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  •  バイオマス発電プラントの開発・販売を手掛けるZEエナジー(東京・港)は富山県小矢部市に家畜の排せつ物などを原料にしたメタンガス発電施設を建設する。全量を売電する計画で、2015年中の稼働を目指す。発電時の熱や二酸化炭素(CO2)を活用した植物工場や来客者向けの宿泊施設も造る。同社が扱う設備を紹介する総合ショールームとして活用する。

     富山県西部の工業団地「小矢部フロンティアパーク」の一角にある同社の研究所の敷地(5500平方メートル)を使う。メタンガス発電では国内最大級の出力500~600キロワットを計画し、投資額は4億~5億円を見込んでいる。

     家畜の排せつ物や生ごみなどからメタンガスを作る発酵槽と、ガスエンジンで電気を起こす発電設備などで構成。2013年に業務提携したオランダのバイオマス発電事業者、BBEバイオガス社の機器を導入する。

     固定価格買い取り制度に基づき、全量売電する。年間約1億7000万円の売電収入を見込む。発酵させる原料は専門の協力会社などから調達する。県や市の生活環境の保全に関する条例などを踏まえ設備を設計する。国の補助金など対象になるものがあれば活用する考えだ。

     発電時にできる熱やCO2を有効活用するのも特徴だ。植物工場の規模など詳細は決まっていないが、漢方薬の原料となる薬草を検討中だ。熱は工場内の温度管理、CO2は栽培促進にそれぞれ役立てる。

     宿泊施設は視察者に限定した小規模なものを想定し、発電で発生した熱を給湯などに使う。

     林野庁の補助金を活用した木質バイオマス発電設備のデモ機などをすでに設置済み。メタンガス発電施設が完成すれば、見学者が増えることが予想される。

     ZEエナジーはバイオマス関連設備の開発・販売、導入のコンサルなどを手掛けている。BBE社とはメタンガス発電システムについて、日本とアジアでの独占販売契約を結んでおり、国内外で外販も進める。

     同研究所には富山県出身のCTO(最高技術責任者)ら約10人が勤務する。メタンガス発電施設や植物工場などが稼働すれば、人員をさらに増やす考えだ。

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