株式週間展望=強弱混在もマインド改善へ

4/26 17:25 配信

ウエルスアドバイザー

現在値
ニデック7,254-165
航空電子2,470-32
ファナック4,677+18

日経平均予想レンジ:3万7000-3万9000円

 強気と弱気が混在する株式市場では今週、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが一段と遠のいた一方で、日銀は緩和的なスタンスを継続。セクターでは半導体株が下げ止まり、米国では巨大IT企業の好決算も示されるなど、マインドは改善しつつある。

<日銀現状維持で円安・株高>

 足元の日本株相場は日経平均株価の値動きが荒く、投資家の気迷いが反映されている。米利下げ期待の後退への悲観が根強く、上値では売りが膨らみやすい。26日の日本時間夜には、米3月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表される。これに先んじて25日に出た1-3月期GDP(国内総生産)のPCEは市場予想以上に伸長した。

 ただ、GDPそのものは成長率が鈍化していることからも、一部で警戒されているようなFRBが追加利上げに踏み切るリスクは小さいとみられる。利下げ転換の想定時期がどんどん後ずれしているとはいえ、いつかは金融政策が緩和方向に進むという大前提は揺らいでいない。

 一方、日本の金融当局のかじ取りも今週は不安材料になっていた。円安が止まらない状況を背景に、日銀が26日までの金融政策決定会合で利上げを実施するかもしれないという考えがマーケットでくすぶった。

 しかし、ふたを開けてみれば会合は全員一致の現状維持だった。これを受け、同日後場の日経平均は一時前日比で469円高まで上昇(終値は306円高の3万7934円)。ドル・円は約34年ぶりに1ドル=156円台に乗せている。

 また日銀は、この日公表した展望レポートで、2026年度の物価見通し(中央値)を1.9%とした。2%に達するともみられていたこともあり、市場は緩和的な金融環境を維持するメッセージととらえられた。

<バフェット氏発言に注目>

 米国では25日に、グーグルの持株会社アルファベットとマイクロソフトがそろって良好な1-3月決算を発表した。また、ASMLホールディング(オランダ)や台湾TSMCの決算が悪材料視された半導体業界も、その後は米テキサス・インスツルメンツが市場予想以上の4-6月売上見通しを打ち出すなど、業況の強さが改めて示された。

 国内では3月期企業の本決算の発表が本格化し始めた。ニデック <6594> や日本航空電子工業 <6807> など、世界経済に敏感な電子部品の株価反応がおおむね良好な点は安心感をもたらす。一方、事業環境が比較的堅調だった自動車部品の一角は、決算後に売りに見舞われている。このことから、投資家の目線は苦戦の続いた民生電子機器や中国市場の回復期待に向かいつつあることが分かる。

 来週はゴールデンウイーク(GW)の大型連休の関係で日本は3営業日(4月30日-5月2日)の変則日程。GW中の5月3-4日には、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの年次株主ミーティングが行われる。同社は直近、日本で2600億円規模の起債を行ったといい、“投資の神様”が改めて日本株への強気姿勢を示すかもしれない。

 このほか、中国で30日に4月製造業PMI(非製造業PMIも)が発表される。3月は6カ月ぶりに景況判断の50を上回っただけに、回復の継続性が焦点となる。なお、中国を主戦場とするファナック <6954> は、今25年3月期が減益見通しながらも株価が切り返しつつある。

 米国では30日、5月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、1日に4月ISM製造業景況指数が控える。決算は30日のアマゾン・ドット・コムや1日のクアルコム、2日のアップルなどに注目したい。日経平均の予想レンジは3万7000-3万9000円とする。

提供:ウエルスアドバイザー社

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最終更新:4/26(金) 17:25

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