検索結果
-
放送各社の独自路線、コロナ禍で転換 DVD配送を経て07年に動画配信サービスを始めたネットフリックスは、他社ドラマの配信で成長した。放送局や制作会社からすれば、ネットフリックスはDVDなどと同じコンテンツの再販先のひとつだった。 20年前後に放送各社が自社で動画配信サービスを始めるようになると、ネットフリックスへの提供を相次ぎ打ち切った。自社のIPを自分たちのエコシステムに囲い込むためだった。 だが新型コロナウイルス禍の反動や節約志向などで配信同士の競争が激しくなり、後発組は収益化に苦しんだ。 米ウォルト・ディズニーは19年に自社の動画配信「ディズニー+(プラス)」を始めた際にネットフリックスへの作品提供をやめたが、赤字が続いたため23年ごろから主力以外を再び提供している。 SATCは従来、ワーナーの動画配信サービス「Max(マックス)」でのみ視聴可能だった。HBOは自社ドラマを他社にライセンス供与することはほとんどなかったが、ワーナーの関係者は「ネットフリックスの配信で新しい視聴者の獲得を期待している」と明かす。
「ネトフリ疲れ」の懸念も …
2024/10/18 14:42
「ネトフリ疲れ」の懸念も 米調査会社ニールセンがまとめた9月の米国のテレビ総視聴時間によると、ネットフリックスが約8%で動画配信サービスの中で首位だった。2位の米アマゾン・ドット・コムの約2倍だ。同社の「1強」体制が続くことで他社の体力が落ち、コンテンツがネットフリックスに集まるという構図になっている。 ネットフリックスにとっても、幅広い層に好まれる人気テレビドラマは視聴者と広告を集めやすい利点がある。 死角は作品数が多すぎて選べない「ネトフリ疲れ」だ。24年1〜6月の総視聴時間は前年同期比でほぼ横ばいだったとの指摘もある。インフレが続く欧米では、広告がある代わりに無料で配信される「FAST」チャンネルが急成長している。 FASTは地上波のように番組表があり、次々と流れてくるため視聴者が受け身で楽しめる。メディア機器メーカー、米ロクが運営する世界最大級のFASTは400強のチャンネルがあり、視聴者数は1億人を超えた。 嗜好が移り変わりやすいコンテンツの世界でネットフリックスがいつまでも1強を維持できるとも限らない。