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>>7614

モデルナ「プラットフォーム戦略」の深謀遠慮

そもそもmRNAとは遺伝子(DNA)の一部に、コード化された遺伝子情報を埋め込む技術である。このコードを書き直したり、編集したりしたうえで、mRNAを細胞に届けることで人体に抗体を持たせることができるのだ。
また、治療したい疾患ごとに編集されたmRNAを細胞に届けるのが、LNP(脂質ナノ粒子)である。LNPにmRNAを内包させて人体に接種することで、mRNAを細胞にデリバリーするのである。
コロナウイルスを例にとれば、コロナのスパイクたんぱく質をつくる遺伝子情報をmRNAに組み込んで、LNPによって細胞に届けることで抗体がつくられるわけだ。
よって基本的には、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質の遺伝子情報さえ入手できれば、mRNAワクチンの設計は簡単にできてしまうのだ。
もちろんこの技術は、インフルエンザやHIVなど、様々なウイルス性のワクチンに応用可能。さらにがんをはじめ、様々な疾患にも応用される。
こうして「一度に複数の疾患」の治療薬を開発できるのが、mRNAの技術なのだ。

スピーディに創薬する仕組みが、mRNAプラットフォーム戦略である。ある疾患において、「mRNA」「LNP」に共通する特徴が見つかれば、それは同様の医薬品開発において機能することを意味している。
つまり、コロナ変異株などの遺伝子情報を入手すれば、従来の開発で認識されたウイルスの性格などを使って、開発に活かしていくことが可能だ。

そこにモデルナはmRNAプラットフォームを基盤として、他のビッグファーマとも協業を可能にする「エコシステム」も導入している。

また、スピードを裏付けているのが、DXによる自動化だ。
モデルナはAIをはじめ、クラウド、アナリティクス、データサイエンス、さらにはロボティクスなどを使って、研究開発から、実験・臨床試験、製造・出荷までをデジタル化している。これによって開発にかかる期間とコストを抑えることが可能になっている。
DXはとりわけ新しい治療薬をつくるための技術開発や研究で、特に効果を発揮する。