明日の戦略-毎週着実に上値を切り上げる、来週はエヌビディア決算に注目

5/17 16:53 配信

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住石HLD1,335-5
大同信号487+14

 17日の日経平均は4日ぶり反落。終値は132円安の38787円。16日の米国では、ダウ平均が一時4万ドルを上回ったものの、失速して3指数がそろって下落。米国株の引け味が悪かったことや前日大幅高の反動などから、300円超下げて始まった。節目の38500円は割り込むことなく、安く始まった後の下値は限られた。10時辺りからは戻り基調に入り、後場のスタート直後には下げ幅を2桁に縮めた。ただ、そこからは売り直されて下げ幅を200円超に広げた後、引けにかけては強めに戻すなど、マイナス圏で方向感が定まらなかった。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXは前場のうちにプラス圏に浮上すると、後場は堅調に推移した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆0200億円。決算発表がほぼ一巡したことで、商いは低水準となった。業種別では銀行、電気・ガス、輸送用機器などが上昇した一方、精密機器、その他製品、化学などが下落した。麻生との資本業務提携などを材料に前日ストップ高となった住石ホールディングス<1514>が連日のストップ高。全市場の売買代金ランキングでトップ10入りするなど人気化した。半面、大同信号<6743>は自己株取得の発表や前期の利益上振れを受けて高く始まったものの、今期の営業減益計画を嫌気した売りに押されて失速し、6%を超える下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり999/値下がり592。日米の長期金利上昇を受けて前日売られた銀行株に見直し買いが入り、三菱UFJや三井住友が大幅高。三菱UFJが全市場売買代金ランキングで2位、三井住友が3位と商いも活況となった。為替が円安に振れたことを好感してトヨタやホンダなど自動車株が上昇。北海道電力や九州電力など電力株が軒並み高となった。光世証券や水戸証券など証券株も全般強く、新サービスの導入発表が刺激材料となった岡三証券Gが大幅高となった。

 一方、米長期金利の上昇が嫌気されて、東京エレクトロンやソシオネクストなど半導体株の一角が下落。主力どころではNTTや任天堂が強めに売られた。足元で振れ幅が大きくなっていた三井松島は、強く買われる場面もあったが4%を超える下落。イクヨが決算を材料に大幅安となり、今期減益計画のヨシタケが一時ストップ安となるなど急落した。

 日経平均は4日ぶりに反落したが、ローソク足では陽線を形成した。米国株が小幅安で終えた割にはスタートが弱く、米国の長期金利も上昇したのだから、前日の上げ分(534円)の大半を削っても不思議はなかった。強い米国に背中を押されて、日本株のセンチメントも改善しつつある。今週の高値は38949円。週の高値は1週前が38863円、2週前が38608円、3週前が38460円と着実に切り上がっている。来週は39000円台回復が期待される。13週線が39033円(17日時点)と39000円近辺に位置しており、同水準を明確に上回ってくればテクニカルの好転が株価を押し上げる展開が期待できる。


【来週の見通し】
 堅調か。国内は週前半に保険大手の決算を消化するが、基本的には材料難。海外では22日にエヌビディアが決算を発表予定で、これが大きな注目を集める。米国では今週、複数の注目指標を確認して10年債利回りが低下した。また、これを受けて主要3指数が史上最高値を更新し、ダウ平均は一時4万ドルを上回った。米国の金利上昇に対する警戒が大きく後退する中、エヌビディアの決算反応が良ければ、グローバルでリスクオンの様相が強まる可能性がある。反応が悪かった場合でも、ネガティブな影響は半導体株に限られるだろう。米国株の強い基調が続き、日本株もその恩恵を受けると予想する。


【今週を振り返る】
 堅調となった。米国では注目度の高い経済指標の発表が多かったが、4月の生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、小売売上高を受けて、10年債利回りが大きく低下。金融引き締め長期化に対する警戒が大きく後退した。米3指数は15日に3指数がそろって史上最高値を更新し、ダウ平均は16日に4万ドルの大台乗せを達成した。日経平均も米国からの好材料を消化しながら水準を切り上げた。場中に値を消す日が多く、取引時間中の動きはさえなかった。それでも、16日には500円超上昇するなど基調は強く、週間でもプラスで終えた。日経平均は週間では約558円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、3月第3次産業活動指数、10年物価連動国債入札(5/20)、4月首都圏マンション発売(5/21)、3月機械受注、4月貿易統計、40年国債入札(5/22)、4月消費者物価指数(CPI)(5/24)などがある。

 企業決算では、東京海上、SOMPOHD、MS&AD(5/20)、タカショー(5/24)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米4月中古住宅販売件数、4/30~5/1開催のFOMC議事要旨、米20年国債入札(5/22)、G7財務大臣・中央銀行総裁会議(~5/25 イタリア・ストレーザ)、米4月新築住宅販売件数(5/23)、米4月耐久財受注(5/24)などがある。

 米企業決算では、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(5/20)、オートゾーン、ロウズ・カンパニーズ(5/21)、エヌビディア、ターゲット、アナログ・デバイセズ(5/22)、メドトロニック(5/23)などが発表を予定している。

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最終更新:5/17(金) 16:53

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