この件における最大の問題を一言でまとめると「法人税率は所得税率より低い」となります。
つまり、「法人の所得のうち、不当所得と認定された部分は、返還したうえで、税金(所得税とは限らないが)を払ってください。さらに延滞税と、重加算税もかかります」と税務当局に言われてしまう可能性があるのです。
たいていのMS法人と言うのは節税目的、つまり、所得税などを回避するために存在するわけで、配当や自社株買いをしても、それが後で税務当局によって否認され、「戻せ」「税金払え」「払わなかった期間の金利も払え」「重加算税も払え」などと言われたら、お金は既に株主に支払い済みなのだから、どんな会社でも吹っ飛んでしまいます。
税務当局による恣意的な伝家の宝刀の使用は困ったものですが、更正権は「法的に正当に税務当局に与えられた権利」でして、正直、対策のしようがありません。
どうしても納得しかねるようでしたら、最高裁まで戦えますが、ほとんどの場合、税務当局の判断は覆りません。(裁判所は儲かっている美容外科に同情的だとは思えません)
つまり、リスクが高くて、配当や自社株買いがやりにくい可能性があります。そこまで相川先生がリスクを取るメリットがあるのか。または、相川先生がそのリスクを避けるには、万一、払えと言われても払えるように、先生が税金分のお金を握りしめておかねばならない。実際、先生は上場時にほとんどお金を受け取れなかったのに、わざわざ株主に配当で報いたいだろうか。また、相川先生以外の株主は20%も持っていませんから、法的に相川先生の意思が、会社の方針です。
本来、医療法人からMS法人へ盛大に資金を抜くと、とっくに「待った」がかかるハズなのですが、税務署は意外にも長い間、更正権を振りかざしてきていません。知らんけど、その理由を推測すると、税務署としては、MS法人が米国にあり、米内国歳入庁がしゃしゃりでてくると面倒だから言いにくい面があるような気がします。が、どこかでガツンと伝家の宝刀を振り下ろしてきそうな気がします。
(ま、国際課税は裁量の余地がかなり大きく、困ったことに、こちらはこちらで、当局は後だしジャンケンをしてくることが多いですね。)
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