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エンジニア・介護宿泊業界の需要急拡大 Zenkenの売上高130億円を目指した戦略

エンジニア・介護宿泊業界の需要急拡大 Zenkenの売上高130億円を目指した戦略

Zenken<7371>はマーケティング、海外人材などの事業を展開している。同社の林順之亮社長は2014年の社長就任にあたり、株式上場を目標とし、投資家目線に立って、将来的により成長できるよう、事業の再編を行った。その結果、Webマーケティング事業を中心に成長しつつ、21年6月に東証マザーズ(現在は東証グロース)への上場を果たした。近年は海外人材セグメントに注力。同セグメントは25年6月期に黒字化し、今後は本格的な事業拡大が期待される。同社の現状と今後について林社長に聞いた。

情報提供元:ウエルスアドバイザー株式会社

Zenken株式会社 林社長

海外人材事業の黒字化と今後の成長戦略

――海外人材セグメントが前6月期に黒字化を達成し、今後、本格的な成長期に入っていきそうですね。

「海外のエンジニア人材、介護人材の紹介は順調に増えています。エンジニア人材は前期、99名(前期比22名増)が日本企業へ入社しました。採用イベントも48回(同11回増)開催しました。介護人材も支援機関の登録人数や日本語教育プログラムの受講人数が増加しています。日本では少子高齢化が進み、人手不足が深刻な問題になっています。海外人材の受入、定着がなくては、ソーシャルキャピタル(社会基盤)の維持は困難になります。当社もITエンジニアの採用には苦戦していますが、その一方でアジアを中心に現地採用やオフショア開発などを進めました。各国の状況を見る中で、インド南部のIT都市ベンガルールに注目しました」

インド市場への注力と人材開拓の現状

――なぜインドなのですか。

「日本では人口減少が進んでいますが、世界全体では増加しています。インドの人口も増え続けており、現在では世界一の14億人もの人口を抱えています。年間の理系大卒者は260万人ほどいますが、すべてがインド国内で満足できる職に就くことは難しいため、多くが海外で活躍するという高い意欲を持っています。インドでは英語が話せて当たり前で、海外で職に就くにあたり、英語圏がまず候補に上がります。しかし、現在、米国、カナダ、オーストラリアでは移民問題もあって希望通りに就職するのは難しい状況です。その次の選択肢として、治安がよく、インドとの関係も安定している日本が選ばれやすくなっています」

日印経済フォーラム

林社長は8月29日に都内で開催された「日印経済フォーラム」にも出席しています。同フォーラムは経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本経済団体連合会(経団連)、日印経済委員会、駐日インド大使館が主催し、石破茂総理とインドのナレンドラ・モディ首相をはじめ、日本・インド両国の政府関係者、企業等が参加しました。
合同写真撮影。林社長は後列左から2番目(提供: 経済産業省)

特定技能人材の展開と地域連携の広がり

――日本では言葉の問題が大きいですね。

「確かに日本ではITスキルだけでなく、日本語スキルも重視されます。こうした状況に対して、当社は創業から語学事業を手掛けており、語学学習のノウハウを持っています。それを生かして、海外人材への日本語教育をはじめとする活躍・定着サポートを行っています。インドの事情と当社のノウハウが重なり、今後、より一層の成長につながっていくと思います。ベンガルールには現地法人を設立しており、現地の工科大学約51校(6月末)と提携し、日本での就職を希望する卒業予定者などを累計2.6万人以上(6月末時点)集めています」

――そのほかに、ITエンジニア以外の海外人材にも取り組んでいます。

「日本ではIT業界以外にも、介護、宿泊、飲食業界の人手不足が特に深刻です。当社は特定技能人材として、これらの業界向け海外人材の紹介も行っています。現状では介護が中心で、国家資格である介護福祉士の資格取得に向けた日本語や介護知識の習得などのプログラムを提供しています。介護の場合、語学に加えて、資格取得の必要もあり、ハードルは高いですが、インドの若者は日本人以上のモチベーションで取り組んでおり、日本行きが決まったとき、資格を取得したときには涙を流して喜ぶほどです。介護に関しては地方自治体との連携も進めており、現在は、鳥取県、新潟県、茨城県から事業を受託しています。今後は全県に拡大していきたいと思っています」

――介護以外はいかがですか。

「25年2月に海外宿泊人材事業で初の受注を獲得し、東急ホテルズ&リゾーツの運営ホテルにインド人特定技能人材を20名紹介しました。3月にはJTB(東京都品川区)およびインド国家技能開発公社と、インドから日本の宿泊業界に特定技能人材を紹介し、地域活性化を促進することを目的とした協定書を締結しました。今期以降、事業が本格化していく見通しで、介護をはじめとした特定技能人材分野は今期の黒字化を目指しています」

紹介後の定着支援のストック型収入を獲得
COPYRIGHT(c)ZENKENCORPORATION.ALLRIGHTSRESERVED

Webマーケティング事業の独自戦略

――現在の主力であるマーケティングセグメントも順調に伸び、御社の成長をけん引しています。

「マーケティングセグメントのWebマーケティング事業では、一般的な、大きな業界向けではなく、ニッチ分野において高い競争力や独自性を持つ企業に特化し、その集客や採用を支援しています。例えば、『自動車』や『住宅』の比較サイトは数多くありますが、『撹拌脱泡機』や『中大規模木造建築金物』などはほぼありません。しかし、ニッチ業界にも競合関係はあり、比較サイトを利用したいというニーズもあります。さらに、当社サイトはターゲット顧客のニーズを分析し、そのニーズに合った的確なコンテンツを提供しており、ターゲット顧客はその内容に納得することで、後の契約や購入につながりやすいという点が強みです」

ニッチ市場に特化したWEBメディアによる集客力をベースに
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制作体制と専門性に基づく競争優位性

――御社のメディア自体の優位性が高いですね。

「当社はこれまで約8400もの専門性の高いメディアを制作・運営してきており、その実績が利点になっています。当社には自社内にマーケター、SEOプランナー、ライター、UI/UXプランナー、デザイナー、動画ディレクターなど、あらゆる専門家が在籍しているほか、生成AIの活用で、より効果的なメディア構築ができる体制があります。他社では同様のことはなかなかできないでしょう。最近ではBtoCからBtoBへ重点顧客をシフトするとともに、海外進出支援などの付加価値の高いサービスの開拓に取り組んでいます」

トータルコンサルティングで顧客成果の最大化を目指す
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中期経営計画「Road to 250」と収益構造

――今後の成長ビジョンを教えてください。

「今期、30年6月期まで5カ年の中期経営計画『Road to 250』をスタートしました。今後、海外人材セグメントにより注力し、成長スピードの加速を図ります。日本の人手不足がさらに深刻化する中で、当社が日本語教育プログラムを提供するインドの人材は増加しており、同セグメントは大きく成長する機運にあります。同セグメントの収入は人材紹介料(フロー型収入)に加えて、紹介後の定着支援(日本語レベルを引き上げるフォローアップ研修、管理手数料、サポート料)のストック型収入があり、紹介が増えれば増えるほど収入は拡大していくことになります」

株主還元方針とM&Aによる成長加速

「海外人材セグメントの売上高構成比は前期の25%から30年6月期には43%へ引き上げる計画です。最終年度には連結売上高130億円(前期実績55億3600万円)、営業利益30億円(同3億8600万円)を目指すとともに、プライム市場上場を見据え、時価総額250億円(前期末約80億円)を目標としています。また、今期から配当方針を変更し、原則として減配せず、従来配当の維持もしくは増配を実施する『累進配当』を基本方針とします。配当の安定性と利益還元の双方を重視し、DOE(連結株主資本配当率)2.5%と連結配当性向50%のいずれか高いほうを基準として配当を行います。今期の期末一括配当については、26円(前期は13円)の予定です」

海外人材セグメントの成長を加速 COPYRIGHT(c)ZENKENCORPORATION.ALLRIGHTSRESERVED

――積極的なM&Aを実施する計画もありますね。

「中期経営計画の5カ年で100億円のM&A投資枠を設定しています。既存事業であるマーケティング、海外人材において、成長加速やクロスセル、新規ソリューション開発が期待できる案件を重点的に探しています。東証が上場から5年で時価総額が100億円に達しない企業に関して、他市場に市場変更するか、上場廃止になるという新基準が2030年以降に適用されることになっており、それがM&A推進の要因になるかもしれないとの考えもあります」

Zenken株式会社 ロゴ
商号 Zenken株式会社
Zenken Corporation
証券コード 7371
上場市場 東証グロース
取引単位 100株
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林 順之亮

Zenken株式会社 代表取締役社長

1965年生まれ、福岡県出身。20代で起業の後、2006年、Zenken株式会社(当時:全研本社株式会社)にジョイン。2014年、代表取締役に就任。2021年6月にはマザーズ(現グロース市場)上場を果たす。WEBマーケティング事業では、独自専門性の高いWEBマーケティング戦略による集客支援サービスを、海外人材事業では海外エンジニア人材や海外介護・宿泊人材等と日本企業のマッチングサービスなどを展開。

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