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ADワークスグループ Research Memo(5):収益不動産63億円を流動資産から有形固定資産に振り替え

3/11 15:05 配信

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 ■業績動向

3. 財務状況と経営指標
ADワークスグループ<2982>の2023年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比5,495百万円増加の58,854百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が2,385百万円増加した一方で、販売用及び仕掛販売用不動産が3,074百万円減少した。固定資産では、有形固定資産が6,401百万円増加したほか、のれんを327百万円※計上した。有形固定資産の増加分のうち約63億円は、賃料収入目的の収益不動産物件を流動資産から期末に振り替えたものとなる。固定資産として計上したほうが金融機関からの融資も受けやすくなり、財務戦略上の判断による。有形固定資産として計上することで減価償却費も発生するが、同社では100億円程度まで有形固定資産として計上する意向のようだ。

※複数の医療モールに関するマスターリース・サブリース事業を取得したことによる。


負債合計は同4,186百万円増加の41,688百万円となった。不動産物件取得のため、借入金や社債など有利子負債が2,295百万円増加したほか、クラウドファンディング等預り金が1,194百万円、未払法人税等が601百万円それぞれ増加した。クラウドファンディングは不動産物件取得のための資金調達手段として活用しており、期末残高は2,257百万円となっている。今後も資金調達手段の一つとしてクラウドファンディングを活用していく方針だが、預り金としては20億円程度を今後も目安にしている。純資産合計は利益剰余金の増加等により同1,308百万円増加の17,166百万円となった。

経営指標を見ると、自己資本比率が前期末の29.6%から29.1%に、有利子負債比率が同206.0%から203.5%となり、財務内容については大きな変化が見られなかった。一方で、収益性についてはROICで同2.2%から4.0%、ROEで同3.4%から8.6%、EBITDAマージンで同5.4%から6.7%といずれも上昇傾向が続いた。同社は2021年12月期からスタートした第1次中期経営計画において、借入金等を活用しながら収益不動産の仕入れを積極的に進め、結果として収益の拡大とROE向上、並びにWACCを上回るROICの達成を目指してきた。2023年12月期はWACC(3.1%)を上回るROICを達成したことで、同社の戦略が順調に進んだ結果と評価される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HH》

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最終更新:3/11(月) 15:50

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