検索結果

ガザ危機が崩す西側主導の国際秩序　米国、今や少数派 イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの衝突がもたらした未曽有の人道危機で、国際社会は無力さをさらけ出した。戦火はレバノンにも飛び、イランを巻き込んだ国家間戦争へと発展する危険が高まる。分断が進む世界で再燃した中東の危機は世界の秩序や規範を大きく揺さぶっている。 「静粛に、静粛に」。9月下旬の国連総会。イスラエルのネタニヤフ首相が登壇すると中東やアジア、アフリカなど数十人の外交官が抗議の意を込めて席を立った。会場は歓声とブーイングで騒然とした。 戦線が拡大する中、衝突の開始から7日で1年となるガザへの空爆は今も連日のように数十人の犠牲を生んでいる。死者数は計4万1千人を超えた。パレスチナ自治政府のシャヒーン外務庁長官はこの惨状を一言「混沌だ」と語った。 ロシアのウクライナ侵略と同様、ガザ危機を巡り世界は割れた。イスラエルを擁護する米国に対抗し、中国やロシアはパレスチナ側の立場から「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の不満の声を代弁しようとしている。 「（ガザで）西側の掲げる価値観が死につつある」（トルコのエルドアン大統領）「『1級国民』と『2級国民』の差別を終えなければいけない」（カリブ海・バルバドスのモトリー首相）。各国からは米欧の「二重基準」への批判が相次いだ。ロシアのラブロフ外相は「米国の武器を使ったパレスチナ人殺害を止めなければいけない」と畳みかけた。