| 現在値 | ||
|---|---|---|
| eXモショ | 761 | -4 |
<SDx時代の生成AI活用で事業モデルの転換を加速>
エクスモーション <4394> は組み込みソフトウエア領域で培ってきた品質支援の知見と生成AI(人工知能)を掛け合わせて、要件定義工程を劇的に効率化するサービス「CoBrain(コブレイン)」の進化に取り組む。2025年8月には新機能となる要件書自動生成エージェント「Studio(スタジオ)」を追加し、要件定義の生産性を大幅に高める取り組みを進めた。
同社は、これまで人のスキルに依存しがちだった要件定義工程に対し、AIを活用して文書作成・レビューを高度に自動化することで、エンジニアの負担軽減と開発プロセスの品質向上を同時に実現してきた。「CoBrain」への市場の関心は高く、今25年11月期は初年度目標を大幅に上回るペースで成長している。
同社の三上宏也執行役員は「『CoBrain』への問い合わせは多く、既にリード総数は245社を超え、受注高は予算策定時の売上目標2000万円を上回った」と話す。
要件定義とは、プロジェクト初期の工程の1つで、ユーザーの要求をいかに実現するか、これから開発するシステムの機能や制約を明確に定義する作業をいう。要件定義はプロジェクトの成功に不可欠だが、要件定義書の作成やレビューには多大な時間と労力が必要とされる。こうした状況に対し、「CoBrain」は生成AIを活用し、要件定義における文書作成者とレビュアーのための添削を実施することで、エンジニアの負担を軽減する。
<新機能「Studio」を正式リリースへ、要件書作成時間を最大97%削減>
「CoBrain」は8月に新機能「Studio」のベータ版の提供を開始し、11月に正式にリリースする。「Studio」は要求分析の支援に加えて、要件書をAIが自動生成する機能も備える。同社の検証では、要件書作成時間を最大97%短縮できるとの結果が出ており、今後、要件定義の作業負荷を根本から変える可能性を秘めている。11月19日-21日にパシフィコ横浜(神奈川県)で開催される日本最大級の組み込み・エッジ技術総合展示会「EdgeTech+2025」では、「Studio」の正式版が披露される予定だ。さらに、実践型ナレッジ提供サービス「Eureka Box(ユーリカボックス)」も併せて展示され、同社の“クラウド・AI時代の新しいソフトウエア開発支援モデル”を体系的にアピールする場となる。
<19・20日に渡辺社長が登壇、SDx時代の産業変革の方向性を提示>
また、「EdgeTech+2025」では同社の渡辺博之社長が19日、20日と2日間にわたり、基調講演・セッションに登壇し、AIとソフトウエアが主導する産業変革について語る。19日には基調講演「ソフトウエアとAIが駆動する製造業の未来戦略-組み込みソフトウエア業界への提言-」を行う。SDx(Software Defined Everything)が加速する中、「なぜ生成AIが組み込みソフトウエア業界の構造を変えるのか」「人月モデル依存の開発スタイルから脱却するための道筋」など、業界の未来像と必要な変革を示す内容となる。
さらに、20日にはセッション「SDV(Software Defined Vehicle)の本格化と求められる人材とは?」において、大手自動車メーカーなどとともに、SDV時代の開発人材・技術要件を議論する。渡辺社長はJASA(組み込みシステム技術協会)の副会長も務めており、“業界の変革を先導する立場”としての発信に注目が集まる。
SDx×生成AIで事業モデルを転換、人月ビジネスからの脱却と高収益モデルの確立へ
同社は従来、人がクライアントを直接支援する「人月モデル」を主軸としていたが、近年はクラウドや生成AIを活用したサービス提供へ大きく舵を切っている。注力するサービスは要件定義支援AI「CoBrain」、実践ナレッジ提供「Eureka Box」などで、これらはすべて同社が長年蓄積してきたコンサルティング知見を“ナレッジ化し、AIとクラウドで提供する”ための基盤となるものだ。
渡辺社長は「生成AIの進化は人月ビジネス依存の開発モデルを根本から変える。これは脅威ではなく、業界全体が生産性を高める大きなチャンスだ。当社はこの変革をリードし、持続的に高収益を生むビジネスモデルを確立する」と語っている。同社は26年11月期からこの新モデルを本格展開し、30年までに高収益のサブスクリプション型モデルを確立する方針だ。
提供:ウエルスアドバイザー社
ウエルスアドバイザー
最終更新:11/17(月) 9:32