フィフス・サードがコメリカ買収、約109億ドル-米銀で今年最大

10/6 21:57 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米銀フィフス・サード・バンコープは、コメリカを株式交換方式により約109億ドル(約1兆6300億円)で買収することで同社と合意した。米銀行業界では今年最大規模の案件となる。

両行の6日発表によると、この買収により総資産額およそ2880億ドルという全米9位の銀行が誕生する。取引における1株当たりの価値は、コメリカ株の3日の終値を17%上回る。

全米の地方銀行は、トランプ大統領の下で進む金融規制緩和の環境を追い風と捉えている。多くの投資銀行関係者は、政権が合併承認に対しより寛容な姿勢を取ると予想。米国の中小銀行は、IT投資や規制対応によるコスト増に対応するため、規模拡大を目指している。

オハイオ州シンシナティを本拠とするフィフス・サードは、中西部で広範な事業基盤を持つことで知られるが、ここ数年は南東部への拡大を模索しており、テキサス州ダラスを本拠とするコメリカの買収はその一助となり得る。アトランタ、ナシュビル、ヒューストン、ダラス、シャーロットといった主要な大都市圏は爆発的な成長を見せており、南東部の人口は2010年以降、年平均約1%のペースで増加。全米で最も速いペースでの伸びとなっている。

フィフス・サードのティム・スペンス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、コメリカが中堅企業向け商業銀行業務に注力している点が魅力だったと説明。収入への貢献度を高めるべく、同分野を拡充させる考えだ。

スペンス氏は、「フィフス・サードのリテール事業の強みと新規展開戦略を生かし、コメリカの地盤であるテキサス市場で存在感を高めることが可能になる。またコメリカが持つ中堅企業向けの卓越した専門知識と信用文化を、フィフス・サードの広範なプラットフォーム全体で活用できるだろう」と語った。

コメリカの株主は保有株1株につきフィフス・サード株1.8663株を受け取る。3日の終値ベースで1株当たり約82.88ドルに相当する。買収完了後は、フィフス・サード株主が統合後企業の約73%を保有することになる。

原題:Fifth Third to Buy Comerica in the Year’s Biggest US Bank Deal(抜粋)

--取材協力:Jennifer Surane.

(c)2025 Bloomberg L.P.

Yizhu Wang, Steve Dickson

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最終更新:10/6(月) 23:19

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