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「StarPay」決済取扱高拡大、黒字化から成長加速へ ネットスターズ<5590>

「StarPay」決済取扱高拡大、黒字化から成長加速へ ネットスターズ<5590>

投資情報サービスを提供するウエルスアドバイザー株式会社が作成したレポートです。ネットスターズ<5590>の業績動向や財務状況、事業環境を分析し、今後の見通しを投資判断の参考情報としてレポートいたします。


※本記事は2026年1月6日時点で作成されたレポートをもとに構成しています。

GPVが第3四半期累計ベースで過去最高

チャート

25年12月期第3四半期累計(25年1-9月)の連結業績は、売上高3,367百万円(前年同期比23.6%増)、営業損益180百万円の黒字(前年同期は209百万円の赤字)だった。KPI(重要業績評価指標)としているGPV(決済取扱高)は、キャッシュレス市場の拡大を取り込むとともに、国内需要が引き続き堅調だったこと、新規大型加盟店の獲得などにより、1兆5,312億円(前年同期比35.7%増)と大きく増加し、第3四半期累計として過去最高を更新した。

DX関連サービスは展示会への積極的な出展など販促活動を推進しつつ、受託開発からセルフレジ等の決済売上へとつなげる方針にシフトした。GPV増加による手数料収入の拡大と、コスト改善の進んだことが黒字化につながった。

加盟店の業態拡大で差別化強化

同社は複数のQRコード決済やクレジットカード決済などあらゆるキャッシュレス決済を一括で店舗やECサイトに導入できるマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」提供の他、「StarPay-DX」としてセルフレジ、モバイルオーダーなど、さまざまなDX化の取り組みを行いたい加盟店に対してDX製品を開発・提供している。

現在、キャッシュレス決済には多くのブランドがあるが、「StarPay」を導入すれば、加盟店は複数の決済ブランドを一括して契約・運用できる。特にQRコード決済に強く、海外を含めた国内最大級の50ブランド以上に対応している。また、世界最先端技術であるクラウドネイティブインフラを採用していることで、同業他社と比較して決済コストが低い。決済コストの低減には継続的に取り組み、競争力を高めている。

決済ブランド事業者、地方金融機関など多くのパートナーとの協業で、小売業を中心に、決済事業の新規加盟店開拓を進めている。新業態開拓にも注力し、25年12月期はガソリンスタンドに続いて、大手生命保険会社の一角である明治安田が「StarPay」を導入した。新業態の開拓がその業界の横展開、さらには他社との将来にわたる差別化につながるため、毎期、新業態開拓には積極的に取り組んでいる。

一方、世界最大級の企業向け金融インフラストラクチャプラットフォーム「Stripe」が日本でコード決済を追加するにあたり、同社の「StarPay」をゲートウェイとして採用した。さらに、日本の統一QRコード決済規格「JPQR」に、同社は海外とのスイッチングシステム運用事業者として参画している。こうした国内外のパートナーと連携していく戦略が同社のGPV拡大につながり、26年12月期以降の成長要因になりそうだ。そのほか、将来の成長を見据え、Web3.0(分散型インターネット)を活用した新たなインフラ構築にも取り組む。

25年12月期の業績予想は売上高4,850百万円(前期比24.3%増)、営業損益233百万円の黒字(前期は84百万円の赤字)を据え置いた。一方、銀行預金の受取利息が想定を上回り経常損益は390百万円の黒字(従来予想251百万円の黒字、前期実績22百万円の赤字)に増額した。純損益予想は経常利益の増加に加えて、子会社の北京支社閉鎖に伴う特別損失などを計上し、276百万円の黒字(同198百万円の黒字、同37百万円の赤字)とした。ただ、利益率の高い決済サービスが想定以上に伸びていることから、利益面が計画を上回って着地する可能性もあろう。

25年12月期の黒字化達成から26年12月期以降は「StarPay」を中心とした成長が加速する公算は大きい。「StarPay」に関わる手数料収入は毎期20%以上の成長が望める。コストは販管費が10%程度増加していく見通しで、将来的には利益面の成長がより加速しそうだ。同社は23年9月26日に東証グロース市場に上場し、24年に上場来高値1,593円(3月27日)を付けた。25年は第2四半期累計決算の黒字化を受け、8月から9月にかけて急伸し、昨年来高値1,363円(9月25日)を付けた。上場来高値を参考に、26年12月期以降の成長加速期待を考慮し、想定株価1,400-1,600円を据え置き、投資判断は「Overweight」継続とする。(梅村哲哉)

業績動向

会社概要

国内外のQRコード、クレジットカード、電子マネーなどあらゆるキャッシュレス決済を一括で店舗やECサイトに導入できるマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」提供を手掛ける。国内最大級の接続ブランド数に加えて、安定性の高いシステムを柔軟に開発・導入できる点が強み。「StarPay」を導入すれば、加盟店は複数の決済ブランドを一括して契約・運用・入金管理することができる。

POSベンダー、決済ブランド事業者、地方金融機関など多くのパートナーと協業し、日本全国で効率的な加盟店拡大を続けている。キャッシュレス市場の拡大で需要は拡大中。また、さまざまな分野でDX化したい加盟店に対してDX製品を開発・提供する、「StarPay」とのクロスセルも進めている。もともとはQRコード決済のゲートウェイ事業からはじまり、23年からその他の決済サービスも範疇に含め収益化も開始した。カタール、モンゴル、カンボジアなど海外展開も推進中。

事業環境と展望

日本のキャッシュレス決済比率は24年時点で42.8%。経済産業省がキャッシュレス決済比率の目標として掲げた25年の40%程度は前倒しで達成したものの、将来的には80%という目標もある。また、世界のキャッシュレス決済比率をみると、23年時点で米国58.4%、英国64.0%、オーストラリア75.6%、中国83.3%で、日本(23年時点39.3%)は他国に比べて低く、成長ポテンシャルは高い(会社側資料より)。

さらに、キャッシュレス市場の中でも、同社が現在の事業の中心としているQRコード決済は特に成長率が高く、18年から24年のCAGR(年平均成長率)は120%。24年のQRコード決済額は18兆7,000億円のなかで、同社は着実にGPVを伸ばしている。これに加えて、同社の「StarPay」はクレジットカードにも対応し、クレジットカードの年間決済額はQRコード決済額の10倍近いことから、同社のビジネスチャンスはより拡大していきそうだ。

アナリストピックアップ情報

事業の概要 NETSTARSが提供する主なサービス
売上高・GPVの四半期推移
株主還元

リスク要因

政府によるキャッシュレス推進の追い風で市場は拡大中だが、 市場の成長鈍化や政府方針の転換などにより縮小した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。こうした懸念に対し、同社は事業計画をモニタリングし、兆候の把握と収益の多角化によるリスク低減を図っている。

また、同社はQRコード決済の多ブランド接続や対応サービスラインナップの拡充とシステム安定性、柔軟な開発で加盟店増加を図ってきたが、競合他社が同社に追随し差別化が難しくなれば、加盟店の獲得鈍化や解約の増加、収益性の悪化が生じる懸念がある。こうしたリスクについては、市場動向の調査とともに、新技術開発にも注力するなど、リスク低減に向けた対応を行っている。

競合他社比較

対面によるキャッシュレス決済事業を手掛けるGMOフィナンシャルゲート<4051>と、オンライン決済を展開するGMOペイメントゲートウェイ<3769>を選定した。

競合他社比較

成長性

「StarPay」の決済事業はまさに成長期入りしており、GPVの拡大とともに、同社業績は右肩上がりの成長が続くと予想される。ただ、23年12月期はDX関連サービスにおいて大型案件のかながわPay関連売上高が第3四半期に集中し、24年12月期第2四半期累計は「StarPay-DX」で期ずれ案件が発生するなど、一時的な増減がある可能性は留意したい。25年12月期の売上高成長率予想は24.3%で、競合のGMOフィナンシャルゲートの10.1%、GMOペイメントゲートウェイの13.0%を大きく上回る。26年12月期以降も20%程度の売上高成長が継続し、利益面はそれ以上の成長が見込めよう。

収益性

24年12月期は「StarPay-DX」で期ずれ案件が発生し、24年11月に期初予想を下方修正した。しかし、「StarPay」の決済関連売上高が第4四半期に想定以上に伸びたため、損益面は赤字幅を修正計画より大幅に縮小して着地した。25年12月期はGPVが過去最高を更新し、決済関連売上高も想定以上に伸びている。

24年12月期までは赤字決算が続いたものの、25年12月期は初の黒字化と、売上高営業利益率4.8%を予想するが、営業利益は計画を上回る可能性もありそうだ。一方、コストに関しては販管費を10%前後の増加に抑える方針で、今後はコスト増以上に売上高が伸びる予想から利益率が向上していくとみられる。

財務安定性

24年12月期末の自己資本比率は19.9%で、競合のGMOフィナンシャルゲート、GMOペイメントゲートウェイと比べると低い。

また、23年12月期末の24.9%から低下したが、これは決済取扱高の増加に伴い、預り金などが増加したことに起因しており、表面的なものと考えられる。流動比率は競合2社と比較して低いものの、安全とされる100%を上回っている。有利子負債もないことから、財務体質は特に不安はないとみられる。

ウエルスアドバイザー・エクイティ・リサーチレポートの用語説明・読み方(外部サイト)

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