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投稿コメント一覧 (156コメント)

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    昨日のニュース「理化学研究所とiPS細胞由来NTK細胞療法に関する共同研究契約を締結」について、まとめてみました。

    理研は、約100年前(1917年)に創設された日本で唯一の国立研究開発法人の自然科学総合研究所です。
    総人員約3500名、国内に9拠点、海外に4拠点を配し、年間総予算は約965億円(H29年度)という日本最大の国立研究所です。

    本日の日刊工業新聞(朝刊)の第1面に「理研、『新たな領域』開拓、研究本部設置 無期雇用人材を拡大」との記事が載っていました。その趣旨は「理研は、従来にない新しい研究領域を開拓するため、2018年度から体制を強化する」というものです。
    親方日の丸の理研にあっても、科学技術の急激な進歩、環境の変化、求められる成果などのプレッシャーから、古い衣を脱ぎ捨てて「新生・理研」に生まれ変わろうとしているのだと思われます。

    その一環かどうかは定かではありませんが、理研といえどもプライドを横に置いて、「最先端の技術」をがむしゃらに取り入れていく必要が出てきたのだと思われます。

    すなわち、NKT細胞を元気にするために「iPS-T細胞由来の抗原特異的若返りT細胞療法」をどうしても使用したかったのだと思います。
    これ(iPS-T)については、既に米国(2015年12月8日付)、日本(2017年7月19日付)でそれぞれ特許を東大が取得済みですが、ブライトパスの子会社アドバンス・イミュノセラピー社が特許権者である東大から独占的実施権を既に得ています。

    この特許は、実薬ではなく、京大のiSP細胞技術の基本特許(公的機関の研究者なら無償で、民間企業でも安価なライセンス料で使用可能)のもと、東大・中内先生が苦労して手に入れた「元気なT細胞を安全装置付きで沢山作る」という「仕組み・手順の新規性」の特許と言えます。
    この特許を使いたいという研究者や民間企業は、今後もまだまだ出てくると思われます。

    そして、もちろんブライトパスは、自社パイプラインにこのiPS-Tを絡めていこうと考えているはずです。永井社長の言う「細胞医薬モダリティの組み込み」です。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    昨日の日経新聞(夕刊)12面、「iPSから作製 免疫細胞でがん破壊 和歌山県立医大 新療法に道」の記事の「樹状細胞」という活字で、あることを思い出しました。
    それはブライトパスのホームページの「開発領域」の表です。
    この表を見ると、ブライトパスが目指す「対策領域」が8つに分けられていて、今のところは、その内4つの枠には既に4つのパイブライン(ITK-1、GRN-1201、GRN-1301、iPS-T)が書かれていますが、残りの4つの枠には「探索」と書かれています。
    探索中の4つのパイプラインは、
    「(カスタムメイドの)ネオアンチゲン」
    「免疫細胞死誘導」
    「樹状細胞関連」
    「免疫チェックポイント阻害抗体」
    と書かれています。

    次なるパイプラインは「樹状細胞」?
    「免疫チェックポイント阻害抗体」?

    それにしても、iPS-Tは万能の「魔法の杖」ですね。
    中内先生が、当局に何度跳ね返されても、国内外で特許を取得されたことが、今更ながら頷けます。

    資金はまだまだ潤沢に残されています。
    スピード感を持って残りの4つの「探索」中の4つの枠を埋めてほしいものです。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    今日は、午前中、ASCO2018のオフィシャルサイトを確認していました。プログラムの内容は着々と決まりだしていますが、

    Important Program Datesとして

    APRIL 25, 2018
    Full Program Available, Including Abstract Titles with iPlanner website launch

    EARLY MAY
    iPlanner Mobile App Available

    と書かれていましたので、もしITK-1(前立腺がん)の第三相治験についての口演があるとしたら、4月25日(シカゴ、米国時間)に要約を含めたタイトルや演者名が、ASCO2018のiPlannerウエッブサイトにアップされると思います。

    3月20日頃には、多くの候補の中から、どの口演にするのかが議論・検討されているはずですが、私の調べた限りでは、その結果はまだ発表されていないようです。

    ここまでは午前中にも投稿しました。

    さてさて、今年のASCOにブラパス(富士フイルム)がエントリーしてくるのでしょうか?
    ASCOは、この世界(がん医療)で最高の檜舞台です。オプジーボもASCOから始まりました。
    是非是非、この檜舞台で、ブラパスの晴れ姿を見たいものです!

    とにかく、ブラパスは僕たちを楽しませてくれます!

    以上、私見です。

  • ご参考:

    今、ASCO2018のオフィシャルサイトを確認していました。プログラムの内容は着々と決まりだしていますが、

    Important Program Datesとして

    APRIL 25, 2018
    Full Program Available, Including Abstract Titles with iPlanner website launch

    EARLY MAY
    iPlanner Mobile App Available

    と書かれていましたので、もしITK-1(前立腺がん)の第三相治験についての口演があるとしたら、4月25日(シカゴ、米国時間)に要約を含めたタイトルや演者名が、ASCO2018のiPlannerウエッブサイトにアップされると思います。

    3月20日頃には、多くの候補の中から、どの口演にするのかが議論・検討されているはずですが、私の調べた限りでは、その結果はまだ発表されていないようです。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

     市場は波乱含み・・・こんな時こそ基本に立ち返ってみることをお勧めします。

     2013年8月から始まったITK-1第Ⅲ相のキーオープンを今月末に迎え、いよいよ期待と不安が入り混じった「長編大作」が封切られます。

    ITK-1は、その長編大作の序章、プロローグです。

     ITK-1の第Ⅰ相が開始された当時は、このオーダーメイドペプチドワクチンの考え方は最先端でした。もちろん、今でも癌ペプチドワクチンの先頭を走っていることには変わりなく、第Ⅲ相を終えようとしているペプチドワクチンは、他には見当たりません。

     ただ、そのあとに投入されたGRN-1201、GRN-1301、iPS-Tなどは、どれも優秀なランナー達で先輩格のITK-1を超える実力を具えていると思われます。この格差は、科学技術の進歩はリアルタイムで現場に反映されるのに対して、新薬の認可は治験というタイムラグを経る必要があるからです。

     さて、皆さんが関心をお持ちのITK-1第Ⅲ相の成否について、直近の私の考えを以下まとめました。

    焦点は「有意差あり」を導き出せるかどうか?です。

    主要評価項目の「全生存期間(中央値)」は、おそらくは真薬グループ(ITK-1投与)と偽薬グループ(プラセボ=偽薬投与)との間には、大きな差異が認められると思います。ここはあまり心配していません。

    その根拠は、この治験のⅠ相で得られた中央値23.8ヶ月、久留米大臨床研究では22.0ヶ月というデータです。加えて、久留米大がんワクチンセンターのニュースリリースなどを見てもマイナス材料は見当たりません。

    症例数(n)がそれぞれ15例、12例と少ないですので、安全幅を見て中央値20ヶ月は見込めると思います。

     一方、偽薬グループの中央値ですが、これは過去にピッタリの確かなデータ(ドセタキセル無効集団のプラセボ投与時の中央値データ)は存在しません。参考となりそうなデータは、2012年久留米大での臨床試験データで「ドセタキセルによる治療で憎悪(悪化)してから死亡までの期間は10.5ヶ月(n=17)」というのがあります。

    これも安全幅を見て13ヶ月と見込みます。

    すなわち、上記の仮説を基にすれば、両グループは「20ヶ月対13ヶ月」で1.5倍以上の差が出ます。

     ただ、これで終わりではありません。

    1.5倍以上の差が出ても、「この結果が偶然ではなく、95%以上の確率で確かな関係が存在している」ことが統計学的に証明されなければいけません。これが「p<0.05で、有意差あり」です。

     症例が多いほど、「有意差あり」となる確度は当然増しますが、治験費用との関係(症例数が増すと費用も増える)や「有意差あり」と判定されても両グループの差異が極めて小さいと製品化する必然性がない(ライバル薬を大きく凌駕できない)ので、症例数は自ずと一定の範囲に絞られてきます。

     今回の治験の予定症例数は333です。これは、上記のロジックから導かれた必要十分な症例数だと思われます。また、真薬:偽薬の症例数比率を2:1(200:100)に設定しているようで、これは真薬の結果の確度を上げるためだと思われます。

    「症例数の決定」は治験の肝ですから、この決定に当たっては伊東先生以下関係者が熟慮に熟慮を重ねているはずです。

    「他のデータでpが有意差を示していない」とのご指摘があるようですが、症例数が少なければ、まず有意差は出ません。最低でも300以上は必要ではないかと思いますので、症例数の少ないデータのpはあまり気にしなくても良いと思います。

     登録機関(32ヶ月)や観察期間(23ヶ月)などを勘案して「p<0.05」から逆算していくと、「有意差あり」を導き出すには、両グループ対比「21ヶ月対14ヶ月」程度(1.5倍)以上での結果(差が開くほど良い)が必要だと思います。

    21ヶ月の方は過去のⅠ相や久留米大臨床結果から見て有望そうですが、14ヶ月の方は、データもなく、正直、未知数の部分があります(特に、この段落は私見というより独断ですので、その前提でお読み願います)。

     永井社長の「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の意味はこの辺りにあります。

     万一、ITK-1の治験が不成功(厳密には、有効だが有意差なし)でも、それに続くパイプラインは、いずれも強者ぞろいです。また、今回は不成功でも、今回の結果に被せて、第二弾の治験を行うことも考えられます。

     ITK-1の結果IR発表前の3月下旬~5月上旬は、既存パイプラインの次なるステップのIR・新規パイプライン、新規共同研究などのIRに期待します。

     以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    ITK-1(前立腺がん)の治験で、どのような場合に「有意差ありとなるのか?」というご質問について、以下の通りまとめてみました。

    おそらくは、「前立腺がんの5年死亡率は92.4%、10年は100%と、がんの中でも極めて高い生存率なので、有意差なんて出せるのか?」と多くの皆さんがご心配されているのではないかと推察いたします。

    今回の治験の届出書を確認しますと、試験の概要には「HLA-24陽性の去勢抵抗性ドセタキセル治療抵抗性前立腺がん患者に対して、BSC治療下で、プラセボを比較対象群として、ITK-1群の有効性と安全性を評価する」とあります。
    分かりやすく言い換えますと、「ホルモン療法でも抗癌剤を使っても、がんがさらに悪化しているよう深刻なな患者さんに対して、特に積極的な治療をしないで偽薬を投与したグループとITK-1を投与したグループでの生存期間(全生存期間・中央値)を比較する」ということです。

    ですから、第四ステージで、しかも手の打ちようがない患者さんに対しての治験だと言えます(手の打ちようがないので、最後の手段として治験に参加していただける、という側面もあると思います)。
    従って、残念ながらこれらの患者さんの死亡までの期間はそう長くはないわけです。

    昨年の株主総会の資料では、中央値が、ITK-1(Ⅰ相継続投与試験)が23.8か月、ITK-1(久留米大臨床研究)が22.0か月でした。ちなみに、対抗薬のドセタキセルは19.2か月、ミトキサントロンは16.3か月です(同じく株主総会資料より)。

    両グループの中央値に差異が認められて、さらにこの結果が、統計学的解析により
    p<0.05をクリアーして「有意差あり」となれば、治験は成功です。

    本来ですと、発症初期の患者さんや再発防止のための患者さんにも効果があると思いますが、新薬を世に出すためには限られたぎりぎりの条件の中で、それでも切れ味の良い結果を出すことが求められます。
    ブライトパスバイオを応援したくなる所以です。

    ※有意差、全生存期間中央値などは私の既投稿をご参照ください。

    以上、私見です。

  • ご参考:キーオープンについて、誤解なきように、念のため。

    ITK-1(前立腺がん)の第Ⅲ相のキーオープン(解錠)は今年3月末(今月末)です。
    そして、キーオープン後の分析結果による主要評価項目の成否の発表(ニュースリリース)は、18年度中(2018年4月~2019年3月)に行うと、BP社は発表しています。

    キーオープンとは、その名の通り「鍵を開ける」ことです。
    今回の治験は、ダブルブラインドですから、医師も患者さんも、投与した(投与された)薬がITK-1(真薬)なのか偽薬なのかを知らされていません。
    それが、明らかにされるのが「キーオープン」です。
    金庫の中に約300人分のリスト(誰に真薬を投与したのか、誰に偽薬を投与したのか、を記載してあるリスト)が保管されていて、この金庫の鍵を今月末に開ける、と考えてください。

    富士フイルム(実際はBP社)は、キーオープンで判明した結果、すなわち、A患者さんはITK-1投与で生存期間○○ヶ月、B患者さんは偽薬で生存期間××ヶ月、、、と約300人の患者さんの生存期間データーを取ります。そして、真薬を投与したグループと偽薬を投与したグループのそれぞれの全生存期間(中央値)を比較するのです。そして、統計学的有意差有り無しの判定を行います。

    このデータ解析にはかなりの時間を要します。ですから、主要評価項目の成否の発表は、18年度中と大雑把な幅のある期間で定めたのだと思います。

    来年の3月までは待たされないとは思いますが、早くても6月頃でしょうか、お盆までなのでしょうか。そこのところは未知数です。
    通常はまず学会で発表されますので、シカゴで開催されるASCO2018の日程が6月1~5日ですから、この学会で発表してくれないかな、と切望していますが、未だプログラムには掲載されていません。
    8月には国内で学会がありますので、そのあたりかも知れません。

    以上、ご参考まで。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    いよいよ3月!
    今この時点でのブライトパス・バイオの現状と今後を展望してみました。

    1. まず、ITK-1ですが、これについては3月末にキーオープンを迎えますので、BP社からは正式なIRもニュースもしばらく出ないと思います(むしろ、出ない方が良い)。
    マイナス要因があるとすれば、昨年ASCOの寺崎先生のITK-1(膠芽腫)Ⅲ相結果口演で、主要評価項目が未達に終わったことです(副次評価項目では一定の効果が出て、治験は今月まで1年間延長されている)。
    ただ、脳腫瘍はBBB(脳には異物を通さないバリアがある)の壁があり、「がんの皇帝」と言われるほどの頑強ながんです。伊東先生も当初は脳腫瘍への治験は躊躇していましたが、新潟大山中先生の強い要請に折れてしぶしぶ治験を始めています(伊東恭悟著「がんを生きよう」に、当時の伊東先生の思いが書かれています)。
    前立腺がんでは、伊東先生は絶対の自信を持っておられ、それは平成23年10月23日の福岡県知事会見(富士フイルムⅢ相決定の会見、YouTubeで視聴可能)の中で、記者の「なぜ前立腺がんですか?」との質問に「久留米大での研究で前立腺がんが一番効果が出たので、前立腺を先頭にした」と発言されたことからも判ります。
    長い時間と莫大な資金と情熱を注ぎ込むのです。治験の対象がん種の選定には、熟慮に熟慮を重ねているはずです。

    長年のITK-1関係者の労が報われることを祈念します。

    2.次にGRN-1201ですが、注目されるのはキートルーダとの併用による米国でのⅡ相治験の動向です。
    昨年6月1日付株主総会資料「第14回定期株主総会招集ご通知」の8P.に「現在、米国にて非小細胞肺がんを対象とした、免疫チェックポイント阻害抗体併用の第Ⅱ相臨床試験を行っております。安全性と有効性を示すデータを取り、より大きな規模の後期臨床試験を遂行する製薬企業へのライセンス・アウトに備える必要があります。」と明記されており、やはりBP社としては、この3月から始まるⅡ相はライセンスアウトして実施したかったのではないかと思います。
    しかし、メルクとしては、ITK-1の成否を確認した後に、ライセンスアウトの話を進めようと判断したのではないかと思われます。ここはBPとメルクの駆け引きですね。

    3.次はGRN-1301です。
    BP社は、「ネオアンチゲン」を中期的な戦略の軸に置いているように見えます。
    ITK-1が簡易版テーラーメイドなら、GRN-1301は完全版テーラーメイドです。
    もちろん、ITK-1の成功を望んではいますが、これは免疫療法の入り口に過ぎません。がん免疫療法の本命は「遺伝子解析+ネオアンチゲン」であり、それをバワーアップするのが「T-iPS」です。
    4月から国立がん研で遺伝子検査が先進医療として始まります。これで、がんを個別に発見して、それにピッタリの免疫治療を施すことが可能になります。このピッタリの免疫治療がネオアンチゲンだと思われます。
    がん医学学会や製薬業界の賢者たちも「どうやら、がん治療の流れは免疫治療に、そしてその本命はネオアンチゲン!」と認め出しているように思われます。
    BP社は、ネオアンチゲンを軸に、国立がん研や東大、順大、三重大、、、などのコーデネーターとしての地位を固めて、急ピッチで「GRN-1301」を推進しようとしています。

    4.そして、T-iPSですが、これはT細胞を若返らせる魔法のパイプラインです。しかも安全装置付き(T細胞が予期しない副作用を発した場合、ある薬の投与でT細胞は自殺する)ということですから、免疫療法を推進していく上で、誰もが欲しがる強力なパイプラインだと思います。がんに限らず免疫療法全般に応用できれば、今後の使い道が楽しみです。

    今、我々投資家の視野に入っているパイプラインの他にも、今後(近々?)新たなパイプラインは追加されていくと思います。

    まるで、超一級の長編小説を読んでいるようです。少なくとも、今視野に入っているパイプラインの結末までは読破したいと思っています。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    本日、順天堂大41回都民公開講座「再生医療の現状」(文京シビックホール、午後1~4時)に行ってきました。

    講演は合計4コマありましたが、「iPS細胞由来若返りT細胞療法の開発」安藤美樹准教授の講演について以下レポートします。

    まず、安藤美樹准教授とブライトパスの関係ですが、昨年10月3日のBP社からのお知らせで、BP社の連結子会社アドバンスト・イミュノセラピーと順天堂大学が、rejT(iPS細胞由来若返りCTL療法)の臨床応用を目指した共同研究契約を締結したと発表しています。

    さて、安藤先生の講演ですが、一般都民向けの話ですので、内容も解りやすく、特に目新しい話は出ませんでしたが、rejTの研究は順調で、マウスの実験結果など具体的な事例紹介を交えながらの約30分の説明でした。

    紺のジャケットにオフホワイトのスカート、左襟には真珠のブローチ、真摯で控え目な若手研究者という印象を受けました。

    講演終了後に個別に質問しようかなと思いましたが、午前の講演で疲れの様子でしたので、自重しました(相手が男性なら質問していた、笑)。

    厚労省の本間専門官の話は、早期承認制度に関するものはありませんでした。

    ひとつ感じたのは、順天堂大の研究施設は最先端で金がかかってるなと。BP社は、その辺りも計算して提携しているなと感じました。

    果実が実るのは、まだ先ではありますが、有望なパイプラインのひとつが、順調に推移していることが確認でき、ゆるりとした気持ちで丸ノ内線に揺られて帰宅しました。

    以上、私見です。

  • ごめんなさい。

    私は、シンボジウムではなくて、順天堂大の講座で、安藤美樹先生「iPS細胞由来若返りT細胞療法の開発」と厚労省の本間専門官「より安全な再生医療の提供のための法規制に関して」のお話を聴いてきます。

    明日中にレポートします。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    昨日リリースされたお知らせ「三重大学との産学官連携講座の設置」について、まとめてみました。

    どうやらBP社の中期的な戦略の軸になるのは「ネオアンチゲン」のようです。というより、がん免疫学会や製薬業界の賢者たちが「ネオアンチゲン本命」を認め出しているということだと思います。

    車の両輪、すなわち
    「最新の遺伝子解析技術による患者ごとのネオアンチゲン解析」と「解析結果に対応する創薬モダリティの開発」です。
    敵(がん細胞)を正確に見つけ出して、その敵の特性に応じた個別の免疫療法で敵をたたくという作戦です。

    今回の講座をリードするのは三重大の珠玖洋先生です(しくひろし、と読みます)。
    ノーベル賞候補として、しばしば名前があがる本庶佑先生(ほんじょたすく、京大、オプジーポの開発)や坂口志文先生(阪大、制御性T細胞)ほどの派手さはありませんが、伊東恭悟先生とともに、がん免疫治療の分野では実力・権威とも秀でている先生です(ちなみに、日本がん免疫学会の第5回会長は珠玖先生、第6回会長は伊東先生です)。
    珠玖先生は、免疫治療の様々な組み合わせで、がんを克服しようという「複合的がん免疫治療法」を早くから手掛けておられ、BP社と目指す方向性が一致したのではないでしょうか。

    とにもかくにも、各方面の大学や研究所との提携・共同研究が順調に進んでおり、安定感がさらに増してきているのは頼もしい限りです。

    もちろん、ITK-1の認可取得と適用拡大が、直近の最重点課題であることには変わりはありませんが、その先を考えた場合「ネオアンチゲン」は外せません。

    追伸・・・現在シカゴ大学に籍を置いている中村祐輔先生に注目しています。諸事情で日本を離れていらっしゃいますが、がん免疫治療の最先端を走る御仁で「ブレーク スルー」という言葉がピッタリのエネルギッシュな先生です。
    この先生が、今年の6月末でシカゴ大学を離れて日本に帰って来られるとのこと。現在、まだ日本でのポジションは決まっていないと、自らの「シカゴ便り」に書かれていました。
    個人的には、永井社長に是非とも触手を伸ばしてほしい人物です。
    ご興味のある方は「シカゴ便り」で検索すると出てきます(最新情報が満載です)。

    明日は、文京シビックホールに行く予定です。

    以上、私見です。

  • ご参考:
    ガン治験の主要評価項目は、以前は「5年生存率」を使うことが多かったのですが、近年では「全生存期間(中央値)」を使うことが多くなっています。

    ITK-1(前立腺ガン対応)も、「全生存期間(中央値)」を使うことが決まっています。

    「全生存期間(中央値)」とは、例えば被験者が99人としたとき、生存期間の短い人から順番に並べて50番目の人の生存期間がそのグループの「全生存期間(中央値)」となります。
    この計算方法で、偽薬グループと真薬グループの「全生存期間(中央値)」を比較するわけです。これで有意差が出れば「治験は成功」です。

    「5年生存率」を算出するには5年の歳月を必要としますが、「全生存期間(中央値)」ですと、がん腫にもよりますが、2~3年あれば結果を算出することが可能です。
    治験結果を短期間で出すためにも、「全生存期間(中央値)」が採用されているわけです。

    今回の結果は未知数ですが、来月末でキーオープンされることに、ご心配されているような問題はありません。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    本日午後三時以降に、BP社から「第3四半期決算報告」がリリースされます。

    見るべきポイントは「第2【事業の状況】の3(1)業績の状況」です。
    ここには、現在進行中のパイプラインの直近情報が書かれており、オフィシャルなBP社の見解が記載されます。さらに、各種研究機関との共同研究の推進状況なども、この欄に記載されます。

    キーオープンを目前に控えているITK‐1については、特段のコメントはないと思いますが「引き続き安全性に十分留意し本試験を実施してまいります」というコメントで十分だと思います。

    上市前の創薬ベンチャーですから、当然ながら赤字決算です。
    これは、離陸前のまだ停止している超音速大型旅客ジェット機のCAに「今、高度は何フィートですか?」と訊くようなもので、愚問でしかありません。

    我々乗客が今確認すべきことは、
    ジェット機は高性能で安全に整備されているか?
    燃料は満タンに積まれているか?
    目的地までの航路はしっかりと定まっていて適切なものか?
    パイロットは高度な技術を持っているか、CAはよく教育され臨機応変に対応できるか?
    などです。

    もちろん出発前ですから、タラップから降りることも可能です。

    ですが、私は、とにかく、このジェット機が離陸して、はるか上空を高速で突っ走るのを体感し、天空からの美しい地球の眺めをこの目で確かめてみたいと、決めています。

    途中で願いかなわず不時着する可能性もありますが、とにかく窓際の席に座って、今はフライト時刻を待つばかりです。

    以上、私見です。

  • YouTubeで、こんなのも見ることが出来ます。

    平成23年10月24日の「福岡県知事臨時記者会見」です。

    ITK-1のⅢ相富士フイルムへのライセンスアウトが決まった時の会見です。

    福岡県知事と伊東恭悟先生が記者会見に臨み、県をあげて支援していると知事が概要説明を行ない、そのあと伊東恭悟先生が記者からの質問に応えるという記者会見のビデオです(約25分)

    伊東先生は言葉を選びなから、控え目にご説明されているのが、印象的でした。
    記者の「予定より早く製品化される可能性もありますよね?」という執拗な質問に対しても「いえ、今の予定では上手く進んで東京オリンピックのころまでには、としか申し上げられません」というような内容の回答をされていて、反って「この人なら信頼出来るな」と確信しました。

    YouTubeの検索で「福岡県知事 会見 伊東恭悟」で見ることが出来ます。

    ご参考まで。

  • 皆さま、ここ数日はややお疲れ気味では?そこで気分転換に「豆知識」をひとつ…

    ITK-1(前立腺がん対応)の治験の主要評価項目の成否は「全生存期間の有意差あり、なし」ですが、この「全生存期間」「有意差」とは、具体的に何を指すのでしょうか?

    1. まず「全生存期間」ですが、今回の治験評価では「全生存期間(中央値)」が使われます(IR確認済)。 
    「全生存期間(中央値)」とは、各グループの被験者の半分の人数が死亡するまでの期間を言います。
    たとえば、偽薬グループの被験者が99人としますと、1人・2人・3人・・・と数えて50人目(中央)の被験者が死亡するまでの期間が、中央値となります。
    ただし、全員が同じ日に治験をスタートしているわけではありませんから、被験者ごとに生存期間を計算して、その期間を短い順に並べて50番目の被験者の生存期間が「中央値」となります。真薬グループも同様の計算を行い、両者を比較します。

    昨年の株主総会の資料では、ITK-1(Ⅰ相継続投与試験)が23.8か月、ITK-1(久留米大臨床研究)が22.0か月でした。ちなみに、対抗薬のドセタキセルは19.2か月、ミトキサントロンは16.3か月です(同じく株主総会資料より)。

    3.次に「有意差」についてですが、「有意差あり」とは簡単に言いますと、「誤差や偶然で生じた差ではなく、意味のある差が間違いなく存在する」ということです。

    サイコロの6が出る確率は1/6ですが、Aというサイコロを六回振って6が二回出たら「このサイコロは6がよく出る特別なサイコロだ」とは必ずしも断定できません(偶然だったかもしれません)。しかし、六百回振って6が二百回出たら、「このサイコロは誤差や偶然ではなく間違いなく6がよく出るサイコロだ」と言えます。これが「有意差」です。

    この「間違いなく存在する」ことを証明するのは統計学的解析です。
    今回の治験では、「p<0.05」が判定基準として使われます(0.05を用いるのがこの種の治験では一般的)。このp<0.05とは、平たく言うと「治験結果が誤差や偶然である確率が5%未満である」という意味です。
    この計算は複雑な統計学的な解析によるもので、ここでは割愛します(カイ二乗検定、信頼区間など)。

    こんな豆知識も、資料を読み解く上では、役に立つこともあります。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    GRN-1201のⅡ相について、何人かの方が投稿されていましたので、私の考えを以下の通り、まとめてみました。

    まず、一般論ですが、Ⅱ相を二つに分けて「Ⅱ相前期、Ⅱ相後期」「P2a、P2b」「フェイズⅡ-1、フェイズⅡ-2」などと名付けて、二段階に実施することはよくあります。
    前半は「主に投与する薬剤の適量の見当をつけるために、ごく少数の患者さんに徐々に用量を増やしながら、その量に応じた有効率を推定します」
    後半は「Ⅲ相ほどではありませんが、比較的多くの患者さんに投与して、Ⅲ相で有意差を導き出すために必要な症例数、安全性、効き目、適切な投与量などを確認します」

    以上のように後期では、Ⅲ相に近い治験を行いますので、後期からライセンスアウトするという選択肢はあります。

    特に海外で多くの患者さんを集めて治験を行うとなれば、その国のメガファーマーにライセンスアウトした方が、患者さん集めは容易だと思います。

    ただ、それは、メガファーマーが「これは有望な治験になる!」という確信がなければ、到底実現するものではありません。

    BP社からの「免疫チェクポイント阻害剤併用」のIRからのこの1年は、上記「フェイズⅡ-1」だったと考えればツジツマは合います。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    株価下落の大波はだいたい10年に1度の間隔でやってきます。

    この30年では、その大波は①日本経済のバブル崩壊(1989年)②ITバブル崩壊(2000年)③)リーマンショック(2008年)です。それぞれ、日経平均の下落率は①63.2%②63.5%③61.4% と株価は半減以下です。

    ただ、今回の大幅な株安進行は、上記3つの大波とは、根本的に異なっているように思います。
    上記①~③の大波は、それぞれ根深いネガティブな要因(地価高騰神話の崩壊、IT企業への過剰投資、サブプライムローンの破たん)が原因であり、これを調整しきれずに、その時代を代表する多くの企業がダメージを蒙りました(自業自得の面もありますが)。

    しかし、今回の場合は、そのような深刻なバブル崩壊の要因はほとんど見当たりません。

    今回の米国株安の原因は「米国のインフレ懸念を背景とする金利上昇への投資家の不安感」にあったと、多くののアナリストは分析しています。
    やはり、この半年は、米国投資家(日本も?)は楽観的過ぎたと思います。「ちょっと株価上がり過ぎだな…」と誰もが感じ始めた時に、金利上昇サイン(賃金の上昇、インフレの兆候など)がちらつき出したので、一斉に安全ポジションをとったように思います。

    とばっちりは日本のマーケットに波及しました。明日以降もまだまだ余波は残るとは思いますが、根深いネガティブ要素は見当たりませんし、日米とも企業のファンダメンタルに特段問題はありませんから、やがて回復基調に戻ってくれることを期待しています。

    ただし、昨今の機関投資家は、表面的な値動きに連動させたアルゴを盲信して売買する傾向にあり、経済の本質的な評価とはかけ離れた投資行動を選択してしまう場合もあり、そこはやや心配です。

    他のバイオに比して、今日のBP社の株価が下げたのは、信用買いが大きく膨らんでいたことが要因の一つだと思います。これは期待感の裏返しとも見ることも出来ます。

    BP社の目指しているものが着実に実現していけば、その先には多少の大波・荒天でもビクともしないユートピアが現われてくることを期待します。

    以上、私見です。

  • 直近の投稿について、ひとつ訂正です。
    ACOS→ASCO でした。失礼しました!

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    昨年1月27日に「GRN-1201非小細胞肺がん対応(免疫チャックポイント剤併用)米国第二相臨床試験開始」のIRはBP社から出されているのに、米国での治験登録(Clinical.Trial.gov)
    はなぜ今年の1月31日になったのか?
    それは、相手方(おそらくはメルク?)の事情によるものだと思われます。

    今年の1月16日に、メルク社は非扁平上皮非小細胞肺がんの初回治療として、キートルーダと化学療法併用の第三相治験主要評価項目(OS〈全生存期間〉、PFS〈無増悪生存期間〉)
    で化学療法に比して延長したと発表しています。

    おそらくは、メルク社は、キートルーダを軸として、パートナーとなる薬品を複数替えながら治験を計画・実施しているのだと思います(化学療法やアクセルの免疫療法など)。化学療法との併用にメドがついた1月16日発表以降に、GRN-1201との併用の情報オープンが可能になったのだと思います。GRN-1201の相手となる薬品(社名)は伏せておきたかったのではないでしょうか。Clinical.Trial.govの登録には、それぞれの固有名詞を記載する必要がありますから。

    今年のシカゴ(ACOS)は賑やかになりそうです。

    グッドニュースを待ちたいと思います。

    以上、私見です。

  • 健全なるホルダーの皆様へ

    本日の朝から話題になっているGRN-1201の米国の治験についてですが、ご指摘の英文資料に目を通し、以下の通りまとめてみました。

    まず、この資料は「Clinical Trial.gov」で、これは米国国立公衆衛生研究所(NH)と米国医療食品局(FDA)を通じて、現在行われている治験及び臨床研究に関する情報を提供しているデータベースで、運用は米国国立図書館が行っています。

    本題ですが、この資料は2018年1月31日に初めて登録されているホットな情報です。

    表題:「転移性肺非小細胞がんを対象としたペンブロリズマブと併用のGRN-1201」と書かれています。このペンブロリズマブとは商品名キートルーダのことです。
    予定開始時期:2018年3月
    主要評価項目:RECIST1.1(固形がんの治療効果判定のためのガイドライン)
    試験のフェーズ:フェーズⅡ
    試験のデザイン:オープンラベル
    目標症例数:90名
    治験完了予定日:2021年3月(ただし、主要評価項目は2020年3月)

    「GRN-1201の免疫チェックポイント剤併用第Ⅱ相臨床試験開始のIR」がBP社から出たのが2017年1月27日でした。その後、準備を整えていよいよ実質的な臨床試験がスタートするのでしょうか。

    拙い英語力で速攻で見ましたので、誤りがあればご指摘願います。
    詳しくは:http://clinicaltrial.gov/ct2/show/NCT03417882
    でご確認ください。

    「第Ⅱ相でまだまだ先だな~」と嘆くことなかれ。昨年、メルクは「キートルーダ+化学療法剤2剤併用」の承認をFDAから受けましたが、これは123人の小規模な臨床試験の第二相の結果によるものです。
    さらに、免疫系薬同士の併用は、副作用の観点からも期待ができるのではないかと思われます。

    グッドニュースを待ちたいと思います。

    以上、私見です。

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