ソフトウェア業界全体の構造を踏まえると、AVANTの今後の成長については少し気になる点があります。
大手企業向けソフトウェア市場を見ると、主要な業務領域では海外ベンダーの存在感が非常に大きく、ERPであればSAPやOracle、営業・CRM領域であればSalesforceなどが高いシェアを持っています。
その中で、国内ベンダーであるAVANTが大きな強みを築いてきたのが連結会計分野だと私は考えています。大手企業への導入実績も豊富で、この点は同社の大きな競争力だったと思います。
一方で、現在は大手企業や中堅企業の多くが既に連結会計システムを導入済みであり、新規導入市場は以前ほど大きくないように見えます。そのため、収益の中心は保守や機能拡張、リプレース案件へと徐々にシフトしており、この事業だけで大きな成長を続けるのは容易ではないのではないかと考えています。
また、顧客へのリーチという観点でも、大手企業の基幹システムや経営管理システムの導入は、大手コンサルティングファームやSIerが主導するケースが多く、AVANTがそのポジションを広く獲得していくには一定のハードルがあるように思います。もちろん、大手コンサルティングファームに依存しない方針を採る企業もあり、そのような案件ではAVANTにも十分なチャンスがあると思いますが、市場全体から見ると限定的ではないでしょうか。
さらに、今後の成長の柱として期待される経営管理領域についても、国内には特色のあるベンダーが複数存在し、海外製品には機能面・ブランド力ともに非常に強力な競合がいます。そのような競争環境の中で、AVANTがどのような差別化を図っていくのかが重要になると考えています。
こうした市場環境を踏まえると、今回の経営体制の変更だけで状況が大きく変わるとは私は考えていません。一方で、新たな成長戦略や差別化策を打ち出せるかどうかは、今後の企業価値を左右する重要なポイントになると思いますので、その点には注目しています。
以上は、公開されている情報やソフトウェア業界の動向を踏まえた、私個人の見解です。
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