中国でのDC拡大で、よく懸念されるのはエヌビディアなど高性能チップの輸出規制。でもそんなの大丈夫。逆に追い風にもなる。
1. 「チップ不足」でも「光デバイス」は売れる理由
• 計算能力の「数」でカバー: 1枚の高性能チップが手に入らない場合、中国のエンジニアは「性能が少し落ちるチップ(H20等)を、大量に並列してつなぐ」ことで計算力を確保しようとします。
• 「つなぐ技術」への依存度アップ: 大量のチップを並列稼働させるには、チップ間を結ぶ光通信の「密度」と「精度」がさらに重要になります。つまり、チップが弱体化するほど、それを補うための光ファイバーやコネクタ(精工技研の領域)の需要がむしろ増えるというパラドックスが生じています。
2. 「国産チップ」へのシフトという商機
米国製チップが手に入らないため、中国はファーウェイ(Huawei)などの国産AIチップへの切り替えを急いでいます。
• 供給網のローカル化: 中国政府は「主要部品の国産化」を強力に支援しています。中国拠点(鶴壁など)を持つ精工技研は、中国国内で「地産地消」のサプライヤーとして振る舞えるため、「米国製を排除したい中国メーカー」にとっても重要なパートナーとなります。
• 精工技研の立ち位置: 日本企業でありながら中国国内に高度な生産ラインを持つことは、現在の中国における「脱米国サプライチェーン」の流れに合致しています。
3. リスクの「二段構え」:日本拠点の存在 これ真骨頂。
• 米国市場向け: 米国の厳しい規制下にある顧客や、中国製を避けたい米国ハイパースケーラーには、**「メイド・イン・ジャパン」**で対応。
• 中国市場向け: 中国国内の爆発的なAI投資には、**「メイド・イン・チャイナ」**で対応。
あとは、タイからの良い知らせを待つだけ。