<新興国eye>カンボジア、初のデジタル政府フォーラム開催

4/5 12:27 配信

ウエルスアドバイザー

 3月11日、カンボジア・プノンペンで第1回デジタル政府フォーラムが開催されました。郵政電気通信省が主催し、テーマは、「デジタル政策の実施による持続可能・包摂的な開発」でした。フォーラムには、フン・マネット首相をはじめ政府関係者、ASEAN加盟国、開発パートナー、民間セクターの代表者など、さまざまな関係者が多数参加しました。

 フォーラムでは、国内外の専門家による基調講演が行われ、主要な課題についての議論が行われました。また、展示会では、約120の政府機関、民間セクター等により、様々な新技術とデジタル製品が展示されました。

 開会式でフン・マネット首相は、「近年、カンボジアのデジタル化は大きな一歩を踏み出しており、デジタル技術の使用が促進されている」と述べ、「カンボジア政府は、国家デジタル開発目標の達成を目指し、積極的かつオープンな精神でデジタル政策を実施していく」と意欲を示しました。デジタル化は、国の経済成長を後押しするだけでなく、包摂的で信頼性が高く、安全な社会を構築すると同時に、国民のアイデンティティと文化を維持するのに役立つと指摘しました。

 様々なしがらみや規制で、新たな技術の導入が進まない日本と違って、カンボジア政府は、ITやフィンテック等の分野で新技術を積極的に導入しています。すでに、モバイルバンキングや電子支払、配車サービスやデリバリー等では、カンボジアは日本を凌駕していると言ってもよい状況となっています。開発途上国が、新たな技術を一気に導入して先進国に追いつき追い越していく「リープフロッグ(蛙飛び)」の好例と言えます。カンボジア政府の今後の積極的な政策立案・実施が期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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最終更新:4/5(金) 12:27

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