ここから本文です

投稿コメント一覧 (1コメント)

  • 結果の意味を理解されていない方が多いようなので、私なりに解説します。

    ”最高用量投与群(10 mg/kgバイウィークリー)の18カ月時点における陰性へのコンバージョンは81%でした(p < 0.0001)。” 
    アルツハイマー型認知症はアミロイドβの増加による発症しているとする「アミロイドβ仮説」に基づき行われた試験において、81%もの比率でアミロイドβを陽性から陰性にできた。
    さらにこの結果が偶然である可能性を示すp値が 0.0001未満(0.01%未満)という凄さ。
    この薬剤はアミロイドβを陽性から陰性にできた言っても過言ではない。

    じゃぁ、肝心の薬効はとなると、
    プラセボ群に比較して症状を30%抑制(他薬剤より良い結果)し、p 値は 0.034と一般的に優位差がある言われるp値0.05を下回っている。
    さらにその効果は18カ月までに経時的に増加している。
    第三臨床がどうなるかわからないが、今回の結果を受けて、一般的にはより長く薬剤を投与する試験にするだろう。
    さらに第三臨床では被験者数が1桁増える。
    「経時的に症状が改善し、さらにp値が0.034(結果が偶然である可能性が3.4%以下)」
    この結果を持って、第三臨床に入った場合にどうなる可能性が高いか。。。

    Aβが陰性なのに、認知症の症状があるということは、認知症の原因はAβだけではないかもしれないということ。
    会場でこの点を議論したかった。ただ、Aβが認知症の主要因であったことは確かだろう。
    Aβをなくすという全く新しいより根治に近いアプロ―チで、認知症の症状が改善する可能性が高いこの薬剤。
    この薬剤を長期間服用し続けることでどこまで症状が改善するか、第三臨床に期待している。

    多くの人が経験する認知症の人の介護(私は真っただ中にいます...)、
    いつ終わるのかわからないつらい日々を少しでも楽にしてほしい。

本文はここまでです このページの先頭へ