<新興国eye>カンボジア中央銀行総裁、日本フィンテックフェスティバルに参加

3/22 8:44 配信

ウエルスアドバイザー

 3月4日~8日をコアウィークとして、日本の金融庁は、日本のフィンテックの魅力を世界に発信し、フィンテックのさらなる発展に向けたビジネス機会を創出するため、「Japan Fintech Week 2024」を初開催しました。この中核イベントである日本フィンテックフェスティバル2024に、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)のチア・スレイ総裁が参加しました。

 3月4日、「Japan FinTech Festival 2024」のフォーラム「Shaping the Future of FinTech: A Policy Dialogue on AI」において、チア・スレイ総裁がゲストスピーカーとして登壇しました。このイベントには、各国の中央銀行関係者、著名な金融専門家、国際金融機関関係者等が参加しました。フォーラムでは、フィンテックとイノベーションを取り巻く様々な重要な問題について、専門家や政府関係者が議論しました。

 カンボジアのフィンテック開発の立役者であるNBCのチア・スレイ総裁は、中央銀行デジタル通貨であるバコンの実現、電子支払のための統一QRコード「KHQR」の導入等、素晴らしい業績を残しており、国際的な評価も高いものがあります。

 カンボジア政府は、フィンテック開発政策2023~2028年を2023年10月に発表しました。フィンテック開発政策の3本柱は、金融イノベーションの促進、金融安定性の維持、金融包摂の振興となっています。

 様々なしがらみや規制で、新たな技術の導入が進まない日本と違って、カンボジア政府は、ITやフィンテック等の分野で新技術を積極的に導入しています。すでに、モバイルバンキングや電子支払、配車サービスやデリバリー等では、日本を凌駕(りょうが)していると言ってもよい状況となっています。開発途上国が、新たな技術を一気に導入して先進国に追いつき追い越していく「リープフロッグ(カエル飛び)」の好例と言えます。NBCをはじめとしたカンボジア政府の今後の積極的な政策立案・実施が期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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最終更新:3/22(金) 8:44

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