10日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で反発、消費関連に買い
下記の通り修正します。(誤) (正) 10日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比20.13ポイント(0.59%)高の3422.66ポイントと反発した。11月13日以来、約1カ月ぶりの高値水準を回復している。
中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」が11~12日に開催されると伝わる中、9日には中央政治局会議が開催された。政治局会議では、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針が確認されている。金融政策はこれまでの「穏健な(中立的な)」から「適度に緩和」に変更。方針転換は、リーマン・ショック後以来14年ぶりだ。そのほか、今回初めて住宅市場と株式市場の安定化を図る方針も示されている。また、李強・首相は9日、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際機関10団体の代表らとの会合で、中国内需の拡大に向け、マクロ経済政策の強化などあらゆる手段を講じていくと表明した。
ただ、上値は限定的。中国指標の下振れがマイナス材料だ。取引時間中に公表された11月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が前年同月比6.7%増(予想は8.7%増)にとどまり、輸入が3.9%減(予想は0.9%増)に落ち込んでいる。また、16日に公表される11月の小売売上高や鉱工業生産などや、15日までに発表される金融統計の内容を見極めたいとするスタンスも重しとなった。指数は上げ幅を徐々に縮小している。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、消費関連の上げが目立つ。スーパーの永輝超市(601933/SH)がストツプ(10.0%)高、宝飾品の老鳳祥(600612/SH)が4.9%高、自動車の安徽江淮汽車集団(600418/SH)が4.3%高、パン・菓子の桃李麺包(603866/SH)が4.1%高、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)が2.5%高、乳製品の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が2.4%高、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が2.0%高、酒造の貴州茅台酒(600519/SH)が1.8%高で引けた。
金融株もしっかり。招商銀行(600036/SH)が2.4%、中国工商銀行(601398/SH)が1.6%、新華人寿保険(601336/SH)が1.7%、中国平安保険(601318/SH)が1.4%、招商証券(600999/SH)が2.7%、信達証券(601059/SH)が1.6%ずつ上昇した。
不動産株も物色される。華麗家族(600503/SH)と華遠地産(600743/SH)がそろってストップ(10.0%)高、信達地産(600657/SH)が4.8%高、新城控股集団(601155/SH)が3.5%高で取引を終えた。ハイテク株、空運株、インフラ関連株なども買われている。
半面、発電株はさえない。国投電力(600886/SH)が2.1%、華電国際電力(600027/SH)が1.9%、福建福能(600483/SH)が1.8%、中国長江電力(600900/SH)が1.4%ずつ下落した。エネルギー株、医薬株、海運株なども売られている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.96ポイント(0.34%)高の279.96ポイント、深センB株指数が3.53ポイント(0.29%)高の1238.33ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)
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最終更新:12/10(火) 17:08