株式週間展望:日経平均、3万9000円台は上値重い

5/25 8:05 配信

ウエルスアドバイザー

現在値
ディスコ64,220-1,380.00
レーザテク36,280-420.00

日経平均予想レンジ:3万8000-3万9300円

 今週は米エヌビディアの期待を上回る好決算により、日経平均株価が23日に半導体株主導で再び3万9000円台を回復した。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始への期待が再び遠のく中で、日本株からの資金離れは速い印象だ。また、新興市場の低迷が一段と深刻さを増すなど、引き続き上値は重そうだ。

<エヌビディア好決算も…>

 生成AI(人工知能)への熱狂的な投資を映したエヌビディアの売上高は、2-4月に前年同期比3.7倍の260億ドルに急拡大し、5-7月もガイダンス中央値で280億ドルと快進撃が続く見通し。いずれも強気の市場予想をさらに上回る死角のない内容だった。

 直後の23日の東京市場では、ディスコ <6146> やレーザーテック <6920> といった半導体製造装置株が上場来高値を更新するなど、日経平均への寄与度が大きい値がさハイテク銘柄が相場をけん引。ただ、一時は指数の上げ幅がほぼなくなる場面もあるなど、不安定な一面をのぞかせた。

 同日の日本時間夜に出た米5月総合PMI(購買担当者指数)速報値は2年超ぶりの高水準に当たる54.4となり、市場予想(51.1)を大幅に上ブレした。前月(51.3)からも改善し、好調な経済の情勢がインフレ長期化懸念を増幅。典型的な「好材料は悪材料」のパターンで株安を招いた。

 日本株は米金融政策に対する流動的な市場心理だけではなく、需給的にも累積出来高の多い日経平均3万9000円前後の水準の戻り売り圧力が強い状態だ。また、投資家の弱気色を顕著に示している東証グロース市場250指数は、コロナ・ショック以来の安値(当時は東証マザーズ指数)に沈んでいる。

<日銀追加利上げの可能性は?>

 日本の長期金利が上昇基調を強めるなど、日銀の金融政策への警戒感も日増しに高まっているようだ。来週27日の日銀主催の国際コンファランスでは植田総裁があいさつし、内田副総裁による基調講演も予定されている。追加利上げをめぐり、マーケットが変動する可能性がある。

 一方、国内では31日の寄り付き前に5月東京都区部消費者物価が発表される。5月消費者物価の先行指標となるだけに、注目が怠れない。インフレが鈍化しなければ、6月13、14日の日銀金融政策決定会合へ向けて利上げ懸念につながりそうだ。

 米国では30日の1-3月期GDP(国内総生産)改定値に加え、週末31日の4月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表される。引き続き、経済の強さが利下げ期待後退を通じて株式市場の悪材料になる展開に注意したい。

 来週の日経平均の予想レンジは前週から上限を引き下げる一方で下限は維持し、3万8000-3万9300円とする。26-27日に日中韓の首脳会談がソウルで行われるほか、28-29日に米国債の入札も予定されている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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最終更新:5/25(土) 8:05

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