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投稿コメント一覧 (71コメント)

  • >>No. 1182

    はい、再掲してもらっても全然気にしないですよ。もう一つ OTS167 についてポジティブな論文が今月にはいって出ているので、また別途紹介しますね。

  • そういえば OTS167 について答えてなかったですね。結局今もって OTS167 ががん細胞を殺すメカニズムが不透明で、単純に MELK の阻害だけではないのは確かなようです。AURORA B じゃないかって話もありますが、一種類のキナーゼへの作用だけでなく、MELK, AURKB 等の複数のキナーゼに対する複雑な作用の結果もたらされている細胞毒性って説が有力かなと思ってます。なので、MELKの発現だけをターゲットにすると痛い目を見そうです。ただ、がん細胞にたいする細胞毒性はかなり優秀だと思います。結果を早く出すために白血病に手を出しましたが、個人的には乳がんの治験の結果に期待しています。

    ところで、最近スタンフォード大学が出した論文がとても面白いですよ(またスタンフォードですね。なんでだろう。スタンフォードは OTS167 にしろ OTS964 にしろ絡んできますね)。ものすごい意外な話なのですが、OTS167 が糖尿病に対する画期的な治療薬になるポテンシャルがあるって内容です。OTS167にはβ細胞を増殖させる作用があって、糖尿病はβ細胞の減少によってインスリンが分泌できなくなることが原因なので、β細胞を増やすことができれば相当有力な糖尿病の治療薬になります。全然抗がん剤とは関係ないのですが、これまでも、想定していたものと違う形で日の目た薬は多々ありますからね。

  • S-588210 は欧米に多い HLA-A*02:01 型に対応していて、S-588410 は日本人に多い HLA-A*24:02 型に対応で、対象としている5種類の抗原は同じだったはずです。S-488210 が URLC10, CDCA1, KOC1 で肺がんなどで高発現していることが多い抗原で、S-488211 は DEPDC1, MPHOSPH1 で膀胱がんで高発現しているタイプですね。

  • 昨年塩野義がUKで開始した S-588210 のことですよね?
    Phase 1 は単剤ですが、その後は免疫チェックポイント阻害剤との併用での展開を考えているとのことなので、ペプチドワクチン単剤での真っ向勝負ではないですね。

  • オンコのペプチドワクチンですが、5種類程度のオンコアンチゲン由来のカクテルワクチンは進行したがんの治療には力不足だと思っているので、固形がんに対する真っ向勝負の治験で成功する可能性はほぼないと踏んでます。ただし、食道がんの術後補助療法(外科手術後の無再発生存期間が Primary Target)はオンコのカクテルワクチンが効果を発揮できるかもしれないシナリオなので、成功する確率は高くないものの、膀胱がんや頭頸部がんの治験よりかはマシだと思います(膀胱がんと頭頸部がんの治験は 2 相の結果をもって中止で 3 相に進む可能性はかなり低いと勝手に思ってます。逆に塩野義が 3 相を始めたら相当驚きます)。
    あと、シンガポール大学が始めたオプジーボ・ヤーボイとペプチドワクチンの併用療法についてはそれなりに期待してます。この免疫チェックポイント阻害薬との併用は塩野義も考えているので15名の探索的研究の形で Phase 1 を実施しましたが、この後どこまで本気で進めようとしているのかは今の時点だと分からないですね。塩野義も治験を始めてくれたら面白いことになるんですけどね。

  • 今は希薄化の懸念よりも悪くないスキームで資金調達ができることの方がこの会社にとっては重要でしょう。相手も大和証券だし。これで当面の資金は目処が付いたので、あとは必死にがんばって結果を出してもらわないと。

  • オンコのホームページにも記載されていますが、167 は明確に MELK の阻害活性を有する化合物として説明されており、その前提として MELK ががんの増殖にかかわる重要なキナーゼであるとの大前提をもとに開発され、かつ現在の臨床試験も進められています。
    ttp://www.oncotherapy.co.jp/research-development/drug-discovery-research/melk-inhibitor/

    その大前提が覆された可能性が高いので、体面的にはたしかにオンコとしては恥ずかしい状況ではあるのですが、一方で先月のバーゼル大学の論文にもある通り、167 は MELK だけでなく Aurora B を抑制する効果作用もありそうなこと、また中村教授の研究室が去年発表した論文の通り FOXM1 の発現を抑制する働きもみられることから、抗がん作用を持つ化合物としての十分なポテンシャルを持っていることには変わらないと思っています。

    まだ今回の論文の評価は定まっていませんが、検証の内容を読む限り、論文が導いている結論(MELKはがんの増殖因子ではない)は反論が難しいと思います。FDA がこの状況をどう判断するのかはまったく読めませんが、OTS167 の抗がん作用自体は逆に今回の論文でも認められているので、臨床試験でポジティブな結果が出る可能性は益々高まっていると思います。とはいえ、OTS167 のバイオマーカーとして MELK を用いることには意味がないことになるので、ある程度の開発方針の変更は強いられると思います。

    #514 や 964 系で TOPK 阻害剤すよね

  • #どうも投稿が反映されないのは URL の記載が問題なのかな。。。

    OTS167が妙な形で話題になってますね。。。
    発端は↓こちらの衝撃的な論文です。
    ttps://elifesciences.org/content/6/e24179

    ざっくり要約すると、MELKはがん細胞の増殖に重要な役割を果たしていると言われてきており、実際に MELK をターゲットにした OTS167 が臨床試験に入っているが、CRISPRを使って MELK を完全に除去した場合であってもがん細胞は増殖することが確認できたので、MELK は抗がん剤のターゲットに成り得ないって内容です。

    この論文に派生していくつかのアーティクルが書かれていますが、よくまとまっているのは↓こちらですかね。
    ttp://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/48989/title/Rethinking-a-Cancer-Drug-Target/

    オンコセラピー社のコメントはそっけないものですが、まぁ、この時点ではこのコメントであってもやむを得ないとは思います。もっとオンコを叩いている記事なんかもあるので、こちらの記事のほうがまだ客観的な事実を書いている分、読む価値があると思います。

    最初の論文にも書かれていますが、1つ重要なことは OTS167 は MELK を取り除いたがん細胞に対しても、がん細胞の増殖を抑える(または殺す)効果を発揮している点です。なので、2つめのアーティクルでは今回の結果は OTS167 にとって bad news なわけではないとも書かれています。いわゆるオフターゲット効果ですが、実際にもう上市されている抗がん剤の中でもその作用秩序が分かっていないものもありますし、MELK の役割は複雑で今回の論文の結論だけで MELK がターゲットとしてまったく意味がないとは言い切れないのは確かだと思います。

    さて、経営陣と中村教授の見解を聞きたいものです。

  • ちなみに今回の研究はオンコセラピーと直接関係するわけじゃなくて、MELK 阻害剤の卵巣がんに対する効果を研究する目的でバーゼル大学が MedChem で OTSSP167 を購入して勝手に進めた研究ですね。なので、オンコセラピーからなにか関連するリリースが出る可能性はないと思いますが、逆に第三者の視点で評価したうえで、OTS167 を有効な選択肢となると評価しているので信頼性は高いと思います。さっきの要約ではすっとばしましたが、OTS167 は 薬剤耐性を持った HGSOC(高悪性度漿液性卵巣癌)に対しても効果を発揮すること、MELK だけでなく Aurora B や BUB1を阻害する効果を持っている可能性があり、MELK 非依存でアポトーシスを誘導する可能性があるなどなど、とても示唆に富んだ内容になっています。

  • 中々興味深い内容なのですが、超ざっくり要約すると MELK が発現・上昇に相関して卵巣がんは悪化する度合いが強いことが分かっており、OTS167 は MELK を阻害する低分子薬であり、今回の研究によりがん細胞のアポトーシス(死滅)を誘導することが証明され、難治性卵巣がん患者に対する選択肢となりかつ、生存率を改善する希望を提供するかもしれない。って感じです。

  • > 12月の決算修正するなら、IR出すべきだが、糞会社は知らんふり。
    そもそも OTS は業績予想を開示していないから修正も何もないでしょう。。。

  • 中村先生のブログを読みましたが、まだまだ本庶先生に対する恨みは消えてないんですね(笑)
    たしかにライフイノベーションのC判定は本庶先生の嫌がらせと思われても仕方がないほどの仕打ちでしたからね。
    あれからもう6年が経過して中村先生もシカゴ大学で実績を残しているものの、抗PD-1抗体で毎年ノーベル賞候補に挙げられる本庶先生とはだいぶ差がついてしまって寂しい限りです。

    中村先生にも世界を驚かす結果を出して欲しいと思っていますが、オンコアンチゲン由来のカクテルワクチンは適用範囲が限定的と予想されるので、MELK や TOPK 阻害剤がどこまで大化けするかですね。

  • > Sー588410の治験、来年で2年。
    > 投与予定94週だったはず。最初の治験者の投与も終了していないはず。
    食道がんは再発までの期間の多くが1年以内といった特徴があります。そのため、94週を待たなければ結論(差が)が見られないわけではないと思います。私は5種類程度のオンコアンチゲン由来のカクテルワクチンはがん治療にとって力不足だと常々考えていますが、この塩野義の食道がんに対する治験は手術後の無再発生存期間が Primary Target なので、カクテルワクチンの用法としては非常に現実的な選択だと思います。

  • >血液がん優先、上市を目指すとするのではゴロが合わないのでは?
    固形がんは 1相で、血液がんは 1/2 相ですよね。なので合わないわけではないと思います。
    https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02795520?term=OTS167&rank=2

  • 中間解析で無効中止にならなかったのは朗報ですね。失敗したすい臓がんの治験は Phase 3 の治験開始から1年半の段階で無効中止になりましたからね。今回もちょうど同じ治験開始から1年半近く経過した段階でマイルストーンを受領ってことは最低でも無効中止にはなっていないって意味では良いニュースではありますね。ただ、それが治験の成功を意味するわけではもちろんないです。

  • アルツハイマーは最も結果を出すのが難しい疾患の1つで、世界中の製薬会社が失敗の屍を積み重ねているので万に一つぐらいの期待で考えておいた方がよいですね。

  • オンコアンチゲン由来のワクチンだと1種は言わずもがな(実際失敗した)、5種程度でもがん細胞を抑え込むのは難しいのではと思います。もちろん人間の免疫系は複雑なので1種のペプチドワクチンで効いた人もいるので、5種で効果を発揮するケースもあると思いますが、今の治験デザインでは統計的有意差を出せるかどうかと考えると正直あまり期待していません。ただし、MELK と TOPK 阻害剤については相当に筋が良く期待できます。これらの分子標的薬が早く進展することを切に願っています。

    ペプチドワクチンが成功するに越したことはありませんが、すでにこの会社の大本命は MELK阻害薬(OTS167)とTOPK阻害薬(OTS514, OTS964)だと思ってます。来月から乳がんの登録も始まりそうですね。
    https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02926690

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