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「貯蓄から投資へ」インフレ局面で際立つ、三井住友トラストグループの成長戦略

「貯蓄から投資へ」インフレ局面で際立つ、三井住友トラストグループの成長戦略

2024年4月に創業100年を迎えた三井住友トラストグループ<8309>は、国内で上場する唯一の信託グループ。銀行ビジネスに加えて資産運用や資産管理、不動産、証券代行と幅広いサービスをお客さまに提供し、国民の豊かな資産形成に貢献する。三井住友信託銀行をはじめ、不動産仲介大手の三井住友トラスト不動産、資産運用会社の三井住友トラスト・アセットマネジメントとアモーヴァ・アセットマネジメント(2025年9月1日付で、日興アセットマネジメントから社名変更)などを傘下に抱え、グループ合計の資産運用残高はアジア最大の140兆円、資産管理残高は263兆円にものぼる(25年3月末時点)。

日本では、100歳まで生きることが当たり前になる「人生100年時代」の到来に加え、「金利のある世界」への回帰により、今後さらなるインフレの進行に備えるためにも、長期的な資産形成は欠かせない。改めて信託グループの強みである資産運用・資産管理ビジネスへの関心が高まりつつある中で、三井住友トラストグループのビジネスモデルや取り組み、事業環境について、加藤信IR・SR部長に聞いた。

情報提供元:ウエルスアドバイザー株式会社

経済の健全な発展に貢献する「資金・資産・資本の好循環」の促進

資金・資産・資本の好循環による成長

――銀行ビジネスに加えて専門性の高い信託関連ビジネスを持つことが強みとなっている。まずは、そのビジネスモデルの特徴について教えてほしい。

「約100年前に当グループのルーツである三井信託と住友信託が創業して以来、信託を中核とし、お客さまの資産をふやし、まもるというところに注力してきた。こうした姿勢は、年金信託、遺言信託、不動産、証券代行などといった信託関連ビジネスと併せて銀行ビジネスを展開する今でも変わらない。幅広いビジネスで社会やお客さまとの接点を持ち、資金の流れを円滑にして付加価値を生み出すことで、経済の健全な発展に貢献する『資金・資産・資本の好循環』を促すことが、当グループの成長にも繋がっている。」

「ここ数年、持続的な賃金・物価上昇で金利や株価がようやく上昇基調に転じてきた。新NISA(少額投資非課税制度)も導入され、『貯蓄から投資』の必要性を実感している人も多いだろう。われわれ信託グループは、さまざまなビジネスの領域でお客さまの資金をふやし、まもるお手伝いができる点が強みだ」

「信託関連ビジネスでは、お客さまやマクロ経済など外部環境の変化に大きく影響されずに安定した手数料収益を積み上げることができる。幅広い領域でビジネスを行っていることで収益の源泉が分散されている点や、主に資産残高×手数料率で計算される安定収益が見込めることが、『守りつつ攻める』ことを可能にしている。手数料収益のベースとなる資産残高は株価上昇などの恩恵を直接的に受けるため、現在のような緩やかな物価上昇局面では、手数料収益比率の高い信託グループが大きなメリットを享受できる」

資産運用・資産管理ビジネスを軸に手数料収益拡大へ

――日本の経済は「金利のある世界」へ移行しつつある。市場金利の上昇で銀行の利ザヤが改善し、メガバンクなどの業績は急拡大している。信託ビジネスに金利上昇が与える影響は?

IR・SR部長加藤信氏

「金利が上昇する局面では、一般的に物価や賃金も上がっているので、投資家が求めるリターン水準も高くなる。株価などの資産価格が上昇することで、信託グループが享受できる収益などのメリットは商業銀行グループよりも大きいのではないかと思う。25年3月期の手数料収益比率は54.4%で、大手銀行の30%台半ばと比較しても圧倒的に高い。今後は60%を目標に、資産運用・資産管理ビジネスを軸に手数料収益の比率も伸ばしていく方針だ。当グループの高い手数料収益比率に対しては、投資家からの評価も高まりつつある」

グローバルでのパートナーシップ拡大

――信託関連ビジネスでは新たな取り組みを進めているのか?

「資産運用では、23年度にグループ傘下の三井住友トラスト・アセットマネジメントとアモーヴァ・アセットマネジメントが英国の資産運用会社Osmosisと資本業務提携契約を結んだ。24年度には仏の資産運用会社Tikehau Capitalと戦略的パートナーシップを締結した。新たな商品開発を共同で進めるほか、運用会社の販売網を活用するなど、グループ全体でのビジネス拡大に注力している」

「トランプ関税で世界経済の先行き見通しに不透明感がある中、財務上のリスクを抑えつつ、グローバルで実力のあるパートナーを見つけて、当グループが関わるビジネスの規模を大きくしていくことを狙っている」

ROE10%以上の早期達成目指す

中期経営計画(2023-2025年度)の位置付け

――25年3月期の連結業績は実質業務純益3,620億円(24年3月期比233億円増)と過去最高益を更新し、ROEは8.3%に達した。26年3月期の実質業務純益の目標は3,700億円、自己資本ROEの目標は8%台後半だ。業績好調の背景について教えて欲しい。

「中期経営計画(中計)の主要な経営指標は、25年3月期に1年前倒しで達成することができた。中計策定時には株価や金利の上昇など現状のような事業環境は想定していなかった。さまざまな成長戦略の取り組みで成果が出ていることに加え、マクロ環境の変化による追い風が吹いたことも業績好調の背景にあることは間違いない」

「今後は追い風が少し落ち着くことも予想される。政策保有株式の売却益などで利益が確保できている間に必要な投資を積極的に行い、将来の収益源を確保していきたい。中長期の目標となる『ありたい姿』では、31年3月期にROE10%以上を目指しているが、できるだけ早期に達成したい。26年5月には新たな中計の発表を予定しているが、こうした意欲を反映させながら、挑戦を続けて確かな成果に繋げていく」

――システムなどIT分野への投資も積極的だ。

「グループ内での生産性の改善や業務の効率化に加え、お客さまに対してもデジタル技術の提供ができないかを考えている。一例として、デジタル有価証券の「セキュリティー・トークン」などデジタル技術の積極活用に向けて動いている。DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用により簡単に新たな商品を組成でき、投資・決済など資金取引も簡便化できる。経費コントロールの観点からもIT化は必須だ。AI(人工知能)についても、証券代行ビジネスでは株主総会での質疑応答例の自動生成に活用するなど、可能なところから導入を進めている」

配当金は累進的な運営、株主還元強化へ

資本政策~配当~

――26年3月期の年間配当予想は160円(25年3月期は155円)と、増配基調を続けている。

「安定した利益成長を続けており、株主には増配という形で成長の果実を受け取ってほしいと考えている。1株あたり配当金について累進的な運営を導入しており、信託グループとして持続的な成長を通じた株主還元強化により、株主の期待に応えていきたい」

三井住友トラストグループのウェブサイトでは、業績や成長戦略の詳細など、様々な情報発信を行っています。
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三井住友トラストグループ株式会社 ロゴ
商号 三井住友トラストグループ株式会社
Sumitomo Mitsui Trust Group, Inc.
証券コード 8309
上場市場 東証プライム、 名証プレミア
取引単位 100株
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加藤 信

三井住友トラストグループ株式会社IR・SR部長

1997年に神戸大学を卒業後、住友信託銀行入社(現・三井住友信託銀行)。梅田支店に配属後、個人・法人営業、法人企画、北米クレジット投資、経営企画(銀行統合)、人事など幅広い業務経験を経て、2018年10月よりニューヨーク支店次長。2021年11月に帰国し、IR業務に従事。2022年4月より同部長(現職)。趣味はアメリカンフットボールなどスポーツ観戦で、32球団全ての主力選手がわかるほどのNFL通。座右の銘は「意志あるところに道は開ける」。

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