社会人1年目(新卒1年目)の平均貯金額は52万円

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ソニー生命保険株式会社の2025年の調査によると、新社会人1年目の平均貯金額は52万円程度という結果が出ています。
<貯金額別の割合>
- 0円:16.0%
- 10万円未満:19.8%
- 10万円以上20万円未満:9.2%
- 20万円以上30万円未満:7.4%
- 30万円以上40万円未満:3.8%
- 40万円以上50万円未満:1.6%
- 50万円以上100万円未満:16.2%
- 100万円以上:26.0%
社会人1年目で貯金100万円以上の人もいれば、同程度の割合で貯金が0円の人もいます。中央値は約27万円なので、社会人1年目(新卒1年目)の平均値は一部の貯金額が多い層によって引き上げられていることがわかるでしょう。
新卒の貯金額は、一人暮らしか実家暮らしかによっても大きく変わります。例えば、実家暮らしは家賃や食費などの出費を節約できるので、一人暮らしよりも貯金しやすいのが一般的です。収入や生活スタイルは人それぞれ異なるので、貯金の平均値や中央値はひとつの目安にしてみてください。
※参考:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2025」(外部サイト)
新卒は月いくら貯金すべき? 理想の毎月貯金額は手取りの2割

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社会人1年目の平均貯金額である52万円を1年間でためるには、月々約4万3,000円の貯金が必要です。
厚生労働省の調査によると、新卒の平均的な初任給は大学卒で26万2,300円。各種保険料などを差し引いた手取りは額面給料の約80%といわれており、計算すると約21万円です。4.3万円÷21万円=0.2となるため、新社会人が貯金額52万円を目指すなら手取りの2割程度を貯金するのが理想といえるでしょう。
平均初任給は、高校卒が20万7,300円、専門学校卒が23万700円、高専・短大卒が23万5,500円、大学院卒が29万9,000円と、同じ新卒であっても学歴によっても大きく異なります。それぞれの給料に合わせて家計を管理し、毎月の貯金額を確保することが大切です。
なお、社会人2年目からは住民税の徴収が始まります。住民税は前年の課税所得に基づいて計算されるため、基本的には1年目より手取りが減ってしまう点に注意しましょう。
※参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況|新規学卒者」(外部サイト)
新社会人の貯金額がなかなか増えないのはなぜ?
新社会人が1年でどれくらい貯金すべきかわかったものの、社会人1年目はなかなか思うように貯金ができない人もいるかもしれません。ここでは、社会人1年目の貯金が難しいといわれる理由を紹介します。
社会人1年目は新生活に必要な出費が増える

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社会人になるときは、仕事に必要な服装・書籍の購入、歓送迎会の参加費などがかさみ、貯金が増えにくい傾向があります。
ソニー生命保険株式会社の調査によると、新社会人がスーツや化粧品などの身だしなみに使った金額は平均4万4,078円です。また、資格取得やセミナーへの参加、書籍代などの自己投資にかかった金額は平均2万2,333円でした。
入社式や人事異動の時期は、歓送迎会などの交際費も増えがちです。社会人生活が始まるとさまざまな場面でお金がかかるため、どうしても貯金しにくい状況になることを理解しておきましょう。
※参考:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2025」(外部サイト)
社会人1年目の実家暮らしと一人暮らしでは、貯金のしやすさが変わる

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実家暮らしなのか、一人暮らしなのかによっても貯金のしやすさが変わります。就職にともない一人暮らしを始めるなら、家賃や光熱・水道費、通信費など固定費の支払いが必要です。家族に支払ってもらえる場合が多い実家暮らしと比べて、社会人1年目の一人暮らしは生活費などの支出が大きくなりやすいといえます。
総務省が2025年に行った調査によると、34歳以下で一人暮らしをしている人の平均消費支出額は1カ月あたり17万7,542円です。大学卒の社会人1年目の平均的な手取り額は約21万円なので、自由に使えるお金は約3万2,000円しかありません。
平均消費支出額のうち、固定費である住居費の平均額は3万5,060円、光熱・水道費は8,291円、通信費は6,400円、合計で約5万円です。暖房・冷房器具を頻繁に使用する時期は電気代が高くなるため、さらに負担が大きくなるでしょう。
実家暮らしの場合、自由に使えるお金と固定費相当分を合わせて約8万2,000円の余裕が生じ、年間で最大98万円程度の貯金が可能です。家に入れるお金を考慮しても、一般的に一人暮らしの生活費を下回るケースが多いので、その分貯金に回す金額を確保しやすいといえます。
※参考:総務省「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2025年」(外部サイト)
新社会人は収入が増えることでお金の管理が甘くなりやすい

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収入の増加にともない無駄遣いが増えることも、新社会人が貯金しにくい理由のひとつです。学生のときと比べて自由に使えるお金が多くなるため、同僚や友人との飲み会、買い物などで使いすぎてしまう傾向があります。
毎月の支出額をしっかり把握しないままでいると、貯金できるお金がほとんどなくなってしまうことも。友人との交流や趣味を楽しむことも大切ですが、必要以上に出費が増えてしまいがちな人は注意しましょう。
1カ月あたりに使う金額の上限を決めておくなど、使いすぎを防ぐ工夫が大切です。
新卒1年目はボーナスの平均額が少ない

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新卒1年目での貯金が難しい要因として、ボーナスの少なさも挙げられます。
会社にもよりますが、夏のボーナスの査定は前年度に行われるのが一般的です。社会人1年目は働いている期間が短いため、夏のボーナスが少ない、もしくは支給されないこともあります。
2025年に産労総合研究所が行った調査によると、夏のボーナスの平均支給額は大学卒で10万107円、高校卒で約7万9,983円でした。初任給の平均額と比べると半分に満たない金額であり、決して多いとはいえないでしょう。
とはいえ、そもそもボーナスは会社の業績や個人の能力などによって支給額が変動するものです。毎年必ず支給されるとは限らないので、ボーナスをあてにした貯金は避けるのが無難といえます。
※参考:産労総合研究所「2025年度 決定初任給調査」(外部サイト)
奨学金の返済が始まるため、新卒社会人は貯金しにくくなる

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卒業後に奨学金の返済がスタートすることも、新卒社会人の貯金額が増えにくい原因のひとつです。日本学生支援機構の奨学金を利用した場合、一般的に貸与終了の翌月から7カ月目に返済が始まります。
生活費に加えて毎月数万円の返済が上乗せされるため、社会人1年目には大きな負担になるでしょう。奨学金の返済がある人は、毎月の返済額を正確に把握しておくことが大切です。
社会人2〜3年目になれば貯金しやすい? 入社後の貯蓄事情
社会人2年目以降は住民税によって手取りが少なくなるため、1年目と同様に貯金が難しいといえます。以下では、社会人2年目以降の貯金事情や目標貯金額を見ていきましょう。
入社2年目以降は手取りが減るので貯金額が増えにくい

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社会人1年目だけでなく、社会人2〜3年目も実は貯金が難しいとされます。社会人2〜3年目でも貯金が難しい大きな理由は、住民税が引かれてしまうことです。
住民税とは、地域の公的なサービスの費用を分担するために、居住する市町村と都道府県に支払う税金のこと。前年の所得により支払額が決まり、社会人2年目以降は額面から住民税が天引きされる仕組みです。そのため1年目と2年目で同じ収入を稼いでも、住民税が引かれる分2年目のほうが手取りは低くなります。
多少給与が増えても住民税の金額によっては手取りが少なくなり、貯金にお金を回すのが難しいでしょう。auじぶん銀行の調査によると、社会人3年目で100万円以上の貯金がある人は45.6%であるのに対し、12.0%の人は貯金をしていないと回答しています。
社会人になってからコツコツとお金をためるためには、2年目以降に手取り額が減ることも考慮したうえで、中長期的な貯金計画を立てることが大切です。
※参考:auじぶん銀行「新社会人と社会人3年目のお金」(外部サイト)
新卒2年目の目標貯金額のハードルはかなり高め

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社会人2年目は貯金が難しくなる一方で、目標貯蓄額は高い傾向があります。2025年にソニー生命保険株式会社が行った調査によると、社会人2年生が考える30歳時点での目標貯蓄額は平均1,012万円でした。
新卒から30歳になるまでの期間を8年間とすると、目標を達成するには毎年126万5,000円、1カ月あたり約10万5,400円を貯金しなければいけません。社会人1年目の平均貯金額が約52万円、一人暮らしの20代の平均貯金額が91万円であることをふまえると、容易に届く金額ではないことがわかります。
30歳以降に住宅や自動車の購入、結婚などを考えている場合、さらにまとまった貯蓄が必要になる可能性もあるでしょう。将来どのくらいのお金がかかるかを念頭に置き、20代の頃から計画的に貯金を続けることが重要です。
※参考:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2025」(外部サイト)/J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年|単身世帯」(外部サイト)
計画的に貯金するには? 社会人1年目のお金のため方
社会人1年目から貯金をするには、しっかり計画を立てることが大切です。以下では、新卒で無理なく貯金するためのコツをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは貯金の目標額を決めよう

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社会人1年目から貯金を始める際は、目標額を決めておくことが大切です。1年でどのくらい貯金するかなどの具体的な目標額があれば、使えるお金と貯金に回すべきお金を逆算できます。
目標額が決まっていないと、毎月いくらためればいいかわからず、お金を使いすぎてしまうかもしれません。例えば、1年間で100万ためるなら月8万3,000円程度を貯金する、60万ためるなら月5万貯金するなど、貯金のゴールと達成に必要な金額を考えてみましょう。
1年にいくら貯金するかを考える際、目標金額が高すぎると挫折したり、貯金がストレスになったりする可能性もあるため、現実的な金額に設定することも大切です。日常生活に支障が生じない範囲で、無理のない貯金額を検討してみてください。
家計簿をつけて支出を把握し、無駄な出費を削減する

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計画的に貯金をするために、家計簿をつけて収支の管理をしっかりと行いましょう。家計簿で月々の収支を把握すれば、節約できる部分や貯金に回せる金額が明確になります。支出を減らして余剰資金を確保することが、貯金を成功させるポイントです。
家計簿のつけ方は手書きやExcel、スマホアプリなどさまざま。自分が使いやすいと思うものを活用すれば、継続しやすいでしょう。収支を把握できたら、無駄な出費がないかチェックしてみてください。
毎月の支出を削減するためには、固定費の見直しが効果的です。固定費とは、家賃や光熱費、保険料、通信費など定期的に支払いが発生する費用のこと。固定費を見直すと毎月の支出を削減できるので、余剰資金が増えて貯金に回せるお金を作りやすくなります。
例えば、格安スマホへの乗り換えや、契約している定額サービスの解約・プラン変更などは手軽に取り組めるでしょう。また、固定費のなかでも家賃は大きな割合を占めるので、今より家賃が安い場所に引っ越せば、毎月の支出を大きく減らせる可能性があります。
貯金用の口座で先取り貯金する

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貯金用の口座を作っておき、先取り貯金することも検討してみましょう。先取り貯金とは、給料日がきたらすぐに決まった額を貯金用口座に移す方法です。
給料から貯金に回すお金を先取りしておけば、使いすぎの防止につながります。貯金用と生活費用の口座を分けることで、貯金額をひと目で確認できる点もメリットです。
先取り貯金をする際は、自動積立サービスを活用しましょう。貯金用の口座へ毎月定額が自動で振替されるので、機械的に貯金を増やせるほか、口座を管理する手間もかかりません。
生活費の決済はクレジットカードがおすすめ

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生活費をクレジットカードで決済すると、貯金や家計管理がしやすくなります。クレジットカードは利用額に応じたポイント還元があるほか、会員サイトなどで簡単に利用明細をチェックできる点がメリットです。
ためたポイントで生活費の一部を補えば、貯金に回せる現金を多めに確保できます。スマホの家計簿アプリと連携できるクレジットカードなら、紙のレシートをとっておく必要もありません。
ただし、公共料金の支払いは付与率が下がったり、クレジットカードで現金を借入れするキャッシングは付与対象外であったりするため、ポイント還元の条件をよく確認しておきましょう。なお、ポイントにつられて必要以上にクレジットカードを利用しないように注意してください。
新卒で月の貯金額を増やしたいなら副業も検討して

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貯金に回せる余剰資金を作るには、支出を削減するだけではなく、収入を増やすことも選択肢のひとつです。不特定多数の人がインターネット上で仕事を受注できるクラウドソーシングを活用すれば、すぐにでも副業を探せます。
自宅でできる副業であれば、本業が終わったあとや休日などに取り組みやすいのでおすすめです。ライターや動画編集、プログラミングなど案件のジャンルもさまざまなので、自分に向いている仕事を見つけられるでしょう。
副業を始める際は、勤め先の就業規則で禁止されていないかをチェックしてください。また、副業で得た金額によっては確定申告が必要です。給与所得者の場合は副業の所得が20万円を超えたときに、個人事業主の場合は経費を差し引いた所得が95万円を超えたときに、確定申告が義務付けられます。
新入社員になったら貯金に役立つ制度・サービスも活用しよう

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銀行の積立定期預金や勤め先の社内預金制度などを活用することも、確実に貯金を作るために有効な手段といえます。
積立定期預金とは、普通預金から毎月決まった日に預金を積み立てる定期預金です。金融機関ごとに定められた最低入金額以上であれば自動的に預金ができ、金利に応じた利子を受取れます。元本保証されているため、貯金が減ってしまう心配もありません。
社内預金制度とは、給与から天引きしたお金を従業員の代わりに企業が貯蓄する仕組みのこと。利子が付与されるほか、引き出したいときにはいつでも引き出せる点がメリットです。
社内預金制度と似た制度に財形貯蓄があります。社内預金制度では会社が預金を運用しますが、財形貯蓄では会社を通じて金融機関に預金し、運用してもらう点が大きな違いです。金利の面では、0.5%以上の金利を義務付けられている社内預金制度のほうがメリットは大きいとされています。
※社内預金は企業の倒産時に返還されないリスクがあります。
新入社員はNISAやiDeCoで貯金額を増やすのも手

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NISAやiDeCoを活用した積立投資も、社会人1年目から貯金を増やす方法のひとつです。積立投資では、投資信託などの金融商品を定期的に一定額で購入するため、一時的な価格変動による損失のリスクを抑えられます。少額から始められるので投資初心者にもぴったりです。
NISAとは、運用益が無期限で非課税になる制度のこと。長期・分散・積立に適した商品が対象のつみたて投資枠なら年間120万円まで、上場株式や投資信託などが対象の成長投資枠なら年間240万円を上限に投資ができます。
つみたて投資枠と成長投資枠を合わせた非課税保有限度額は1,800万円まで、うち成長投資枠は1,200万円までです。つみたて投資枠の場合、ラインアップされている商品は金融庁が厳選した投資信託ばかりなので、投資の知識が少なくても安心して購入できるでしょう。
iDeCoは、老後のための資産形成を目的とした私的年金制度です。運用益が非課税、かつ掛金がすべて所得控除の対象なので、節税効果はNISAよりも高いといえます。一方で、掛金と運用益は原則60歳まで受取れず、加入期間によっては受給年齢が後ろ倒しになる点には注意が必要です。
社会人1年目から資産形成したい人は証券会社ランキングをチェック
新卒は月何万貯金すべきかを把握し、社会人1年目から資産を積み立てたいと考えている人は、ランキングから自分に合う証券会社を探してみましょう。
以下のページでは、NISAやiDeCoに対応している証券会社などを比較し、選び方のポイントも詳しく紹介しています。特徴ごとに絞り込む機能もあるので、比較検討する際に参考にしてください。
