に結合して働き、その構造の把握は欠かせない。新興企業のインシリコ・メディシンはがんの治療薬開発などに利用している。 病気の解明にも力を発揮する。グーグルディープマインドは23年9月、アルファフォールドを基に人の遺伝子の変異が病気の原因になる可能性を予測する「アルファミスセンス」を発表した。24年5月にはたんぱく質だけでなくDNAやRNA(リボ核酸)などが組み合わさった複雑な構造を予測する最新のアルファフォールドを発表した。 AIの用途は科学研究向けで広がる。例えば文献を参考にして自ら仮説を立てたり、ロボットを動かして実験を自動化したりできる。ただAIは使い方を誤れば人間に害をもたらす恐れもある。適切に使用して科学の健全な発展につなげていく必要がある。
8日に発表されたノーベル物理学…
2024/10/10 07:18
8日に発表されたノーベル物理学賞に続き、人工知能(AI)に関わる研究が化学賞の授賞の対象になった。AIが科学の発展を加速し、車の自動運転技術の開発や創薬などを通じて人々の生活を大きく変える可能性が評価された。 2024年の物理学賞はAIの基盤技術「機械学習」の開発に貢献した米国とカナダの研究者に授与される。機械学習は生成AIや車の自動運転技術の開発につながった。それに続いて化学賞では創薬や病気の原因解明に役立つAIの研究が受賞する。 化学賞を受賞する米グーグルのAI開発部門、グーグルディープマインドのデミス・ハサビス氏は囲碁AI「アルファ碁」を開発し、16年には世界トップ級の棋士を破った。 ハサビス氏は「AIを究極のツールとして科学の発見に応用するため、情熱をささげてきた」と語る。アルファ碁などの開発で培ったAIの技術を駆使し、化学賞を受賞する研究テーマとなったたんぱく質の構造を予測するAI「アルファフォールド」を生み出した。 「生物学における50年来の難題の解決策」。20年11月、英ディープマインド(現グーグルディープマインド)はこんなタイトルのブログを公開した。アルファフォールドが、たんぱく質の構造を予測する偉業を成し遂げたという内容だ。 それから化学賞を受賞するまでの期間はわずか4年で、研究成果から数十年かかることが多いノーベル賞では異例の早さだ。科学の常識を変えるAIの威力にノーベル賞選考委員会が注目した。 たんぱく質の種類や役割は多様で、生きるのに必要な活動に欠かせない。例えば、正しく折り畳まれなかった異常な形のたんぱく質はアルツハイマー病など病気と深く関わる。折り畳み過程の解明は病気の研究のほか、抗体医薬品のようなたんぱく質の製造技術などにも応用が期待できる。 たんぱく質の構造や機能を調べる研究に多くの研究者が力を注いだ。それでも打ち破れなかった壁を越えたのがアルファフォールドだ。1次元のアミノ酸の並び方からたんぱく質の立体構造を瞬時に導き出す。20年には国際的な競技会で驚異的な性能を示した。 AIを使う創薬に詳しい東京科学大学の大上雅史准教授は「立体構造を8~9割の精度で予測でき、病気や生命現象のメカニズムやたんぱく質の機能を考えやすくなった」と振り返る。 アルファフォールドは社会に広く恩恵をもたらす可能性がある。代表が創薬だ。多くの薬は病気に関わるたんぱく質に結合して働き、その構造の把握は欠かせない。新興企業のインシリコ・メディシンはがんの治療薬開発などに利用している。 病気の解明にも力を発揮する。グーグルディープマインドは23年9月、アルファフォールドを基に人の遺伝子の変異が病気の原因になる可能性を予測する「アルファミスセンス」を発表した。24年5月にはたんぱく質だけでなくDNAやRNA(リボ核酸)などが組み合わさった複雑な構造を予測する最新のアルファフォールドを発表した。 AIの用途は科学研究向けで広がる。例えば文献を参考にして自ら仮説を立てたり、ロボットを動かして実験を自動化したりできる。ただAIは使い方を誤れば人間に害をもたらす恐れもある。適切に使用して科学の健全な発展につなげていく必要がある。