2025年３月期 決算短信の要約
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信越化学工業の2025年3月期決算は、売上高2兆5,612億円（前期比6.1%増）、営業利益7,421億円（同5.9%増）と増収増益を達成しました。電子材料事業が牽引役となり、海外売上高比率80%と国際展開が進展しています。自己資本比率82.6%の強固な財務基盤を維持しつつ、年間配当金を106円に増配するなど、成長と株主還元の両立を図っています。
主な事業セグメント
信越化学工業は、生活環境基盤材料事業、電子材料事業、機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業の4つの主要セグメントで事業を展開しています。各セグメントは、環境負荷を抑えたインフラ・生活支援、電子・光・磁気材料の提供、多様な機能材料の開発、材料応用とエンジニアリングによる課題解決を担っています。
当決算における事業や経営成績の主な変化
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.1%増の2兆5,612億円、営業利益が5.9%増の7,421億円、経常利益が4.2%増の8,205億円、親会社株主に帰属する当期純利益が2.7%増の5,340億円となりました。特に電子材料事業が好調で、売上高が10%増、営業利益が19%増と大きく貢献しました。一方、生活環境基盤材料事業の営業利益は9%減少しています。海外売上高比率は80%に上昇し、グローバル展開が進んでいます。
貸借対照表の変化
総資産は前期末比9.5%増の5兆6,366億円となりました。主な増加要因は、円安に伴う在外連結子会社資産の円換算額の増加と有形固定資産の増加です。純資産は9.3%増の4兆8,375億円となり、自己資本比率は82.6%と高水準を維持しています。有利子負債残高は168億円と低水準を保っており、財務体質の健全性が維持されています。
キャッシュフローの変化
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比1,268億円増の8,819億円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比9,567億円減の1,425億円の支出となり、設備投資は継続しつつも前期と比べ抑制されています。財務活動によるキャッシュ・フローは、4,549億円の支出となり、自己株式の取得1,939億円や配当金の支払2,047億円が主な要因です。結果として、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比50%増の8,827億円となりました。
今年度、来年度の業績見通しの変化
2026年3月期の通期業績予想は未定ですが、第1四半期（2025年4月～6月）の予想として、売上高6,100億円（前年同期比2.0%増）、営業利益1,660億円（同13.1%減）、経常利益1,760億円（同19.9%減）、親会社株主に帰属する四半期純利益1,200億円（同16.7%減）を発表しています。通期の設備投資額は3,700億円、減価償却額は2,400億円を予定しています。
株主還元
2025年3月期の年間配当金は、前期より6円増の1株当たり106円（中間配当53円、期末配当53円）を予定しています。これにより、配当性向は39.3%、純資産配当率は4.7%となる見込みです。会社は40%前後の配当性向を中長期的な目安として安定的な配当に努めており、株主還元を重視する姿勢を示しています。
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