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iDeCo2月の新規加入者4.6万人で13カ月ぶりに前年同期比増、第2号加入者は2018年以来の伸び

4/1 17:57 配信

ウエルスアドバイザー

 国民年金基金連合会が4月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年2月の新規加入者数は4万6119人で加入者総数は324万7517人になった。2月の新規加入者数は前年同月比で11.7%増となった。新規加入者数は、2023年2月から12カ月連続で前年同月比割れになり、13カ月ぶりに前年同月比を上回った。第2号加入者の新規加入者数は3万7365人となり、2月の加入者数としては2017年2月の4万3694人以来、7年ぶりの3万7000人超えになった。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は7284事業所、対象従業員数は4万6269人になった。
 

 1月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は6218人(前月5600人)、第2号加入者は3万7365人(前月3万1627人)、第3号加入者は2224人(前月1972人)となった。第2号加入者の中で、企業年金なしの新規加入者が2万1052人(前月1万8121人)。「企業年金あり」が8723人(前月7177人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は6329人(前月5686人)となった。
 

 12カ月連続で前年同月比割れだったiDeCoの新規加入者数が、13カ月ぶりに前年同月比プラスに転じた。2024年1月から新NISAが始まり、国を挙げて「資産運用立国」に向けた取り組みが強化されている。4月には、国民の金融リテラシーを高めるための司令塔として期待される「金融経済教育推進機構」が設立され、今夏からの本格稼働が予定されている。国民の共通認識としての資産運用の必要性への理解を深め、新NISAやiDeCoなどの税制優遇口座を、それぞれの制度特性を活かして日々の生活に取り込んでいけるかどうかが、これからの課題になる。
 

 先日、厚生労働省が実施した私的年金についての世論調査において、「老後に向け準備したい、または、準備した公的年金以外の資産」について聞いた問いに対する答えは、「預貯金」が7割程度、次いで、「退職金や企業年金」が3割程度だった。そして、「NISA」は2割程度、「iDeCo」は8.9%という回答率になっていた。老後の資金を用意する手段として「NISA」を活用することも1つの方法であるが、「NISA」はいつでも解約ができる制度であり、「住宅購入の頭金」、「子どもの大学進学費用」など比較的まとまった資金が必要な人生のイベントで使う資金を増やすための口座としての性格も併せ持っている。この点、「iDeCo」は老後のための資金づくりだけのために用意された制度であり、60歳になるまで資金が引き出せなくなっている。「老後のために準備したい資産」をつくる手段としては、「NISA」よりも先に「iDeCo」がイメージされるようなくらいには、「iDeCo」の認知度が高まることが望ましい。
 

 実際問題として、「子育て支援策」については、こども家庭庁が2023年4月に発足するなど、少子化対策として様々な角度から対応策が充実してきているが、老後を支える「年金」については、2024年度の支給額は2.7%引き上げられるものの、過去3年間の名目賃金上昇率3.1%に対して「マクロスライド調整率」がマイナス0.4%適用され、実質的には目減りする減額修正になっている。高齢社会で、年金受給者が増え続ける中で、現役世代の負担をこれ以上増やさないための工夫や改定に主眼が置かれているようだ。制度を維持・存続させることが大前提となれば、制度の支え手である現役世代の理解を優先することはもっともといえるが、年金を受け取る側に回ると、「生活の糧」と頼みにしている年金の支給額が減るのは心細い限りだろう。仕事を引退して後に老後資金の心配をしなくて済むように、現役世代の間に、iDeCoやNISAといった制度を活用して十分な備えを行う必要がある。復調し始めたiDecoの新規加入が、一段と拡大していくかどうか、注目していきたい。
 

ウエルスアドバイザー

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最終更新:4/1(月) 17:57

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