明日の戦略-売り材料に乏しい中で大幅安、いよいよエヌビディアの決算を消化

5/22 17:02 配信

トレーダーズ・ウェブ

現在値
YEデジ683-2
中外薬4,812+31
豊田織14,705-95
東エレク34,210+580.00

 22日の日経平均は大幅続落。終値は329円安の38617円。米国株は上昇したものの、寄り付きから3桁の下落。開始直後にストンと水準を切り下げると、場中は下値模索が続いた。米エヌビディアの決算発表を前に半導体大手の東京エレクトロン<8035>が弱く、全体では買いづらさが強く意識された。前場では300円超下げた後にいったん盛り返したが、後場に入ると改めての売りに押され、14時近辺では38500円台に突入。戻りらしい戻りもなく、300円を超える下落で取引を終えた。地合いの悪い中、グロース250指数が年初来安値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8300億円。業種別ではプラスは証券・商品先物、保険、情報・通信の3業種のみ。一方、電気・ガス、不動産、海運などの下げが大きくなった。豊田自動織機<6201>と業務提携すると発表したYE DIGITAL<2354>が買いを集めてストップ高。半面、証券会社が目標株価を引き下げた中外製薬<4519>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり390/値下がり1214。米長期金利は低下して米国株は上昇しており、これらを追い風にできるソフトバンクGが大幅上昇。前日大きく下げたダイキンに見直し買いが入った。日経平均は大きく下げたが、野村HDや大和証券Gなど、証券株には買われるものが多かった。証券会社の目標株価引き上げを材料にニデックが年初来高値を更新。自己株取得を発表したゼビオHDが急騰した。

 一方、半導体関連の値動きが不安定で、東京エレクトロンや信越化学が大きめの下落。レーザーテックは買われる場面もあったが終盤にかけて値を崩した。国内の長期金利が一時1%を上回っており、三井不動産や三菱地所など不動産株が借り入れコストの負担増懸念から大きく売られた。同様の理由で北海道電力や中部電力など電力株も全般軟調。カバー、QPS研究所、ジーエヌアイなどグロース市場の主力銘柄が大きく売られた。米国事業に関するリリースを材料に千代田化工建設が急落した。

 日経平均は大幅安。特段の売り材料がない中で下に値幅が出た。半導体株が著しく弱かったわけではなく、大きく下げた理由ははっきりしない。エヌビディアの決算発表を前に買いを入れづらかったことは確かで、決算を見て動きが変わってくるかが注目される。発表は22日の引け後に予定されており、時間外の反応を東京市場が先に消化する。日本株はエヌビディアの決算を前に楽観的にはなっておらず、むしろ警戒売りに押されている。先に下げている分、弱材料には一定の耐性を示すと思われる。

 エヌビディアに関しては、3月8日につけた高値が974.00ドルで、5月21日の終値が953.86ドル。反応が上なら高値更新が濃厚で、1000ドル乗せを達成するようならグローバルで半導体株買いが盛り上がる公算が大きい。

 エヌビディアの決算が良かった場合でも、米国の長期金利には注意を払う必要がある。先週の米国では、4月消費者物価指数や小売売上高を消化して10年債利回りが4.4%台まで低下した。ただ、その後に複数のFRB高官から利下げに慎重な発言が出てきたことで、今週は米金利が一段と低下するような動きにはなっていない。本日、米国ではFOMC議事要旨(4/30~5/1開催分)が公表される。内容がタカ派的と受け止められて金利が上昇してしまうと、グロース株は買いづらくなる。金利が低下してエヌビディアの決算も良好というのが理想的だが、好悪材料が複雑に絡み合う可能性もあるだけに、落ち着いた行動を心がけたい。日経平均に関しては、節目の39000円を上回るようなら、買いに勢いがつきやすい。一方、25日線(38293円、22日時点)を割り込んでしまうとセンチメントの悪化が警戒される。

トレーダーズ・ウェブ

関連ニュース

最終更新:5/22(水) 17:02

トレーダーズ・ウェブ

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング