EUが米メタを調査へ-ワッツアップのAI導入で競争法違反の可能性

12/4 14:13 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、米メタ・プラットフォームズに対し、競争法(独占禁止法)違反の可能性があるとして、今週中にも本格的な調査を始める。事情に詳しい関係者が明らかにした。メッセージングサービス「ワッツアップ」への人工知能(AI)機能が、市場の競争を阻害している可能性があるという。

欧州委員会は、調査開始の準備を進めており、ワッツアップへの「メタAI」システム導入に伴う影響を調べる。

イタリア規制当局は先月、メタのワッツアップでのAIツール利用を巡り、チャットボットサービスにおける市場の支配的地位乱用の疑いがあるとして、調査範囲を拡大した。

メタ広報は「根拠のない主張を強く否定する」と述べた。ワッツアップのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)は「AIチャットボット用に設計されたものではなく、そのような用途はシステムに深刻な負荷をかける」と説明した。欧州委員会はコメントを控えた。

英紙フィナンシャル・タイムズが先にこの調査について報じた。関係者によると、調査は近く行われる予定だが、遅れる可能性もあるという。

EUは近年、大手テック企業への圧力を強めている。少数の企業がデジタル分野で巨大な権力を振るう中、市場の潜在的な乱用を抑制するためだ。標準的な独占禁止法に加え、「デジタル市場法」(DMA)を制定し、テック市場の主要プレーヤーに対する行動規範を定めた。

メタは4月、DMAに違反したとしてメタに2億ユーロ(約362億円)の制裁金を科された。2024年11月にも、個人間の物品売買広告であるクラシファイド広告事業「フェイスブック・マーケットプレイス」をフェイスブックにひも付けたことが、支配的立場の乱用にあたるとして、7億9800万ユーロの制裁金支払いを命じられた。

トランプ米大統領は、EUのテック規制が米国企業を妨害しているとして、以前から強く非難してきた。今年8月には、米国のテック企業に打撃となる他国のデジタルサービス税への報復措置として、先端技術や半導体に新たな関税や輸出規制を課すと警告した。

原題:EU Plans New Probe on Meta Over WhatsApp AI Features: FT、Meta Faces EU Antitrust Probe Over WhatsApp’s AI Tools (2)(抜粋)

(c)2025 Bloomberg L.P.

Zoe Ma

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最終更新:12/4(木) 19:00

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