検索結果 スレッド コメント 最新の投稿順 古い投稿順 1件中 1件 - 1件を表示 不動産業> 宮越ホールディングス(株) 中国経済新論:実事求是 加速… 愛星射る天尊 2024/10/27 08:01 中国経済新論:実事求是 加速する外資企業の中国撤退 -事業のグローバル再編の一環として- 関志雄 経済産業研究所 コンサルティングフェロー 野村資本市場研究所 シニアフェロー Ⅰ.はじめに 中国では、近年、外資の撤退が加速している。その背景には、米中対立に加え、経済成長の鈍化に伴う消費の低迷、賃金をはじめとする生産コストの上昇、安全保障に関わる規制強化、現地企業との競争の激化、グローバル・サプライチェーンの再構築、そして排外感情の高まりなどがある。 中国における外資撤退は、電子機器などの輸出型産業にとどまらず、情報技術(IT)、自動車、小売といった内需向け産業にも及んでいる。このことは、外資企業にとって、中国が生産基地としてだけなく、市場としての魅力も薄れていることを反映している。こうした中で、中国に代わる投資先としてASEAN諸国やインドといった新興国が注目されている。 外資企業の中国からの撤退は、米中対立をきっかけとする事業のグローバル再編の一環として捉えることができる。日米欧の多くの企業は、高まる地政学的リスクに対応するために、中国への依存度を減らし、オンショアリング(国内回帰)とともに、フレンドショアリング(友好国との経済的つながりの強化)戦略を進めている。米国の「CHIPSおよび科学法」をはじめ、各国政府が実施している経済安全保障政策も、この流れを後押ししている。 Ⅱ.外資撤退を招いた投資環境の変化 中国国家外貨管理局が発表した「中国国際収支平衡表」の「対内直接投資」の推移は、中国からの外資撤退の加速を裏付けている。これによれば、中国の対内直接投資(ネットフロー)は急減しており、特に外資撤退(事業縮小を含む)の規模が新規投資を上回るようになったことを反映し、直近の2024年第2四半期には-148億ドルと、2023年第3四半期以来3期ぶりに2度目のマイナスとなった(図表1)。また、日本財務省が発表した「国際収支状況」によれば、対中直接投資の「実行」(新規投資)額は2021年をピークに低下傾向に転じている一方で、「回収」(撤退・事業縮小)額が上昇している(図表2)。
最新の投稿順 古い投稿順 1件中 1件 - 1件を表示 不動産業> 宮越ホールディングス(株) 中国経済新論:実事求是 加速… 愛星射る天尊 2024/10/27 08:01 中国経済新論:実事求是 加速する外資企業の中国撤退 -事業のグローバル再編の一環として- 関志雄 経済産業研究所 コンサルティングフェロー 野村資本市場研究所 シニアフェロー Ⅰ.はじめに 中国では、近年、外資の撤退が加速している。その背景には、米中対立に加え、経済成長の鈍化に伴う消費の低迷、賃金をはじめとする生産コストの上昇、安全保障に関わる規制強化、現地企業との競争の激化、グローバル・サプライチェーンの再構築、そして排外感情の高まりなどがある。 中国における外資撤退は、電子機器などの輸出型産業にとどまらず、情報技術(IT)、自動車、小売といった内需向け産業にも及んでいる。このことは、外資企業にとって、中国が生産基地としてだけなく、市場としての魅力も薄れていることを反映している。こうした中で、中国に代わる投資先としてASEAN諸国やインドといった新興国が注目されている。 外資企業の中国からの撤退は、米中対立をきっかけとする事業のグローバル再編の一環として捉えることができる。日米欧の多くの企業は、高まる地政学的リスクに対応するために、中国への依存度を減らし、オンショアリング(国内回帰)とともに、フレンドショアリング(友好国との経済的つながりの強化)戦略を進めている。米国の「CHIPSおよび科学法」をはじめ、各国政府が実施している経済安全保障政策も、この流れを後押ししている。 Ⅱ.外資撤退を招いた投資環境の変化 中国国家外貨管理局が発表した「中国国際収支平衡表」の「対内直接投資」の推移は、中国からの外資撤退の加速を裏付けている。これによれば、中国の対内直接投資(ネットフロー)は急減しており、特に外資撤退(事業縮小を含む)の規模が新規投資を上回るようになったことを反映し、直近の2024年第2四半期には-148億ドルと、2023年第3四半期以来3期ぶりに2度目のマイナスとなった(図表1)。また、日本財務省が発表した「国際収支状況」によれば、対中直接投資の「実行」(新規投資)額は2021年をピークに低下傾向に転じている一方で、「回収」(撤退・事業縮小)額が上昇している(図表2)。
中国経済新論:実事求是 加速…
2024/10/27 08:01
中国経済新論:実事求是 加速する外資企業の中国撤退 -事業のグローバル再編の一環として- 関志雄 経済産業研究所 コンサルティングフェロー 野村資本市場研究所 シニアフェロー Ⅰ.はじめに 中国では、近年、外資の撤退が加速している。その背景には、米中対立に加え、経済成長の鈍化に伴う消費の低迷、賃金をはじめとする生産コストの上昇、安全保障に関わる規制強化、現地企業との競争の激化、グローバル・サプライチェーンの再構築、そして排外感情の高まりなどがある。 中国における外資撤退は、電子機器などの輸出型産業にとどまらず、情報技術(IT)、自動車、小売といった内需向け産業にも及んでいる。このことは、外資企業にとって、中国が生産基地としてだけなく、市場としての魅力も薄れていることを反映している。こうした中で、中国に代わる投資先としてASEAN諸国やインドといった新興国が注目されている。 外資企業の中国からの撤退は、米中対立をきっかけとする事業のグローバル再編の一環として捉えることができる。日米欧の多くの企業は、高まる地政学的リスクに対応するために、中国への依存度を減らし、オンショアリング(国内回帰)とともに、フレンドショアリング(友好国との経済的つながりの強化)戦略を進めている。米国の「CHIPSおよび科学法」をはじめ、各国政府が実施している経済安全保障政策も、この流れを後押ししている。 Ⅱ.外資撤退を招いた投資環境の変化 中国国家外貨管理局が発表した「中国国際収支平衡表」の「対内直接投資」の推移は、中国からの外資撤退の加速を裏付けている。これによれば、中国の対内直接投資(ネットフロー)は急減しており、特に外資撤退(事業縮小を含む)の規模が新規投資を上回るようになったことを反映し、直近の2024年第2四半期には-148億ドルと、2023年第3四半期以来3期ぶりに2度目のマイナスとなった(図表1)。また、日本財務省が発表した「国際収支状況」によれば、対中直接投資の「実行」(新規投資)額は2021年をピークに低下傾向に転じている一方で、「回収」(撤退・事業縮小)額が上昇している(図表2)。