明日の戦略-大幅高の翌日は大幅安、来週は米国にらみで不安定な展開か

5/24 16:52 配信

トレーダーズ・ウェブ

現在値
日ヒュム1,211+89
ソシオネク4,167+53

 24日の日経平均は大幅反落。終値は457円安の38646円。インフレ長期化懸念が再燃してダウ平均が今年最大の下げ幅を記録したことを嫌気して、大幅安スタート。前日に強く買われた半導体株が反動で大きく売り込まれ、開始直後には下げ幅を700円超に広げた。38300円台まで水準を切り下げたところで切り返し、いったん38700円台まで戻した。ただ、動きが良くなってくると改めての売りも出てきた。後場に入ると14時辺りまではじわじわと下げ幅を縮めた。しかし、前場同様に38700円より上は重く、終盤にかけては失速した。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8600億円。業種別では海運、医薬品、電気・ガスなどが上昇した一方、証券・商品先物、鉱業、不動産などが下落した。自己株取得を発表した日本ヒューム<5262>が後場急伸。反面、半導体株が軒並み安となる中、ソシオネクスト<6526>が6.2%安と大きな下げとなった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり599/値下がり1003。軟調な地合いでディフェンシブ業種に資金が向かい、北海道電力や北陸電力など電力株の一角が大幅高。証券会社のリポートを材料に資生堂が買いを集めた。日立が2%を超える上昇となり、上場来高値を更新。1:3の分割を発表した王将フードサービスは、分割後の優待内容も評価されて7%を超える上昇。こちらも上場来高値を更新した。

 一方、東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなど半導体株が大幅安。米国で金利上昇を受けて不動産株が売られたことから、東京建物や東急不動産など国内不動産株が軒並み安となった。上期の見通し引き下げが嫌気されたグッドコムアセットが14.3%安、中期経営計画の内容が失望を誘った富士電機が11.2%安と、ネガティブな材料のあった銘柄がたたき売られた。

 日経平均は大幅反落。米国でエヌビディアの好決算というポジティブなニュースを消化した日に、ダウ平均が今年最大の下げ幅を記録したというのは気がかりだ。エヌビディアはしっかり上昇して1000ドルの大台も突破してきたが、ナスダックはダウ平均の弱さに連れ安して下落で終えた。日本のようにエヌビディアに振り回されすぎるのも困りものだが、23日の米国株は冷めすぎていた。米3指数はいずれも今月高値を更新しているが、今回の下げを受けても強い基調が続くかどうか。来週どう動くかが大きく注目される。


【来週の見通し】
 一進一退か。週明け27日は米国や英国が休場で、週前半は手がけづらさが意識される。月末で米国では経済指標の発表がいくつかあるが、足元では早期利下げに対する期待が後退しかけており、23日にはダウ平均が今年最大の下げ幅を記録した。出てくる指標に対しては、米国株や米長期金利が神経質な反応を示すと思われる。金曜31日にも注目度の高い4月個人所得・個人支出の発表があり、週末まで期待と不安が入り交じる公算が大きい。米国動向に一喜一憂し、週を通して方向感が定まらないと予想する。


【今週を振り返る】
 軟調となった。前週末にダウ平均が終値で4万ドルを上回ったことを好感して、週明け20日の日経平均は大幅上昇。終値で39000円を上回った。21日、22日はエヌビディアの決算発表を前に目先の利益確定やリスク回避の売りが優勢となり、連日で3桁の下落となった。注目された米エヌビディアの決算は、市場予想を上回る強い内容。これを確認した23日には、半導体株が軒並み高となって大きく上昇。再び39000円台を回復した。しかし、23日の米国では複数の経済指標を確認して長期金利が上昇し、早期利下げ期待の後退からダウ平均が今年最大の下げ幅を記録。これを受けた24日は、前日の上昇の立役者であった半導体株が売り込まれて大幅安となり、週間でも下落した。日経平均は週間では約141円の下落となり、週足では陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、日銀金融研究所主催の国際コンファランス(~5/28)(5/27)、4月企業向けサービス価格指数(5/28)、5月消費動向調査(5/29)、2年国債入札(5/30)、4月失業率、4月有効求人倍率、5月都区部消費者物価指数、4月鉱工業生産、4月商業動態統計(5/31)などがある。

 企業決算では、DyDo、サンテック、プラネット(5/27)、東和フード(5/30)、トリケミカル、ACCESS、ナトコ、大和コン、ダイサン、はてな(5/31)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、独5月Ifo景況感指数(5/27)、米3月FHFA住宅価格指数、米3月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数、米2年国債入札、米5年国債入札(5/28)、ベージュブック、米7年国債入札(5/29)、米1-3月期GDP改定値、米4月NAR仮契約住宅販売指数(5/30)、中国5月製造業購買担当景気指数(PMI)、米4月個人所得、米4月個人支出(5/31)などがある。

 米企業決算では、セールスフォース、HP(5/29)、ダラー・ゼネラル、ベストバイ、コストコ・ホールセール、ネットアップ、クーパー、アルタ・ビューティー、ホーメル・フーズ(5/30)などが発表を予定している。

 なお、5/27は米国がメモリアルデー、英国がスプリング・バンク・ホリデーで休場となる。

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最終更新:5/24(金) 16:52

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