ここから本文です
くるみぱん
投稿一覧に戻る

くるみぱんの掲示板

>>7614

続き

技術開発の研究段階では、「より多くのデータ集積」を「より的確なアルゴリズム」にかけることによって、「より効果のあるmRNA医薬品」を設計し、「より多くの実験や臨床試験」で開発に導く。
そして、その研究から得られるデータが、再度「より多くのデータ集積」を可能にするのである。

この自動化サイクルを実現しているのが、AI、ロボティクス、IoT、クラウドなどのデジタル化なのだ。

だからこそ、新型コロナウイルスの遺伝子情報が開示されるや、たったの3日でワクチン候補の設計図を作り上げることができたのだ。

そのビジネスモデルをまとめれば、「生命のソフトウェア」であるmRNAのテクノロジーをベースとし、既存のモダリティをアップデートしていくことで、新しい薬を開発する。
その作業をDXによって構築した自動化サイクルに載せるだけで、良質な薬をスピーディに開発できる好循環を生み出していくということになる。
これがモデルナの成長戦略なのだ。

製薬界のアマゾンはどこまで拡大していくのか
筆者は前編記事『日本人は知らない…モデルナ製「コロナワクチン」をめぐる「驚くべき3日間」の話』の冒頭で、モデルナを「製薬業界のアマゾン」と呼んだ。
アマゾンもDX化によって集められるビッグデータをAIによって分析し、マーケティングを高速回転させることで巨大化した。彼らが当初はじめたのは書籍の販売だったが、今ではあらゆるものを販売するエブリシング小売りカンパニーとなっている。

モデルナも今後、mRNAを起点として、人類が生きるために抗おうとするあらゆる疾患に対して特効薬やワクチンを開発していくだろう。
その果てにあるのは、エブリシング製薬カンパニーに成長するということだ。

このように成長戦略が鮮明なモデルナは、実にユニークな創業の歴史を持っているのだが、そのことはほとんど注目されていない。モデルナの歴史は日本の大企業の参考になる多くの示唆を含んでいる。